今月 読んだのは…
アメリカが舞台の群像ドラマ
「 ゾンビがいた季節 」 須藤古都離
「 歌舞伎 」書下ろし 時代ミステリー
「 狐花 葉不見冥府路行 」 京極夏彦
ミステリー
「 月蝕島の信者たち 」 渡辺優
中世ファンタジー × ミステリー
「 盟約の少女騎士 」 陸秋槎
の4冊。
ジャンル的には バランスよく読めたが「 本格ミステリー 」としては 残念な結果に…。
まずは「 ドラマ 」と「 時代劇 」の2冊から。
「 ゾンビがいた季節 」 須藤古都離
アメリカを舞台にした 群像ドラマ。
著者は『 ゴリラ裁判の日 』の人ですね。
1969年、アメリカ・ネバダ州の 人口50人以下の小さな町、ジェスロー。
小説化のトムは、何故か 自分の元へと送り込まれた 事務員の
ケイティとの対話中、外に ゾンビ化した住民を目撃する。
さらに 家にいた 妻のメグも ゾンビ化していたため、2人は
「 地下シェルター 」へと逃げ込むことに…。
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小説を書けなくなった 夫・トムを嘆く メグは 出版事務所のダンに相談。
ダンから「 世界が終わる日が来たら 書くかもな 」と トムが言っていたと知らされた メグは、
「 核戦争をでっち上げ トムを地下シェルターに閉じ込めて 小説を書かせる 」という計画を思いつく。
ダンは そこに 映画『 ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド 』から思いついた「 ゾンビ 」への変更を提案して その話は終了。
しかし、メグには 冗談だったが、真に受けた ダンは ジェスローで「 ゾンビ映画 」を撮るため、映画監督のエリックに声をかけるのだった……。
というように「 ホラーとしての ゾンビもの 」ではありません。
そこは レビューを読んで 予想はしてはいたんですが、実際 読むと やっぱり ちょっと ガッカリ。
それでも「 トムの後悔と 奮起 」には 熱いモノがあったし、
「 業界から見放された映画監督 」「 ジェスローの住民たち 」
「 イメージを変えたい 映画俳優 」 etc….
各人の思惑も 面白くて そんな気持ちも 吹き飛びましたね。
さらには「 謎の殺し屋 」「 美術商 」「 空軍の大佐 」なども
加わり さらに騒がしくなるので 読んでいて 楽しかったです。
それと「 映画ネタ 」や それを感じさせる「 小ネタ 」にも 心をくすぐられましたよ。
各人物の「 心情 」も 人間味があったり、笑えたり、しんみりしたりで「 人間ドラマ 」としても 読み応え 十分。
個人的には ベトナム帰還兵・ケビン( の PTSD )と 彼の
子供たちのくだりが 心に沁みましたね。
その他「 黙示録 」「 オレゴン・トレイル ?」「 ヒッピー 」、
ネバダ州らしく「 UFO 」と アメリカンなネタが満載なのも イイんですよ。
という事で 個人的には 満足度高めと 良作でした。
アメリカや 群像劇が 好きなら オススメできそうな感じです。
…ん、結局 牛を襲ったのは なんだったんだ…?
「 狐花 葉不見冥府路行 」 京極夏彦
京極夏彦が「 歌舞伎 」に書き下ろした 時代ミステリー。
ちなみに 副題は「 はもみずにあのよのみちゆき 」と読みます。
鳥居の前で 対峙する、狐面と 黒装束の男。
「 其方であったか 」…。
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見かけただけの 美しい男に 惹かれた、作事奉行・上月監物
( こうづき けんもつ )の娘、雪乃( ゆきの )。
お付きの者・お葉( およう )も その男を見ていたが、彼女は
なぜか 恐れを抱き始めて 体調を崩し、床に 臥せってしまう。
上月の屋敷に呼ばれた 近江屋源兵衛( おうみや げんべえ )と
辰巳屋棠蔵( たつみや とうぞう )は、
上月から 娘の雪乃が「 彼岸花を染め付けた 着物 」を着た男から手紙をもらったこと、
日に日に弱っていく お葉が 近江屋と 辰巳屋の それぞれの娘、登紀( とき )と 実祢( みね )に 会いたがっていることを知らされる……。
ようやく読めた…。
読みたい本が 多すぎだよ…。
で 本作。
「 帯 」に書いてあるから 書くけど、『 了巷説百物語 』に出て来る “拝み屋”・中禅寺洲齋 が出てきます。
話の方は「 女たらしの 謎の美男子 」と「 娘たちの秘密 」に
「 作事奉行・上月たちの秘密 」が絡んで来る内容で、
傾向としては『 巷説 』っぽい感じだけど、人物描写なんかは
チョット『 江戸怪談 』シリーズっぽいところも感じましたね。
もともとが「 歌舞伎 」用だからか ページ数は 250頁くらいと、京極作品としては 少ないものの、そこはそれ、
しっかりと 京極節が効いていたし「 人の業 」を描いた ドラマも 良かったりで 読み応えは 十分 ありました。
「 ミステリー部分 」も シンプルだけど 意外性も ちゃんとあったし。
タイトルにある「 狐 」の もうひとつの意味にも オオッとなりましたね。
でも、あと 100頁くらいは 欲しかったかな。
あと、個人的には 気にしてませんが「 キャラもの 」としても 弱いかもしれません。
ちなみに、私は 登紀が 一番 好きです。