今月 読んだのは…
『 クトゥルフの呼び声 』収録
「 ラヴクラフト全集 2 」 H・P・ラヴクラフト
怪談+ラヴクラフト な ホラー・ミステリー
「 赤虫村の怪談 」 大島清昭
本格ミステリー
「 名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件 」 白井智之
奇譚・奇妙系の短篇集
「 禍 」 小田雅久仁
の4冊。
まずは「 奇譚(ホラー)系 」2冊から。
「 ラヴクラフト全集2 」
H・P・ラヴクラフト
訳:宇野利泰
前に『 宇宙からの色 』『 狂気の山脈にて 』が収録されている
『 全集4 』は 読了。
取り敢えず「 有名どころ 」は 読んでおきたいとは 思っているんですが、なかなか取り掛かれず。
そんなんでしたが、気になっている 某ゲーム※に
「 ラヴクラフト 」(+ 伊藤潤二、 日本の ホラー文化 )の要素があるらしく、それに 背中を押されて ようやく 2冊目に挑戦です。
〔 ※ 某ゲーム=
AVG風・ローグライト系の ホラー『 恐怖の世界 』。
PC版(「GOG」で )買いました。
思っていたのとは かなり異なり、始めた当初は「 単調 」だったりで 後悔し始めましたが、「アンロック」していくと「 要素 」が 増えてきて段々と 面白くなってきた。
元は十分 取れそうだけど、その「 アンロック 」が 多くて
超・面倒くさいし( ようやく「 半分 」アンロック した )、
取っ付き難い「 システム 」「 UI 」なので オススメ度は
低め ( 面白かったら ちゃんと紹介するかも… )〕
それで 今回、『 インスマウスの影 』、『 ダニッチの怪 』
あたりと悩んだ末、基本っぽい『 クトゥルフの呼び声 』の方を 選択してみました。
ちなみに「 初版 1976年 」と 昔の本のため、相変わらず
「 訳 」とか「 漢字 」( 初見の有り )などが硬く、読みづらかったです。
これから「 ラヴクラフト 」を読むなら なるべく 新しめの
「 訳 」の方が いいかもしれませんね。
あと、何作かは「 青空文庫 」で 読めるようなので 興味がある方は そこから選んで 読んでみるのも いいかもしれません。
「 クトゥルフの呼び声 」
亡くなった 大叔父、エインジェル教授が 残した「 研究資料 」を整理していた 僕。
その資料には 芸術家青年が「 夢 」で見て、聞いたという、
“タコ頭の怪物” と「 クトゥルフ 」、「 ル・リエー 」という
謎の言葉、
警部が「邪教の摘発」をした際、そこで手に入れた「謎の偶像」の「 話 」が記録されていた。
僕は その後、偶然「 謎の難破船 」の記事を見つけ……。
メインとしては「 青年の夢 」「 邪教集団と偶像 」「 難破船 」の 3エピソードの構成。
回りくどい描写が 少なめだったためか、「 硬い訳 」による
読みづらさも さほど感じず、まあまあ 読み進めやすかったです。
内容も「 青年の夢 」パートの「 怪物の 薄肉彫り 」と、
「 警部 」パートの「 邪神像 」の符合には ワクワクしたし、
クトゥルフの影響で「 狂ってしまう人 」も ちょこちょこ 出てきたりで 楽しかったですね。
あと後半、うっかり「 石造都市 上陸 & 復活に立ち合い 」
してまう 船員たちの不運に ちょっと笑ってしまいましたよ。
その後の あっさり「 潰される 」場面も 無慈悲で 良かったな。
最後は「 “世界の終わり” の 始まり 」かと思いきや、
航海士・ヨハンセン の 特攻?により「 再度封印 」という、
結構 強引な ノーマル・エンド。
どうやら「 海底に沈んだ 」って事みたいだけど※、
その描写も ヨハンセン視点で しっかりと描写してほしかったな。
まあ、なんにしても
「 クトゥルフは帰って来る 」( マーベル風 )
って事でしたね。
( ※ 人物や 事件などを 紹介する番組、
『 ダークサイドミステリー 』の「 ラヴクラフトの回 」で
本作の内容も 紹介してたけど すっかり 忘れてた )
ちなみに 近年の(?)ゲームで「 SAN値 」( 正気値 )
の パラメータがあったりするんですが、
その元ネタが TRPG「 クトゥルフの呼び声 」みたいです。
「 エーリッヒ・ツァンの音楽 」
「 別次元の生物?から 町を守っている?
