「 私は目撃者 」(イタリア/1971)
ダリオ・アルジェント 監督の ミステリー・サスペンス。
夜中、姪の少女・ローリー と 帰宅途中の 盲目の男・フランコ。
路上に停まった車から聞こえる「 男2人の会話 」が 気になった フランコは その人物の顔を ローリーに 確認させるが 見えたのは ひとりだけだった。
翌日、自宅近くの「 テルジ研究所 」で「 窃盗未遂 事件 」があったの知った フランコ は 次の日の新聞で 唯一 顔が見えた
車の男が「 列車事故 」で 亡くなった事、
さらに その男、カラブレジが「 テルジ研究所 」の研究員だったことを知る。
「 事故 」に 興味を覚えた フランコは「 窃盗未遂 事件 」の
取材をしていた記者、ジョルダーニ に 会いに行く……。
「 たしか、後半 グダグダしてたな… 」と 思い出しつつ、
久しぶりに 3回目の鑑賞。 ( BDのダビング )
1作目『 歓びの毒牙 』、3作目『 4匹の蠅 』と 比べると
扱われる頻度は 少ない印象の作品。
まあ、多くの人が『 サスペリア 』や『 同 PART2 』、
『 フェノミナ 』っぽいのを 求めているようで(?)他の作品も あまり取り上げられませんけど。
ちなみに『 サスペリア 』の イメージから アルジェントを
「 オカルト系 」の人と 思いがちですが、
アルジェントが 作品に「 オカルト要素 」を入れだしたのは、
当時 深い仲だった ダリア・ニコロディ と 彼女の祖母
( 魔術師だったらしい )の影響。
作品から 徐々に「 オカルト要素 」が 少なくなっていったのは そのためで、
『 インフェルノ 』や『 ~テルザ 』が 取っ散らかった感じだったのも チョット頷けるんですよね。
ちなみに、もともと アルジェントは「 脚本家 」※で、
『 ウエスタン 』(68年)にも「 原案 」として 参加して
ます。
( ※ もともと 監督になる気は なかったらしい。
第三者に 渡すのが惜しい仕上がりの「 脚本 」を 父の勧めもあって 監督したのが、初監督作品の『 歓びの毒牙 』)
前置きが 長くなりました。
本作は アルジェント得意の「 事件に首を突っ込む モノ 」
サスペンスで「 ジャーロ感 」は 薄め。
ですが「 事件 」を追う 盲目のフランコが「 結構 年上 」、
彼をサポートする 姪・ローリー が「 幼い少女 」
という「 歳の差 コンビ 」は 独自性がありますし、
「 探偵が盲目 」という設定にも ワクワクします。
まあ「 コンビ 」の方は 徐々に 記者・ジョルダーニ に
代わっていくし、
「 盲目 」設定も 活かし切れてはおらず、
2つとも「 消化不良 気味 」ですが。
とはいえ「 演出 」「カメラワーク」「 編集 」が素晴らしく
「 サスペンス気分 」は下がらないんですよね。
今回の鑑賞、「 編集 」関係で 特に目を引いたのが「 事件 」
とは 関係ない「 カーチェイス 」の場面。
「 ドライバー視点 」、「 シフトチェンジ( の手 )」、
「 街を走る車 」、「 それを追う 警察車両 」の「 編集 」が
キレッキレでね、観ていて 気持ちイイんですよ。
もちろん、事件関係の「 キョロキョロする 犯人の視点 」や
「 どアップの “犯人の瞳” 」、じっくり描く「 絞殺 」など
「( ホラー的な )サスペンス 」の 見せ方も 地味目※ では
ありますが 楽しかったです。
( ※ 映像的に「 地味目 」なのが 人気の出ない理由かも… )
そんな感じで テンションを落とさずに 順調に進むんですが、
後半になると 途端に テンポが 悪くなってね…。
