読書 短篇集と アンソロジー 「 六とん3 」、「 小説 こち亀 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

残り、「 多ジャンル・短篇集 」と 「 こち亀・アンソロジー 」の 2冊。

 

 

 

「 六とん3 」 蘇部健一

 

“いろんなジャンル”の 短編集。

 

「 メフィスト賞 」を 受賞した 第一弾 『 六枚のとんかつ 』( 六とん )

読んでますが、『 六とん2 』は 未読。

 

著者の作品は 「 酷評されている 」 ようですが、『 六とん 』は 普通に 面白かったような…。

 

「 地下鉄のアリバイ 」の話なんか 素直に感心した記憶がありますよ。

 

表題の 『 六とん 』「 某・有名本格の トリック 」 を

“アレンジした ヤツ” ですが ( ちゃんと その記述もあります )嫌いじゃなかったし。

 

でも 「 図書館本 」だったから 許容できたのかも…。

 

ちなみに コレも 「 古本屋 100円 購入 」です。

 

 

本書の内容としては 「 ミステリー 」、「 サスペンス 」、「 SF 」系の

コメディ寄りの ( 時に “ブラック” な )作品集で、それっぽい オチも

あります。

 

イメージ的には ( 「 あとがき 」にも ありましたが )

『 世にも奇妙な物語 』 みたいな雰囲気ですね。

 

あと、著者「 絵で見せるオチ 」というのも 特徴なんですが、

本書にも 「 絵オチ 」がある作品があります。

 

ユーモアを感じる 「 語り口 」なので、「 話 」や「 オチ 」は どうあれ

個人的には 読んでいて 結構 面白かったですよ。

 

 

ここから「 ジャンル別 」に 紹介。

 

 

「 ミステリー系 」

 

「 もうひとつの証言 」 は、

 

彼氏が「 別に借りた アパート 」で が その彼氏を殺すが……

という 「 倒叙モノ 」。

 

展開自体は よくある感じでしたが、オチ( 絵オチ )は ほんのチョット

だけ、捻ってあります。 ( ちょっと 『 コロンボ 』っぽい )

 

 

「 アリバイの死角 」 は、

 

プロ野球選手が 試合を抜け出し、女性を殺害するが……

という、こちらも 「 倒叙モノ 」。

 

『 コロンボ 』よりは 『 古畑 』っぽい雰囲気でしたが、

オチは 「 下ネタ 」で くだらなかったですね~。

 

( 当初は 「 絵オチ 」だったが 下品なため カットされたようです )

 

 

「 ×××殺人事件 」 は、

 

殺された 風俗嬢4人は それぞれ「 チ○コ関係 」の

ダイイング・メッセージを 残していた……

 

という 「 ダイイング・メッセージ もの 」。

これも 下品で くだらないけど 嫌いじゃないです。

 

 

「 殺ったのはだれだ!? 」 は、

 

警部が 犯人を指摘する前に 先に「 トリックの説明 」に入るが……

という 「 メタ・ミステリー 」

 

途中から展開は 読めるんですが、いきなり 「 ○○が犯人 」

出て来て 驚きましたよ。

 

 

「 ブラック系 」

 

「 死ぬ 」 は、「 人生を狂わされた男 」の「 復讐譚 」。

 

「 ヒドイ話 」自体は まあ、いいとして、ユーモアも感じなかったし、

オチも 弱い。

唯一 楽しめなかった作品。

 

 

「 嘘と真実 」 は、

「 骨髄移植の登録をした人々 」を描いた、皮肉な「 人間ドラマ 」。

後味の悪い、イジワルな話でしたね。 ( 褒めてます )

 

 

「 サスペンス系 」

 

「 瞳の中の殺人者 」 は、「 角膜移植モノ 」?のサスペンス。

 

タイトルから 映画 『 瞳の中の訪問者 』(77年)※が 思い浮かびましたが、まさしく それっぽい内容でした。

 

よくある展開でしたが、これも最後に ( 絵オチで ) チョットだけ 捻ってあります。

 

( ※ 手塚治虫『 ブラック・ジャック 』の 一篇 『 春一番 』

映画化した作品。  監督は 大林宣彦、 BJ 役は 宍戸錠

 

 

「 栄光へのステップ 」 は、

 

