P・ニューマン主演の 社会派ドラマ 「 スクープ 悪意の不在 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

関係ない話から。

 

 

 

ピノチェト政権下の チリに 実在した カルト宗教、

「 コロニア・ディグニダ 」から着想を得た アニメ、

 

『 オオカミの家 』(18年)が すごく面白そうですね。

 

 

ちなみに、かなり前に たしか紹介したけど、

 

その コロニア・ディグニダ を描いた「 潜入・サスペンス 」、

 

『 コロニア 』(15年)が 凄く ヒドイ話で、「 カルト宗教 」( 独裁政権+カルト )としても興味深くて 面白かったですよ。

 

 

主演も エマ・ワトソン だし、「 エンタメ性 」も 結構あったので、気になった方は( 超・ヒドイ話だけど… )チェックしてみてください。

 

 

話は飛んで ハリウッドの ストライキ。

 

上層部は「 放置 」するみたいですね。

 

どうやら「 金欠 」( 破産 )によって ストを辞めるのを狙っているようですよ。

 

なんだ 解決した後も 深い遺恨が残りそうです。

 

 

 

本題。

 

 

「 スクープ 悪意の不在 」(米/1981)

 

シドニー・ポラック 監督、 ポール・ニューマン 主演の

社会派ドラマ。

 

先月の「 Amazon配信 」100円枠から。

 

 

 

港湾の組合委員長、ディアスが「 失踪 」してから 半年。

 

捜査を担当している FBIの班長・ローゼンは、

父親が 過去に「 酒の密輸と販売 」をしており、マフィアの叔父もいて、

 

自身も 捜査官を殴って 逮捕された事のある「 酒類卸業 」を

営んでいる マイケルを揺さぶるため、新聞記者の ミーガン

「 マイケルの名前 」を リーク。

 

ミーガンの記事により、突如 容疑者として 新聞に載ってしまった マイケルは 新聞社に抗議するが受け入れられず……。

 

 

 

マイケル 役、ポール・ニューマン

ミーガン 役、サリー・フィールド

ローゼン 役、ボブ・バラバン

 

 

 

「 突如 容疑者にされてしまった 男 」の話という事で

「 ブラック・コメディ的な ドラマ 」かと 期待して観たら、

 

至って 真面目な「 捜査・報道による被害 」の話でした…。

 

( 監督が ポラック、 主演が P・ニューマン というところで

気付きそうなものだけど… )

 

 

サクッと紹介。

 

 

 

〔『 スクープ 悪意の不在 』  タイトル 〕

 

原題の直訳が「 悪意の不在 」。( 意味については 後ほど )

 

邦題は「 スクープ 」とあるけど チョット違うような…。

 

ちなみに タイトルバック は「 新聞が刷り上がるまでの工程 」で、観ていて 面白いです。

 

 

〔『 スクープ 悪意の不在 』  新聞記者・ミーガン

 

新聞記者の ミーガンは、「 失踪事件 」の捜査を指揮する班長、 ローゼンの リークにより

 

「 組合委員長の失踪に 卸売業業者の マイケル

関わっている…のかも 」※

 

という情報を得る。

 

( ※「 組合潰し 」的な動機らしい )

 

 

ミーガンを演じる サリー・フィールド

『 アメージング・スパイダーマン』メイおばさん

 

 

〔『 スクープ 悪意の不在 』

FBI・ローゼン と「 マイケル・ファイル 」〕

 

「 失踪事件 」の進捗具合を訊きに ローゼンのもとを訪れた ミーガン

 

ローゼンは 何も語らなかったが「 マイケルのファイル 」を

これ見よがしに( 名前が見えるように 調整した )置いたまま

席を離れる。

 

その意図に気づいた ミーガンは…

 

 

ローゼンは「 輪ゴム 」を手首にはめていて パチンパチンと

はじくのがクセ。

 

おそらく「 ストレスの緩和 」みたいな行為で、彼の受けているプレッシャーが 窺えます。

 

そして これがあるから「 手法を間違う 」という流れに 説得力も出てくるんですよね。

 

あと、ローゼンを演じた ボブ・バラバンの演技も 良かったな。

 

 


〔『 スクープ 悪意の不在 』  疑問を持つ マック

 

その リークに デスク( 編集 )の マックは 訝しむ。

 

 

〔『 スクープ 悪意の不在 』  上司( 編集部長?) 〕

 

リークをもとにした「 マイケルへの疑惑 記事 」に 苦言を呈す 上司

 

 

〔『 スクープ 悪意の不在 』  タイトルの意味 〕

 

「 ウソと知らずに書いた記事は 責任を問われない 」らしい。

 