一人の 老ヴィオル弾き 」の 孤軍奮闘譚。
なんか「 悪魔要素 強め 」っぽいな と思ったら、
1921年と「 前期 」の作品のようですね。
(「 訳者あとがき 」によると『 ~ 叫び声 』は 1926年で、 ここから「 後期 」に 入るらしい )
終盤、暗闇の中「 弾き手がいないのに 鳴る ヴィオル 」が印象に残ったな。
「 異次元 」、「 大規模な惨事 」を 想像させる「 消えた町 」に対しての 主人公の感想は そっけなかったけど…。
それにしても 主人公、いろいろと 邪魔してないか?
「 チャールズ・ウォードの奇怪な事件 」
長篇。
先祖、ジョゼフ・カーウィン を調べるうち “狂った” とされ、
「 精神病院 」に収容されていた チャールズ・ウォード が病院から脱走。
最後に チャールズと 会ったのは ウォード家と交流のある
ウィレット医師 であった…。
┇
変わらぬ容貌、謎の農場、消える水夫、大量の食糧 等々、
怪しげな風評を持つ 海運業者、ジョゼフ・カーウィン。
婚約者を カーウィンに盗られた 航海士の エズラ・ウィードンは
独自に カーウィンを調べ始めるが……。
「 長篇 」ってのもあるのか 少々 回りクドい表現で、
「 訳 」の事もあって 読み進めづらい 作品でしたね。
ですが、病院からの「 密室っぽい チャールズ 脱走劇 」、
中盤の カーウィンの「 怪しいウワサ 」の数々や
「 魔術 」「 錬金術 」「 死者復活 」等々と その顛末、
再び チャールズ、「 病院収容まで 」と「 真相 」と、
「 エンタメ度 」は えらく高めで 面白かったです。
後半の ウィレット医師の「 ホラー・アドベンチャー的 」な
「 探索 」展開も なかなかの 盛り上がりを みせていましたが、
個人的には その後、ウィレット医師による「 推理 」展開と
「 魔術対決 」※に グッと引き込まれましたね。
特に「 魔術対決 」は「 一瞬で決まる 詠唱バトル 」になっていて、それが「 居合の対決 」のようで シビレましたよ。
あと、最初の「 脱走劇 」が キレイに解決した形(?)になっていたし、一応「 犯人判明 」みたいな流れもあったので、
「 ミステリー 」としての スッキリ感もあったかな。
最初は「 密室 」で 次に「 オカルト 」、
最後は 2つの「 掛け合わせ 」という事で 個人的には
「 ホラー・ミステリー 」の装いのある 楽しい作品でした。
「 禍 」 小田雅久仁
奇譚・ホラー系の 短篇集、全7編。
著者は『 残月記 』の人です。
「 総評 」から言えば、「 オッ 」とは来た「 設定・話 」は あったものの、思ったほど ワクワク・ゾワゾワは 感じなかったですね。
その「 話 」自体、似たような感じに落ち着いちゃうのも なんか
残念。
という事で「 まあまあ 」くらいになるかな。
「 食書 」
ショッピングモール の トイレで
「 本のページを 千切って食べる 女 」に出くわした 小説家。
その女は「 一枚食べたら…… もう引き返せないからね 」と忠告して トイレから出ていき……。
設定が すごく良かったですね。
ただ、結末は あっさりな気が。
「 自分の本を食べる 」とか、もう少し グチャっとした展開が 読みたかったな。
ちなみに その本編より「 作中作 」の
“オシッコで 男たちを誘因する”「 魔女 」、
『 横浜駅SF 』を思い出させる、“自己増殖する足場” の話の
「 足場 」の方が 面白そうでした。
「 耳もぐり 」
行方不明の恋人を 探すため 彼女が住む アパートの ”隣室の男” から話を訊く 男。
