今月 読んだのは…
本格ミステリー
「 ちぎれた鎖と光の切れ端 」 荒木あかね
ノンフィクション
「 蚊が歴史を作った 世界史で暗躍する人類最大の敵 」
ティモシー・ワインガード
の 2冊のみ。
( 今、3冊目を 読んでるけど 読み終わらん )
冊数が 少なかったのは『 蚊が歴史を作った 』が ページ数が
多めで 情報量も多く、読むのに 時間が掛かったからです。
まずは「 ミステリー 」から。
「 ちぎれた鎖と光の切れ端 」
荒木あかね
本格ミステリー。
「 第一部 」
2020年、8月4日。
島原湾に浮かぶ 孤島、「 徒島 」( あだしま )来た 7人の男女グループと 彼らの世話をする「 海上コテージ 」の管理人。
その グループのひとり、樋藤清嗣( ひとう きよつぐ )には
「 先輩の仇討ち 」として「 他の6人を 殺害する 」という
「 復讐計画 」があったが、
その機会を前にして逡巡し、実行できずにいた。
そんなところに グループのひとりが「 海上コテージ 」の自室で 顔をめった刺しに、さらに「 舌 」を切り取られた姿で 殺されているのが発見される。
さらに「 殺人 」が続くが、何故か 被害者は共に 死体の
「 第一発見者 」で…
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「 第二部 」
3年後の 8月2日。
「 殺人事件 」が 2件発生している 大阪府。
大阪市の「 ゴミ収集 作業員 」として働く 横島真莉愛
( よこしま まりあ )は 仕事中、マンションの ゴミ集積場で
「 ゴミ袋に入った死体 」を発見してしまう。
その死体は「 舌 」を切り取られており、さらに 2件の
「 殺人事件 」とも繋がりがあるらしく……。
という、二部構成の内容。
「 第一部 」は「 皆殺し復讐 」を計画している男が 主人公の
「 クローズドサークル 」のミステリー。
前作の『 此の世の果ての殺人 』は「 ミステリー 」部分よりも「 話 」が面白かったので そっちを期待してましたが、
「 第一発見者が 次の被害者?」の展開には 強く興味を そそられましたね。
「 密室 」も あったし、清嗣の身に起きる「 タイムリミット 」の展開も 面白かったんですが、話が ポンポン進むからなのか
思ったよりは「 ミステリー気分 」は上がらず。
…だったんですが、( 第一部の )後半&終盤の「 推理 」展開が「 ロジカル 強め 」で 盛り上がりましたよ。
気になる部分も あるには ありましたが、「 手掛かり 」や
「 推理 」関係が 良かったんで 許容範囲 でした。
「 第二部 」は「 連続殺人に巻き込まれる 」系の話。
当然「 第一部 」と 繋がる形になるんですが「 本格 」という
よりは「 サスペンス・ドラマ 」強めの 内容かな。
前半の「 目的不明の 連続殺人 」の展開は とても面白かったんですが、
いろいろと 解ってくると共に「 緊迫感 」も 減る感じでしたが、それでも 結構 エンタメ性があって 楽しかったし、
「 動機 」も( 西澤保彦っぽくて )好きなヤツでしたね。
期待していた「 人間ドラマ 」の方は まあまあ くらいかな。
タイトルに「 鎖 」とある通り 全体を通して「 繋がり 」の話
なんですが、
「 人と人との関係性 」「 親族 」「 所属 」「 憎しみの連鎖 」などなど、幅広い 意味合いを 持たせており( たぶん )、
少々「 盛り込み過ぎ 」の きらいはありますが ミステリーとも
上手く 絡んでいました。
特に「第二部」主人公、真莉愛の「 直情的で ハッキリ分ける 」
性格( 敢えての キャラ設定 )も 効果的に働いていて、
昨今の「 分かりやすさを求め 」「 決めつけてしまう 」心情が上手く 表れていた話だと思いましたよ。
という事で「 本格度 高め 」の作品では ありましたが、
個人的には「 話( ドラマ )」が良かった『 此の世の果て 』の方が 好みでしたね。