残りの ミステリー 2冊。
「 虚擬街頭漂流記 」
寵物先生( ミスター・ペッツ )
訳 : 玉田誠
SF系・本格ミステリー。
「 第1回 島田荘司 推理小説賞 」※を受賞した作品。
ちなみに 「 第2回 」の受賞作、
『 世界を売った男 』〔 陳浩基 ( ちん・こうき ) 〕も読んでます。
( ※ 「 島田荘司 賞 」
「 中国語で 書かれた 未発表の本格ミステリー を募った 新人賞 」 )
2020年の 台湾。
かつて 賑わいを見せていた 2008年頃を
「 仮想世界で 再現、再建する 計画 」が進む町、
“西門町” ( シーメンティン )。
┋
「 システムの開発責任者 」・大山( ダイシャン )から、
“新旧2つ” の「 仮想世界 」の システム・チェック を 任された
顔露華( イエン・ルーホア )。
だが 終了間際、「 プレイヤー人数 」が 新システムでは「 0 」に、
旧システムでは「 1人 」となる事態が発生。
顔( イエン )と 大山は 「 仮想世界の 西門町 」へ行き、
人がいないか 2手に分かれ 調べるが、そこで 死体を発見する事に…。
「 仮想世界の町 」( 仮想現実 )で 起こった 殺人を巡る ミステリー。
中国語の「 名前 」の他、「 道の名前 」や 「 店名 」など 覚えづらいなと 思っていましたが、頻繁に ルビ が 振られているので 無問題 でした。
「 序章 」、「 三部 」、「 終章 」の構成 で、「 三部 」は それぞれ、
「 本格 」らしい 「 第一部 フーダニット 」、 「 第二部 ハウダニット 」、
「 第三部 ホワイダニット 」 と なっており、
だいたい そのまんまな 雰囲気で進む感じ…かな?
あと、「 2008年 西門町の 平面図 」や 「 2人の 探索ルート 」、
「 事件時の 行動記録 」もあり、「 本格気分 」が 高まります。
「 仮想世界 」は、「 VR室 」で 「 フィードバック・スーツ 」と
「 ヘッド・ディスプレイ 」を装着する 仕様で、
“見る事”、“触る事”ができ( もちろん、“触られる”事もある )、
まだ「 テスト中 」ですが すでに 店は営業されており 客もいます。
この「 仮想世界 」で 「 撲殺事件 」が起こるんですが、
現実世界の「 VR室 」は 「 密室 」。
なので 「 仮想世界で 殺人が行われた 」と 推測 されるんですが、
システム上、不可解な点が浮上し、さらに…という 展開になります。
その「 事件 」に
「 序章 」の エピソード〔 映画『 グース 』(96年)の話が出た 〕 が
どう 絡んでくるか 気になったし、
「 犯人の “存在”」も 謎めいており 興味を そそられました。
読んでいるうちに 何となく “方向性”は 推測 出来たのですが、
“アレ” には 気づかなかったし、
「 トリック 」の方でも 目の前に「 情報 」があったのにも 関わらず
“あの考え”には 至らず、自分の盲目っぷりに呆れましたよ…。
「 ドラマ 」としては ○○の心情描写が 切なかったので、
顛末も 「 苦手なヤツ 」 かと 思っていましたが、
意外と 「 好みの要素でもあった 」ので 最後まで 楽しく 読めましたね。
循環するかのような 物語の“締め方”も 良かったです。
まあ、被害者が なんだか 不憫では あったけど…。
「 SF系・本格ミステリー 」としても 面白かったし、
「 ドラマ 」としても 一般受けしそうな 内容 だと 思うので、
楽しめる人は 多そうな感じかな。
「 スワロウテイルの消失点 法医昆虫学捜査官 」
川瀬七緒
「 法医昆虫学 」を題材にした 「 犯罪捜査・ミステリー 」 シリーズの
7作目。
「 解剖室 」で “殺された老人”の遺体を 解剖中、
解剖医と 「 法医昆虫学者 」・赤堀、立ち合いをしていた
岩楯刑事たちを 異変が襲う…
┋
事件があった住居の 1階には 争った跡があったが、
死体が発見された 2階には それはなく、
それぞれ 違う人物( 2人 )の痕跡が 発見されていた。
赤堀は 2階である虫を 見つけるが…
主人公は 「 昆虫学者 」の 赤堀と、
彼女の「 虫捜査 」に 同行する 刑事・岩楯。
展開は これまで通り 「 虫パート 」と 「 捜査パート 」、両方が 交互に
進行する形で、
ほぼ毎回 変わっている 「 岩楯の相棒 」も 変わっていました。
前は 「 アドバイザー 」的な 立ち位置の 赤堀でしたが、
前作 『 紅のアンデッド 』から、
「 昆虫学者 」、「 プロファイラー 」、「 技術開発 」の 3人で構成された
「 捜査分析支援センター 」所属となっています。
そのため 前作から 「 捜査 」の厚みが 少し増していて、
読み応えも アップしていましたね。
もちろん、今シリーズで 一番 興味を そそられるのが 「 虫 」。
前半 すぐに わかるので 「 虫・ネタバレ 」しますが、
「 解剖室 」に現れ 赤堀たちを 襲ったのは
「 小黒蚊 」( シャオヘイウェン )と 呼ばれる 「 ハエ目 ヌカカ科 」の
吸血虫。
名前から 推測できるとおり、台湾や 中国に生息している「 虫 」で、
「 蚊 」と ありますが 大きさは “1ミリ少し”と 「 蚊 」よりも 小さく、
ハエっぽい感じの「 虫 」です。
( 興味があったら 画像検索 してね )
ですが、刺されると 「 強烈な痒み 」と 「 酷い腫れ 」に 襲われ、
しかも 人( 体質 )によっては それが 1ヶ月以上 続く みたいです。
( ネットの「 体験記事 」では 数か月続いていた… )
もう一匹、「 現場住居 2階 」で 発見されるのが、
「 カバキコマチグモ 」( 「 樺黄小町 蜘蛛 」 別名 : クチグロ )。
この「 クモ 」は 「 日本全土にいる クモ 」なんですが、
なんと 在来種の中で 「 最も強い毒 」を 持っている 生物 なんですよね。
まあ、生活圏は 「 イネ科 」の植物が生えている場所だし、
小さいため、注入される 毒の量も少ないので 死亡例は 無いみたい
ですけど。
( 『 WIKI 』 によれば 「 クモ刺咬症 」の大半は コイツが 占めている
みたい。
なので 地方の人は 画像検索で 確認しておきましょう )
「 ミステリー 」としては、
「 台湾の虫 と 生活圏が違う虫 」の「 出所 」と「 事件との繋がり 」、
被害者の「 行動 」と 「 犯人との接点 」に、タイトルにもある 「 ツバメ 」が 絡んでくる 内容 です。
「 シリーズもの 」 ですが、“繋がり”は さほど深くないと 思うので、
本作だけ読んでも 十分楽しめると 思います。