“隣室の男” は「 耳もぐり 」という秘儀の話を 始めるが……。
“隣室の男” の「 語り 」で 進む内容なんですが、
なかなか本筋が 見えない感じが 不穏だったし、
チョット「 ミステリー要素 」もあったりで とても 面白かったですね。
何か幸せかも…と感じさせる? オチも 印象深かったりで、
一番 良かったかも。
「 喪色記 」
「 終わりが近い世界 」の「夢」を見る、仕事で心を病んだ 男。
その「 夢 」には「 夢幻石 」という岩 や、マナという名の少女が出てきていた。
「 夢 」の他、時々 “ざわめき” を感じていた 男は ある日、
強い “ざわめき” に襲われ……。
ファンタジー設定な「 世界の終わり、そして… 」譚。
「 色のなくなり 」=「 世界の終わり 」というところは 結構
好きではあったし、
最後の「 灰色の 浸食と 大行進 」も 楽しくはあったけど、
ファンタジー部分は 苦手でした。
「 柔らかなところに帰る 」
バスで 隣に座った 太った女性に誘われた、既婚者である 男。
その時は「 誘い 」を躱したが その日から その太った女性に
欲情を覚え始め……。
太った女性に モンモンとする 主人公が何とも 危なげで、
ハラハラしながら読みましたよ。
最後の「 むちむち地獄 」も 圧巻で 結構 楽しく読めたかな。
まあ、個人的には「 潰されて 」欲しかったですけどね。
この著者は「 たくさん・いっぱい 」が 特徴的な作家なのかも。
「 農場 」
「 ハナバエ 」という「 作物 」を育てる仕事に 誘われた、
仕事も住むところない 男。
男は その “農場” で 巨大なタンクに入った たくさんの「 鼻 」を見る事に……。
前半の 不穏、不気味な 雰囲気は なかなか良かったけど、
話の「 軸 」が つかみれない感じで イマイチ入り込めず。
「 説明 」が あまりないタイプの作品なのもあってか、最後も
曖昧で 気持ちの持って行き場に困る。
面白くなりそうで ならない、そんな作品かな?
「 髪禍( はっか ) 」
「 髪を神とする 」新興宗教の 後継者の お披露目の儀式
「 髪譲り儀 」に、サクラとして参加する事になった 女性。
…の話。
「 神は髪なり 」「 霊髪(れいはつ)」「 髪人(かみうど)」など、胡散臭い「 面白フレーズ 」が たくさん出てきくる内容は
なかなか楽しい。
「 髪の毛 」で出来た ミサンガ的な「 髪輪( はつりん )」も 気持ち悪くて 良かったな。
そういう事で ちょいちょい クスっとしながら読んでたんですが、実は それらは ある種の「 ミスリード 」で、
後半は とんでもない、これはこれで 超・楽しい展開
( ラブ・デラックス とか 人類補完計画 とか…? )を見せるんですよ。
結末は 好きじゃないんですが 好きな作品ですね。
「 裸婦と裸夫 」
美術館に行くため 電車に乗った男。
だが、車内に ○○の男 が現れ……。
まさかの「 全裸 パンデミック 」( ← ネタバレ回避で 白字 )な展開が 結構 新鮮で 超・楽しい。
以外にも 緊張・緊迫感が あったのは、人が抱える「 羞恥心 」の “重さ” が要因かな。
あと、意図があるのかは わからないけど「 アダム と イブ 」と逆っぽいのも チョット面白かったり。
「 短編 」らしい 図抜けた内容だったけど これまた「 最後 」は 合わなかったな…。
それでも 面白く読めましたけどね。
という事で 個人的に 面白かったのは
『 耳もぐり 』、『 髪禍 』、『 裸婦と裸夫 』かな。