という事で 記事は 新聞に掲載。

 

 

〔『 スクープ 悪意の不在 』  マイケルの記事 〕

 

新聞を読んでいるのは マイケルの 幼なじみで、

「 キリスト教系の学校 」に勤めている テレサ

 

 

〔『 スクープ 悪意の不在 』  マイケル登場 〕

 

マイケルミーガンのもとへ行き、上司らと共に 話し合う事になるが、互いの意見は 平行線をたどる。

 

 

〔『 スクープ 悪意の不在 』  無実に関心なし 〕

 

その後 ミーガンマイケルから昼食に誘われる。

 

盗聴器を付けて それに応じるが 聞けたのは

 

「 父の密輸には 手を貸していない 」

「 捜査官を殴ったのは 父の葬儀で 撮影をしていたから 」

 

という、当初 抱いていた 悪い印象を 覆すかのような話。

 

おまけに「 無実の記事を出しても 皆、無視 」とまで言われる。

 

 

でも、「 密輸で儲けた お金 」をもとに マイケルが事業を

始めたかも…だから 素直に納得は 出来ないんだよな。

 

 

〔『 スクープ 悪意の不在 』  テレサ説得 〕

 

組合委員長が失踪したと思われる日、

実は マイケルには「 アリバイ 」があった。

 

それを記事に出来れば マイケルの疑いは 晴れる。

 

それには その時 一緒にいた テレサの証言が 必要なのだが…。

 

一方、FBIは マイケルの監視を強めていた。

 

 

自分の記事が 切っ掛けだったとはいえ、急に マイケルを助けるために動く ミーガンに、マイケルが「 金持ち 」ってのもあって少し モヤモヤ。

 

 

 

〔『 スクープ 悪意の不在 』  マイケルの アリバイ記事 〕

 

ミーガンは「 アリバイ証言 」の記事を掲載するが

その「 テレサの堕胎手術 付き添い 」記事により テレサは……

 

 

という風に 中盤は「 マイケルの会社が閉鎖 」する事になったり、テレサの プライバシーがさらされたりと「 実害 」が出始める展開。

 

ここまでが だいたい 半分くらい。

 

 

〔『 スクープ 悪意の不在 』  報道の難しさ 〕

 

後半は「 マイケルの仕返し 」みたいな展開ですが、

それまでの シリアスさ、重さを考えると 少し 合わない感じ。

 

そっちよりは もっと 連鎖的に 被害が広がった方が ドラマとしては 良かった( 面白かった )ような気が。

 

あと「 無責任な報道 」、「 違法な捜査 」と テーマ自体は

いいんですが、マイケルが「 叔父が マフィア 」という、

 

“グレーな立ち位置” を感じさせる 被害者なのが チョット引っ掛かりましたね。

 

ここらへんは 日本と 米国( 海外 )の違いなのかな。

 

でも、批判 一辺倒じゃないところは 良かったですね。

 

 

という事で 真面目なドラマで チョット後悔したんですが、

 

「 思い込み 」( バイアス )の怖さを描いた「 話 」としては

面白く、思いのほか 楽しく観れましたよ。

 

ただ、これといった「 見どころ 」がないので オススメは

しづらいですが…。

 

 

 

ここから「 報道・メディア 」繋がりとして ついでの記事。

 

『SHE SAID / シー・セッド その名前を暴け』(22年)も ちょっと前に 観賞。

 

ハーヴェイ・ワインスタイン 共和党 誤認 」※ については、

 

( ※ ワインスタイン は 民主党 支持。

誤認については『 文春CINEMA 夏号 』の記事参照 )

 

脈絡がなく「 トランプ批判( 恨み節 )」を ぶっこんでいるだけで、さほど「 誤認 」な感じは 受けなかったかな。

 

まあ、あまり褒められた描写では なかったとは思ったけど。

 

( こういうところが 不信 を生むんだよな )

 

何にしても 思想、信条、功績などと セクハラ( その他 犯罪 )行為は 関係がありませんけどね。

 

内容としては セクハラを訴えても「 周囲が無反応だった 」

という、ローズ・マッゴーワンから「 絶望 」が全開。

 

「 忖度 & 無関心( を装う )」という、今の「 ジャニ問題 」と同じ構図ですが、

 

こちらは「 契約 による システマチックな 口封じ 」だったのが 特徴的( アメリカ的 )。

 

ワインスタインの方は その「 契約 」が絡む分「 壁 」も厚く、

( もちろん「 被害者の傷 」も深くて )時間が掛かったけど、

 

ジャニの方は「 すぐ破れる壁 」だっただけに やりきれない

気持ちが 湧きましたね。