SFサスペンス と 幻想怪奇 「 ユビキタス 」「 猿 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

 

 

 

しばらくしたら消す、「 鈴木光司 繋がり 」話から。

 

 

 

鈴木光司で 思い出したのが 人気作家の「 短篇オムニバス 」を元に( メディアミックスかな?)『 世にも奇妙な… 』風に

 

ドラマ化された『 幻想ミッドナイト 』(97年 放送 )

 

ドラマ1話目『 夢の島クルーズ 』鈴木光司 原作で ちょっとだけ 覚えているんですが 気になって調べてみたら、

 

京極夏彦『 目目連 』、 綾辻行人『 四〇九号室の患者 』も収録&映像化 されてましたね。

 

( 初・京極夏彦は ドラマだった! 綾辻『 十角館 』を読んだのも この頃。 初・綾辻も ドラマの方かもしれん… )

 

それで 薄っすら思い出したけど『 夢の島クルーズ 』と 筒井康隆『 怪物たちの夜 』( まさかのオチ )以外は すっかり忘れてました…。

 

ちなみに ドラマの方は「 某チューブ 」に あったり…

 

それと ドラマ主題歌、D-LOOP『 Love me tender 』

ナツいぞ(?)。

 

 

ここから 本題。

 

 

今月 読んだのは…

 

 

SFサスペンス

 「 ユビキタス 」  鈴木光司

 

 

幻想怪奇

 「 猿 」  京極夏彦

 

 

本格ミステリー

 「 動物城2333 」  荷牛 / 王小和

  下訳:阿部禾律  訳:島田荘司

 

 

の3冊。

 

 

始めに「 SF 」と「 幻想 」から。

 

 

 

「 ユビキタス 」  鈴木光司

 

 

SFサスペンス。

 

チョットだけ「 設定バレ 」してるんで 注意。

 

 

 

15年前に 亡くなった、医学を学んでいた 麻生敏弘( あそう としひろ )。

 

彼の両親から 敏弘が 当時 付き合っていた女性との間に生まれた…かもしれない子供( 孫 )を探し出す依頼を受けた 探偵の

前沢恵子( まえざわ けいこ )。

 

恵子は この案件を紹介してくれた 稲垣が持っていた、当時 敏弘と付き合っていた「 中沢ゆかり 」の名刺から、

 

彼女が所属していた 宗教団体「 夢見るハーブの会 」を調べるが その団体は 不可解な「 集団死事件 」により消滅していた。

 

その後、恵子の後輩、葉月から「 都内マンション 」と「 自衛隊官舎 」で起こった 2つの「 原因不明の不審死 事件 」と、

 

さらに 敏弘と親しくしていた先輩として 紹介されていた 露木眞也( つゆき しんや )から、

 

敏弘が 研究対象としていた “未知の言語” で書かれた 古文書、

「 ヴォイニッチ・マニュスクリプト 」の話を訊く……。

 

 

 

気になっていた作品で もっと早く読む予定だったけど 案の定、

なかなか読めず このタイミングに…。

 

あと、鈴木光司は たぶん “初読み” です。

 

(「 短篇 」はあるかも…?

『 リング 』は 映画の方で 満足したんだよなぁ )

 

 

で本作、タイトル「 ユビキタス 」は 年齢的に「 IT用語 」の方※ でしか知らなかったけど「 遍く 遍在する 」という意味みたいですね。

 

( ※「 いつでも だれでも どこでも 」PCに アクセスできる…とかいうヤツ。 フツーに 懐かしい )

 

 

感想から書くと「 前半 ワクワク、中盤 以降は う~ん が多め 」になるかな。

 

あと「 都合よすぎ 」「 ちょっと古い 」との印象も受けましたね。

 

 

「 前半 」は 不穏が漂う「 プロローグ 」、探偵・恵子による

「人探し」からの「 15年前の 集団不審死 事件 」、

 

さらに…と来て、そこに 敏弘が 研究していた “未知の言語” で

書かれた 古文書「 ヴォイニッチ・マニュスクリプト(手稿)」の登場…

 

と、先の読めない展開が 続き、読んでいて楽しい。

 

「 集団死 」での “被害者たちの不可解な行動” も ミステリアスなんですが、

 

なんとも奇妙な “謎の古文書”「 ヴォイニッチ手稿 」の存在に

興味をそそられるんですよね。

 

この「 ヴォイニッチ手稿 」は 実在する 古文書で、

 

独自の文字で 書かれていた事から「 暗号 」と思われていたものの 誰も解読できず「 人工の言語 」の説も出ていたり、

 

さらに「 実在していないっぽい 植物 」や「 植物同士を 接ぎ木したらしい 植物 」、「 星座や 天体らしき絵 」など

 

「 謎の挿絵 」が 多く載っている 謎多き書物。

 

特に奇妙なのが「 植物から出る 緑色の液体(樹液)を 女性たちが 浴びる( 浸る )絵 」。

 

何となく「 合成植物による 薬効(+占星術?)の研究 」みたいなのを感じるんだけど、

 