「 犯人の特定方法 」に至っては「 推理 」ではなく
「 状況証拠 」のため「 ミステリー 」として弱く、
そのため 最後の「 犯人判明 」も さほど盛り上がらず。
「 盲目 」( = 耳が良い )と「 “目” の ローリー 」がいる設定なんだし「 犯人の足音を聞く 」場面も ちゃんとあるんだから、
それらで 犯人を特定して 追い詰める展開へと 持ち込めば
ミステリー的に盛り上がったのにと 残念に思いましたよ。
それでも 個人的には『 歓び 』『 蠅 』に 劣る作品とは思えないですけどね。
ただ、犯人の「 動機 」関係が “アレ” なんで、若干 ススメ難い作品ではあるかも。
ここから「 画像 」。
「 展開バレ 」あり。
〔『 私は目撃者 』 タイトル 〕
「 盲目 なのに 目撃 」という、
少し捻った「 邦題 」だけど 地味でね。
でも 原題「 九尾の猫 」だと「 タイトル負け 」しそう…。
〔『 私は目撃者 』 帰宅途中の フランコと ローリー 〕
通りすがりに ただならぬ「 車内の会話 」を聞きいた
フランコは 姪のローリーに 車内の人物を確認させる…
という、後の被害者の「 目撃 」場面。
〔『 私は目撃者 』 クロスワード職人・フランコ 〕
フランコは 視力を失うまでは 元記者で
今は「 クロスワードパズル 」を制作をしている…という設定。
〔『 私は目撃者 』 殴られた「 テルジ研究所 」の警備員 〕
何やら 異変を察した( 幻視した?)フランコは 窓辺に立つが…
ここ、警備員が 殴られるよりも前に フランコが “それ” を
「 幻視 」するという「 オカルト的な 」演出になってましたね。
ちなみに 上画像が「 幻視?」、下が その後に起こった
「 犯人視点 」の襲撃( 殴られた 警備員が倒れる )です。
よく見ると 警備員の「 位置 」も 少し違ってる
( わざわざ「 別テイク 」を使っている )んですよ。
〔『 私は目撃者 』 「 犯人の瞳 」の どアップ 〕
この「 犯人の瞳 」のアップは 要所要所で カットイン。
視聴者にとって「 瞳の色 」が 犯人特定の ヒントにもなる?
「 瞳 」は この後の『 4匹の蠅 』にも 受け継がれていましたね。
〔『 私は目撃者 』 「 テルジ研究所 」にて
記者の ジョルダーニ(左) と 警部(右) 〕
警備員を殴り「 テルジ研究所 」に 侵入した 犯人だったが
その目的は不明。
〔『 私は目撃者 』 カラブレジ博士 と 恋人・ビアンカ 〕
しかし、研究員の カラブレジ博士は 犯人と その目的を知って
いるようだ。
〔『 私は目撃者 』 線路に 突き飛ばされた カラブレジ 〕
だが、その カラブレジは 駅で 突き飛ばされ…
〔『 私は目撃者 』
超・反応で カラブレジを撮る カメラマン 〕
…と、その瞬間を 超・反応を見せた カメラマンが 激写。
こんな撮り方だが ピントは ぴったり。
〔『 私は目撃者 』 カラブレジ 轢死 〕
当の カラブレジは 電車に轢かれ キリモミ。
この 一連のくだりの「 カット割り 」が 上手いんだよな。
〔『 私は目撃者 』 車の男を 記事で 発見 〕
次の日、ローリーは 新聞記事で 車の男の「 顔写真 」を発見、
フランコは その男、カラブレジが 事故で亡くなったのを知る。
フランコは ローリーを連れ 記者・ジョルダーニ に 会いに
行き、「 事故写真 」に何か映ってないか 確認させる。
〔『 私は目撃者 』 突き飛ばされた カラブレジの「写真」〕
それにより「 写真 」に カラブレジを 突き飛ばした「 手 」が映っていた事が判明。
すぐ 3人は カメラマンに会いに行くが…