舞台で とちった女優

彼女は 車で実家に帰る 途中、ひょんなことから を乗せる事になるが、巷では 「 マフラーをした 連続殺人鬼 」が 逃げており……

 

という 「 疑惑・サスペンス 」。

 

まあまあ よくある 設定ですが、途中から チョット意外な展開を

見せ、結構な 盛り上がりをみせましたよ。

 

女優の「 心情描写 」も 面白かったし、「 2つのオチ 」( 絵オチ )も

効果抜群 でしたね。

 

 

「 SF系 」

 

「 秘めた想い 」 は、

 

子供の頃から20年、年上の女性に 好意を抱いている

 

今の 年上女性が 「 自分と似ている男 」と暮らしているのを知った

は、タイムマシンの研究をしている クラスメイト

「 データ取得の実験 」に 参加、タイムマシンで 20年前に戻るが……

 

という 「 タイムスリップもの 」。

 

「 タイムスリップもの 」って事で 普通に 面白いです。

 

「 タイトル 」は 「 男の心情 」を表していますが、

「 オチ 」にも 上手く 絡めていましたね。

 

 

「 赤い糸 」 は、

 

亡き祖父が 残した日記。

 

その日記には 祖父が若い頃、祖父の元に 突然 送られてきた

「 7つのグッズ 」と、

その「 グッズ 」によって 起こった 「 運命的な出来事 」が 綴られて

いた……

 

という話。

 

なんとなく 映画 『ペイチェック 消された記憶 』(03年)みたいな

雰囲気を 少し 感じました。


そういう事もあり、「 7つのグッズ 」、

 

「 折り畳み傘 」、「 安物の時計 」、「 ドラえもん柄 ネクタイ 」

「 ラジオ 」、「 ガラス玉の指輪 」、「 コイン 」、「 赤いサングラス 」が、

 

どう 「 祖父の運命 」に 絡んでくるのかが 気になりましたね。

 

結論を言えば 「 かなり強引 」では ありましたが、

 

「 コメディ 作品 」なので ( 著者の作品自体も アレなので )個人的には さほど 気にならなかったかな。

 

微笑ましい 「 ほっこりオチ 」も 悪くなかったです。

 

 

最後に 紹介するのは 一番 『 世にも奇妙な物語 』っぽかった

「 生涯最良の日 」

 

朝の3番組の「 星占い 」全てで 「 運勢が一位だった 」

 

このチャンスを活かし 結婚相手と出逢いたい だったが、

ラッキー・アイテム は 「 カバが あくびをした ブローチ 」 と

「 純白のブリーフ 」 だった……

 

という話。

 

の「 心情描写 」が 痛々しくも 愉快だったし、の「 幸運 」展開も

なかなか 爽快。

 

「 皮肉なオチ 」も 見事に 決まってましたね。

 

 

 

という事で 一番 面白かったのが 『 生涯最良の日 』

 

サスペンスフル で 「 絵オチ 」も 効果的だった 『 栄光へのステップ 』

オチで “少し タイトルの意味合いが変わる”『 秘めた想い 』

 

よかったですね。

 

 

個人的には 「 総じて 普通に 楽しめた 」 けど、

古本で100円 だったからかも しれません…。

 

という事で、酷評作家だし 「 下ネタ 」もあるので、オススメ度としては “低め” かな。

 

でも 「 くだらない話 」が 好きなら 楽しめるかもしれませんよ。

 

 

 

「 小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所 」

原作: 秋本治

 

著: 大沢在昌、 石田衣良、 今野敏、 柴田よしき、

京極夏彦、 逢坂剛、 東野圭吾

 

 

ミステリー作家 7人 による、「 こち亀・アンソロジー 」。

 

 

前から気になってはいましたが、

 

好みでない作家に 若干の不安を 覚えたし、好きな作家 京極夏彦

作品は 『 南極 』で 読んでいるので なかなか 手が伸びなかったんですよね。

 

作品のほとんどは 作家作品との「 コラボ 」( クロスオーバー?)ですが、 ページ数の関係か 「 無難な話 」が多かった 印象。

 

個人的には 「 悪巧みする 両津 」が 好きなので 物足りなさも 感じ

ましたね。

 

 

まずは コラボ作品から。

 

 

大沢在昌 「 幼な馴染み 」『 新宿鮫 』鮫島 )と コラボ。

 

