今月( 入院中に )読んだのは…
本格ミステリー( 再読 )
「 美濃牛 」 殊能将之
本格ミステリー( 再読 )
「 隻眼の少女 」 麻耶雄嵩
本格ミステリー( 再読 )
「 翼ある闇 メルカトル鮎 最後の事件 」 麻耶雄嵩
美術&歴史・ノンフィクション
「 名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 」 中野京子
の4冊。
どうせなら 入院中は 再読しようと『 美濃牛 』『 隻眼 』、
予備として『 翼ある闇 』を持っていくことに。
『 美濃牛 』の ページ数が多めなので 当初は 2冊で 足りると 思っていたんですが 思った以上に長引き 3冊目に突入。
それも読み終え 病院に置いてあった コンビニ本の『 こち亀 』や『 ドラえもん 』、GW号の『 文春 』『 新潮 』などにも手を出し、
さらには 東野圭吾『 十字屋敷のピエロ 新装版 』( 再読 )、エーメの 児童向けの “ショート集”『 壁抜け男 』、
開いた時間に 読んでいた( が ほとんど 進んでいなかった )
中野京子『 ハプスブルク家12の物語 』までも 読破。
こんなことなら 再読する気が まったく起こらない『 黒死館殺人事件 』を 持っていけば よかったよ…。
というわけで 今回は 入院中に読んだ 作品のみ。
まずは「 再読 」の ミステリー3冊。
薄っすら「 展開バレ 」に触れるところが あるかも。
始めに言っておくと 3冊とも「 初読 」よりも 楽しめましたね。
あと、どうでもいいんだけど「 首無し死体 」という 共通点もあったり。
「 美濃牛 」 殊能将之
“病気を治す” という「 奇跡の泉 」を取材するため、依頼主の
石動戯作( いするぎ ぎさく )と共に 岐阜県の村を訪れた ライターの 天瀬啓介( あませ けいすけ )。
「 泉 」は 鍾乳洞のなかにあるらしいが、黒毛和牛を肥育してる土地の所有者、羅堂真一( らどう しんいち )の許可は下りず、
さらには 洞の入り口に バリケードが設置されてもいて「 泉 」があることすら 確認できない状況。
保龍( ほりゅう )を 中心とした「 泉 」を求める人たちのコミューン、「 泉 」を売りとした リゾート開発の話もあるなか、
真一の息子が「 “首無し” で 吊るされた 」状態で 発見される。
しばらくし「 第2の殺人 」も発生、村人は 村に伝わる「 わらべ唄 」があることを思い出し その「 見立て 」だと騒ぐが、誰も その歌詞を覚えていなかった…。
「 そんなことして、なんになるんです? 」
「 誰もろくに 歌詞すら 覚えてないのに! 」……。
タイトルは「 入り組んだ 洞窟 」と 規格に合格できず 飛騨牛になれなかった 和牛=「 ただの 美濃地方の和牛 」を併せて
ギリシャ神話の迷宮に住む「 ミノタウロス 」に掛けたモノ。
( “美濃のタウロス” タウロス は「 雄牛 」の意味 )
かなり前、『 ハサミ男 』から しばらく経った後に 読んだんだけど いつ読んだのかは 思い出せないです。
その時は 馴染のない「 俳句 」や 事件と関係のない「 音楽 」の話が多く出て来たり、「 トリック 」が フツーだったり、
『 ハサミ男 』が 好みだったのに こちらは オーソドックな内容だったりで 感想としては イマイチだった記憶が…。
なんで あまり期待はしていなかったんですが 楽しく読めましたね。
( 読書レベルが 上がったのだろうか… )
全体としては レビューで 結構 見かけるように「 横溝 」っぽい雰囲気…なのかな。
( 実は 横溝作品、『 映画 』だけで 長篇は 読んだ事がないのだった… 短篇の方も少し )
そのほか「 ミステリー関係 」の小ネタ※ も 多くあるようなで 読む人によっては「 パロディ感 」もあるのかも。
( ※「 解説 」に書いてあるが 石動戯作の 俳号、“春泥” は
乱歩の『 陰獣 』の 大江春泥 からだったりする )
「 ミステリー 」としては「 トリック 」関係は 個人的には 弱めだったので「 犯人 」関係が メインの印象。
内容は すっかり 忘れていたので「 真相 」には 驚きましたね。
ただ、ページ数を考えるとミステリーとして 物足りなかったのも事実。
それでも「 話 」というか「 人々のドラマ 」が 面白いので そこらへんは 気になりませんでしたね。
天瀬のほか、羅堂一族や コミューンの人たち、警部や 太っちょと 痩せの刑事2人などの「 心情描写 」が よく書けているので
「 群像ドラマ 」として 読んでいて 楽しいんですよ。
特に “頼れる” 出羽( でわ )と “頼りない” 村長の 対比が 何とも味わい深くてね。
宿泊先の 料理上手の奥さんも 地味にキャラが立っていて 印象深かったり。
逆に 真一の娘、窓音( まどね )の 心情描写はなく、それにより ミステリアスな空気を 醸し出しているのも 良かった。
「 俳句 」部分(「 句会 」の場面もある )も 案外ノレたし、
コール・ポーター などの「 音楽 」の話も まったく わからないものの マニア、オタクの “メンドクさ” が 愉快でしたね。
という事で 個人的には「 読んで 楽しい 」小説でした。
ネットのレビューも 全体的に 悪くないっぽい印象なので 意外と
楽しめる人が 多いのかも…?