〔『 私は目撃者 』 カメラマン 絞殺 〕
〔『 私は目撃者 』 「 一手 」遅カッタナ… 〕
そこで 絞殺された、しかも何故か 顔に傷を付けられた
カメラマンを 発見、「 ネガ 」もなくなっていた。
犯人とは 入れ違いだったようだが…
〔『 私は目撃者 』
「 テルジ研究所 」の所長、テルジ と 彼の娘、アンナ 〕
「 犯人の動機 」を探るため ジョルダーニ は 所長のテルジに
接触。
〔『 私は目撃者 』 ビアンカ 〕
カラブレジの恋人、ビアンカも 何かを知っているようで…
「 壁紙 」の デザイン…
〔『 私は目撃者 』 ジョルダーニ と アンナ 〕
アンナによると「 研究所 」では 染色体に関する 秘密の研究を
しているらしく、スパイの影もあるようだ。
アンナの ファッションも 見どころ…かも。
〔『 私は目撃者 』 ジョルダーニ と フランコ 〕
事件の「 手掛かり 」は
テルジ所長 と 娘・アンナ、
研究員 エッソン、カゾーニ、 モンベル、 ブラウン の6人 と、
ビアンカ、「 写真 」、「 窃盗未遂 」で 計9つ。
ここから「 タイトル 」が来ているようだけど、
なんか ピンとこないんですよね。
ここらへんで だいたい半分くらい。
で、その後は…
〔『 私は目撃者 』 絞殺された ビアンカ 〕
ビアンカが殺されたり…
〔『 私は目撃者 』 脅迫状 〕
2人に 脅迫状が届いたり…
〔『 私は目撃者 』
ジョルダーニ と 研究員・カゾーニ の ヤバイ発言 〕
人権的にみて “ヤバい”話が 飛び出したり…
〔『 私は目撃者 』 刺殺された 研究員・ブラウン 〕
ドイツ人で ゲイの 研究員・ブラウンが 殺されたりします。
〔『 私は目撃者 』 “仕込み杖” だった フランコの杖 〕
さらに 後半では フランコが 座頭市になったり?とか、
〔『 私は目撃者 』 誘拐される ローリー 〕
ローリーが さらわれたりもしますが、少しずつ テンポが 悪く
なるんですよね。
〔『 私は目撃者 』
終盤の ジョルダーニ 対 犯人( 実は 結構イイ場面 )〕
終盤は ジョルダーニ が活躍。
個人的には ローリーの出番( 犯人から 逃げるとか )が
もっと見たかったな。
ついでなんで 簡単に「 ネタバレ 」。
「 映画 絶対 観ない 」、「 ネタバレ 関係なし 」という人だけ見るように。
〔『 私は目撃者 』 カゾーニを 問い詰める フランコ 〕
フランコが 傷を負わせた人物( 犯人 )を 特定できないまま、
ローリーを捜し「 研究所 」へ。
ジョルダーニ は 上から滴る「 血 」に気づき 上の階へ行くが
そこで 襲われてしまう。
そこで ジョルダーニ が 見た人物は…
犯人は「 XYY染色体 」を持つ 研究員・カゾーニ だった。
「 研究所 」に 忍び込んだのは「 検査結果の入れ替え 」が
目的で、殺人の動機は「 口封じ 」。
( カメラマンに 付けられた「 顔の傷 」は 異常性の現れか? )
〔『 私は目撃者 』 カゾーニ 墜落 〕
カゾーニ の「 ローリーを殺した 」という言葉に 逆上した
フランコは 彼を「 エレベーター 」の屋根に突き落とす。
下の階からは 助けを呼ぶ「 ローリーの声 」が響き……終。
「 XYY染色体 」の「 特異性 」を 隠すための 行為・行動で
その「 特異性 」を裏付けてしまう…という 皮肉な話。
ちなみに「 XYY( 症候群 )」は 実際にありますが、
コレは もちろん フィクションです。
( 映画の最後にも フィクションとの テロップがでる )



