騒動は あっさりめですが、子供に優しい 両津で 締めるところは

良かったのかな。

 

 

石田衣良 「 池袋 ⇔ 亀有エクスプレス 」

『 池袋ウエストゲートパーク 』マコト )と コラボ。

 

「 両津が マコトに 依頼する 」展開は イイ感じだったけど、

こちらも あっさり解決。

 

モテない両津は 切なかったな。

 

 

柴田よしき 「 一杯の賭け蕎麦 」

『 花咲慎一郎 シリーズ 』※ と コラボ。

 

( ※ 『 花咲慎一郎 』シリーズ。

赤字の「 無認可保育園 」の 園長で、その赤字を賄うため 探偵をしている、という 設定の ミステリー・シリーズ )

 

 

「 保育園 」に預けられている 女児と共に 交番に 連れていかれた

花咲が ちょっとした騒動に 巻き込まれる話で、

 

『 こち亀 』らしい 勝負( 賭け )もあるし、

花咲らしさ(?)も 感じられる 作品で 普通に 面白かったです。

 

 

逢坂剛 「 決闘、二対三!の巻 」

『 御茶ノ水警察署 』 と コラボ。

 

「 御茶ノ水署 」の 梢田威( こずえだ・たかし )と

斉木斉( さいき・ひとし )が、「 研修 」にきた 両津&麗子と 勝負を

する話。

 

梢田威「 両津と似た 性質 」という事で 展開は読めなかったし、

「 決闘の 意外な顛末 」も 良かったですね。

 

ですが、“しっかり付いていた” とはいえ、あのオチは 残念。

 

 

京極夏彦 「 ぬらりひょんの褌 」南極夏彦・・・の コラボ。

 

南極夏彦京極夏彦 『 どすこい 』 の一篇、『 パラサイト・デブ 』

“著者” で、もう一つの作品 『 すべてがデブになる 』の 登場人物。

 

本作は 南極夏彦が 主人公?の 『 南極 』 にも 収録されていて、

私は そちらで読んでます。

 

なので ザッと読んだのですが 面白かったですね。

 

内容は 「 大原部長が “若い頃 怪異に遭遇した”事を思い出し… 」

という 怪異・妖怪譚(?)。

 

「 京極節 」で 語られる 「 大原部長の心情 」「 寺井との掛け合い 」が 読んでいて楽しいし、

 

最後に あの人によって 「 謎が解体される 」展開にも ニヤニヤできましたね。

 

まあ、南極は ウザいんだけど…。

 

 

残りの 2作は 「 ノー・コラボ 」。

 

 

今野敏 「 キング・タイガー 」

 

警視庁を 定年退職した が 時間が出来たらやりたかった

「 プラモデル作り 」に挑戦する 話。

 

プラモ屋に 展示されている 「 両津の作品 」を 観て 奮起した

プラモ屋主人の アドバイスを受け 戦車「 ティーガーⅡ 」のプラモ

製作していくだけの 内容 なんですが、

 

これが 原作の「 主要メンバー以外が 主役の回 」※そのままの雰囲気

で、すごく面白いんですよ。

 

( ※ フェラーリ好き オヤジの話、『 わが夢フェラーリ 』 みたいな回 )

 

あと、「 テクニック 」ほか 「 お金が掛かる 」事など、

「 プラモ製作に まつわる アレコレ 」も 興味深く 読めましたね。

 

「 溶剤の臭い 」による 「 妻の 小言&呆れ 」 からは、愛想を尽かされそうな気配が 漂ってましたけど…。

 

 

東野圭吾 「 目指せ乱歩賞!」

 

「 乱歩賞 」の賞金&印税が 欲しいがため、両津が 「 ミステリー小説 」を書き始める※…という、「 金に目がない 」 両津らしい話。

 

(※ 両津『 文豪・両津勘吉先生の巻 』でも小説を書いてましたね )

 

さらに 「 締め切りが明日 」という事で 両津が 度を越した行動力を

みせる展開になっており、かなり 「 こち亀度 」が高いんですよ。

 

原作に ありそうな オチも素晴らしく、終始 楽しく 読めましたね。

 

 

 

という事で、個人的には 『 ぬらりひょんの褌 』 『 キング・タイガー 』

『 目指せ乱歩賞!』 が オススメかな。