「 隻眼の少女 」 麻耶雄嵩
ある目的をもって “スガル様” を崇める 寒村を訪れた 大学生の 種田静馬( たねだ しずま )。
彼は そこで起こった「 首斬り殺人 」の容疑者にされてしまうが 探偵を名乗る “隻眼の少女”、御陵みかげ( みささぎ )に救われる。
遺族である 琴折( ことさき )家 から 依頼を受けた みかげは
静馬を「 助手見習い 」として事件を捜査するが…。
┇
18年後、村を再び訪れた 静馬の前に またしても 少女が。
さらに 再び「 殺人事件 」に見舞われることになり……。
「 ミステリの賞 」を ダブルで受賞した 作品だけど、
初読時は 麻耶作品を 読むのが 2作目ということもあってか、
まあまあ くらいだったような…。
今回 再読してみると なるほど「 後期クイーン的問題 」、
いわゆる「 ニセの手掛かり 」云々が 前面に出ている 少々マニアックな内容で ノレなかったのにも 納得がいきましたね。
「 2部 」構成で それぞれに 意外な展開があるけれど、
「 話 」よりかは「 ミステリー寄り 」な印象、さらに 上記したような内容なので まあまあ 人を選びそうな感じ。
個人的にも 組み入れるのが難しい「 ニセの手掛かり 」要素のため「 本格 」ではあったけれど 納得感としては 少々 弱め。
ですが「 ニセの手掛かり 」や「 探偵 」を前面に出した 内容には “慣れた” ので 楽しく読めましたよ。
結構 内容も 忘れても いましたしね。
「 翼ある闇 」 麻耶雄嵩
依頼主に会うため 古城を彷彿とさせる「 蒼鴉城 」を訪れた
探偵の 木更津(きさらず)と 彼の友人の 香月(こうずき)。
しかし、城では すでに 依頼主が「 首を切断 」されて 殺されており 警察も到着していた。
さらに、石壁で囲まれた「 密室 」状態の部屋に もうひとつの
「 首無し 」死体もあった…。
改めて 依頼を受けた 木更津だったが……。
こちも「 2部構成 」、しかも それぞれ サプライズ? あり、
「 手掛かり 」要素もありと『 隻眼 』と似たような傾向。
それと、麻耶雄嵩らしい「 探偵 」の話でもあるんだけど
「 ワトソンもの 」要素もありましたね。
初読の時は たしか「 アンチ・ミステリー 」との感想だったと
記憶してますが、
全体的に「 パロディ的 」な雰囲気だし「 手掛かり 」は 一応
あるものの「 2人の探偵が それぞれ アレ 」だったり、
さらには「 トンデモ推理 」が爆誕したり※ で その考えは あまり 変わりませんでした。
( ※ ネタとはいえ? やり過ぎ。
一番 悪いのは アンポンタンポカンな あの教授だけど… )
しかし「 話 」としては かなり 面白かったですね。
麻耶雄嵩に “慣れた”( 好きになった )ってのもあるけど、
探偵がいるのに 死体が増えていく展開は「 ブラック・コメディ風 」で 読んでいて楽しかったし、
後半の「 探偵対決」や 終盤前の「 いろいろ 繋がっていく 」
流れも 結構 高揚感がありましたしね。
その後の イジワルな “あの展開” や「 真相 」も ケレンたっぷりで ミステリーの醍醐味を味わえましたよ。
ここから オマケ。
『 十字屋敷のピエロ 』(再読)は「 悲劇を呼ぶ ピエロ人形 」という オカルト的要素(?)が 面白い。
「 謎 」の出し方や「 全体の構成 」が上手く「本格度」も結構 高めだったりで、
内容を ほぼ忘れていたのも あったけど 思ったより楽しく読めましたね。
まあ「 手掛かり 」は 若干 気になったし、ケレン味が薄めなので「 サスペンス・ドラマ調 」に 思えましたけど…。
エーメの 児童向けの “ショート集”『 壁抜け男 』は 貧しい人の話が多くて チョット滅入りました。
表題作『 壁抜け男 』は 面白かったけど まあまあ 普通。
そっちより『 執行官 』が フランスっぽいオチで 好きです。
『 こち亀 』は 東大卒の「 法条正義 」の名前が いつの間にか
「 凄苦残念 」( すごく ざんねん )に 変わっていて 驚きましたよ。
調べたら 寺井も 変わってるんですね…。
なんか このエピソード自体が 残念だな…。