何が書かれているか サッパリわからないため 本当のところは まったく不明。

 

ちなみに「 ヴォイニッチ手稿 」は ネットで「 全部ページ 」が公開されてます。

 

 

「 ヴォイニッチ手稿 」を紹介したので ネタバレ気味に 書きますが、その後も 映画『 ブルークリスマス 』(78年)

 

映画化もされた『 パラサイト・イヴ 』( 映画97年 )みたいな要素も加わり 俄然 盛り上がりをみせる…んだけど、

 

一方、都合がよすぎる部分も 結構あり 萎えちゃうところもあるので プラマイ・ゼロな感じに。

 

(「 別々のアプローチ 」から ひとつに繋がるのが 熱いのに、

知り合い同士で あっさり 繋がるんだもん )

 

後半など「 規模が大きい 」割りに こじんまりとしているのは

いいとしても、

 

(「 低予算ディザスター映画 」みたいな雰囲気だったが… )

 

“アレ” と “ソレ” の 行動原理の食い違い※ に 納得できず、次第に ノレなくなってきましたよ。

 

( ※ 一応、最後で 説明はされる )

 

「 ヴォイニッチ手稿 」から もっと「 ジャンルな展開 」を見せるかと 期待していたものの

 

「 スピリチュアル 」方面に 伸びていったのが 個人的には 残念でしたね。

 

 

終盤の「 擬人化 」した箇所も余計( 説明し過ぎ )な気がしたし、「 アレの意志 」も 個人的には 雑味だったな。

 

(「キリスト教」モチーフもあるので 内容と 合ってはいるが )

 

「 やり方 」が まわりくどかったり、結局「 ひとりしか選ばなかった 」ってのにも 納得できず。

 

( どう考えても 多い方が いいでしょうよ )

 

 

ということで「 ヴォイニッチ手稿 」や「 ○○人間 」など 好きな要素が 多かっただけに 惜しい作品でしたね。

 

 

 

 

「 猿 」  京極夏彦

 

幻想怪奇。

 

少し ネタバレ気味。

 

 

 

外に出られず、自身の身の回りの事も 出来るのかも わからず、

 

すぐに 機嫌をそこねて 悪罵を口にする 隆顕( たかあき )と

暮らす 祐実( ゆみ )。

 

なんとなく 母から聞かされていた 曾祖母の「 訃報 」の知らせを 唯一の親戚である 芽衣( めい )から受けた 祐実は、

 

隆顕を心配しつつも 相続の検討をするために 芽衣担当の弁護士らと共に 曾祖母が 暮らしていた「 村 」へ向かう事に。

 

祐実は マンションを出る前に 隆顕が「 猿がいる 」と言っていたことが 気に掛かり……。

 

 

 

長篇ではあったけど、予想通り 短篇集『 厭な小説 』や『 談 』シリーズと 同じ系統でしたね。

 

( 初出は 雑誌『 怪と幽 』

 

なんで「 恐怖 」の話ではあるものの「 イヤな雰囲気 」を味わう作品なんで(?)「 ホラー 」として読むと 面白くないかも。

 

 

内容は 一応「 曾祖母の住んでいた 村に向かう 」というモノ

なんですが「 祐実の心情描写 」や「 会話劇 」で進む形で、

 

さらに それも「 冗長 」だったりするので 全体的に つかみどころがない感じ。

 

( なんで 感想も 書きにくい )

 

個人的には『 ヒトでなし 』に「 幻想 」が 加わったイメージかな。

 

とにかく “病んでしまった” とはいえ 隆顕が「 モラハラ気味 」かつ「 投げやり 」で メンドくさく、滅入りましたね。

 

なんで 祐実がマンションから出て ちょっと ホッとしましたよ。

 

前半は 結構「 不穏・不気味 」な雰囲気だったし、過疎地で暮らす 曾祖母が「 謎 」だったりで 面白いんですが、

 

所々入ってくる「 アヤシイもの 全否定 」の語りが長く そこは チョット辟易。

 

まあ、それも「 前振り 」になってますけど。

 

後半、「 村 」に着いてからも その傾向があるんですが、

 

予想に反して「 村 」がアレで 個人的には 結構 盛り上がりましたね。

 

あの “投げっぱなし” みたいな「 ラスト 」は よくわからなかったけど、

 

読後 しばらくして思いついた 解釈としては「 曾祖母は 離れられなかった 」んじゃないかと。

 

そして 祐実の方も「 アッチから離れられない 」状態になった…みたいな感じかな?

 

祐実がいなくなったことで 隆顕が「 恐怖 」に襲われて? )


で、「 猿 」は そのまんま「 恐怖そのもの 」( “全否定” の後に残ったモノ? )の暗喩…なのかなぁ。

 

 

 

ということで「 冗長 」なところが 気になるものの 面白くは

読めましたね。

 

「 短篇 」くらいの長さだったら もっと 良かったかも…。

 

同傾向の『 厭な小説 』『 談 』シリーズが 楽しめたなら たぶん、こっちも 大丈夫そう。