今月は、
ミステリー 「 ドゥルシネーアの休日 」 詠坂雄二。
ミステリー 「 イヴリン嬢は七回殺される 」 スチュアート・タートン。
の 2冊。
「 ドゥルシネーアの休日 」 詠坂雄二
ミステリー作品。
“タンポポの綿毛” が 死体に 添えられる 「 連続・斬殺事件」 を 捜査
する、刑事の 雪見喜代志 と 相棒・野間。
野間が 今回の事件との 「 類似点 」を 感じた、10年前の
「 斬殺事件 」。
しかし その事件は “解決済み” であった。
「 10年前の事件 」の話を 訊きに 所轄署へ 行った 雪見たち は、
次に 犯人に 面会に 行くが、 その 犯人 から ある名前 を 聞く…。
詠坂 作品は、
都市伝説・ミステリー・ホラー 『 電気人間の虞( おそれ )』、
( 好みの 趣向で 大好きな 作品 )
SF・ファンタジー系 の
「 町から 町への旅モノ 」 連作短編、『 人ノ町 』、
( これも 普通に 楽しめた )
に 次いで 3冊目。
「 セリフ 」による 人物描写が 巧く、人物を イメージしやすかったです。
特に 「 凶悪犯罪 情報サイト 」の 管理人 の “それっぽい言葉遣い” が 良かったですね。
「 ミステリー 」 としては 意外と “弱め” で、
「 エンタメ 」色の方が “強い”…かな?
四部構成 で、「 一部 」~「 三部 」は それぞれ 視点人物が 違い、
「 四部 」は エピローグ的な 内容。
第一部 「 刑事 」 は、
刑事の 雪見と 野間が、今回の事件との 類似点 から
「 10年前の事件 」を 調べる…という 展開。
「 斬殺事件 」 から 「 10年前の事件 」へ、
そこから 「 月島前線企画 」…と、「 謎 」を 提示しつつ テンポよく
進むし、
「 斬殺事件 」も 違う様相を 見せ、 かなり 話に 引き込まれました。
第二部 「 罪人 」は、
一転して 「 キリスト教系の 寄宿制・女学校 」 が舞台に。
「 自分に “罰” が下される事 」を “祈っている” 生徒、山村朝里 の話で、
雰囲気としては 「 ダークな 青春モノ 」 な感じ。
朝里の 「 “罪” と “祈り” 」 に、
学校の噂話 「 褐色の刑吏 」 と、くだんの 「 斬殺事件 」が 絡んでくるんだけど、
この 「 斬殺事件 」と 朝里 の “繋ぎ方” が 巧かったですね。
朝里の 「 “罪” が 赦されるのか 」 が 気になる 内容 ですが、
その彼女の 「 心情 」の描写も 面白く 読めたし、
中盤の 「 ある出来事 」 で、さらに 朝里の 「 迷い 」 と 「 罪 」 が
深まる展開になり、
「 心理ドラマ 」としても かなり 盛り上がりましたね。
最後の 「 救い 」も 衝撃的 でいて 美しかったな~(?)。
せっかく イイ感じの ミステリー展開 だったのに、
事件を 「 行動 で 解決する 」( 展開バレ なので 白字 )展開に
なるんですよね…。
「 一部 」、「 二部 」が 凄く良かったので、少し残念な気が しました。
まあ、この展開が 著者らしさ でも あるのかな。
なので、若干 テンションが 下がったまま
エピローグ的な 第四部 「 本命 」 を 読み進めた のですが、
なんと、「 最後の 1ページ ( 1行 )」 で 「 好みの 結末 」※ を向え、
大興奮で 読み終わりましたよ~。
( ※「 どんでん返し 」系 では ありません )
というわけで、総合的にみると 個人的には 楽しめた作品だったかな?
「 イヴリン嬢は七回殺される 」
スチュアート・タートン
SF、ファンタジー系・本格ミステリー作品。
森で 「 アナ 」と 叫んだ “男” は、腕に傷を負い、記憶を 失っていた。
“女を追っていた男” から 「 東だ 」 と言われ 方位磁石を 渡された “男” は、東へ向かい 「 ブラックヒース館 」 に たどり着く。
そこで “男” は 自分は “ベル” という 医師で、
ハードカースル卿夫妻の 娘、イヴリン の 帰国祝いのため、
「 館 」に 招かれた 招待客のひとり だと知る。
記憶を 取り戻そうと 行動する ベル は、“黒死病医師” の装いを
した 男 から、命を狙う “従僕” の存在を 知らされる。
イヴリンと 会った後、“従僕” からの 「 警告メモ 」 で ベル は
気を失うが、目覚めた “男” は 執事 に なっていて、
「 館 」 の玄関で 腕に傷を負った ベル を出迎えるのだった…。
「 同じ1日を 繰り返す 」、ループ系・ミステリー です。
タイトル から 西澤保彦の 『 七回死んだ男 』 を思い出しましたが、
「 人格転移 」 も 入っていましたね。
主人公の “男” は 3人目に 「 転移 」した時 黒死病医師 から、
「 館の1日を ループ 」 している事と
「 8人の “宿主”( 転移人物 )」 がいる事を 聞かされます。
さらに
“舞踏会で 起こる イヴリン殺しの 犯人を 見つければ 出口を示す” とも 言われ、
“男” は 「 8人の転移人物 を操って 捜査 」 する事になります。
その「 人格転移 」 は、転移した人物 が 「 眠ったり、気絶 した時 」に 起こり、
その順番や 時間帯?は 黒死病医師 が 決めているんですが、
転移人数が 多いので 必然的に 伏線も 多く、楽しくも 結構 大変
なんですよ…。
さらに ハードカースル家、 招待客 のほか、従者や メイドも
関わって来るし、
19年前の イヴリンの弟 の 「 トマス・ハードカースル 殺害事件 」 も
出てくるなど、
情報量も かなり 多く、 チョット 混乱気味に なりました…。
あと、英語圏 らしい?表現、描写に ピンと来ない所も 多々ありましたね。
内容としても 「 イヴリン殺しの 犯人 と その動機 」の捜査 のほか、
「 イヴリン殺害 自体を 阻止できるか 」 や 「 アナ との関係 」、
「 “男” と同じ状況の 2人 の存在 」※、
( ※「 ループ 」から 抜け出せるのは 1人 だけ。 ただ その2人 は
「 転移 」は できない )
など、こちらも ボリューム満点 で 脳が 疲れるんだよな…。
まあ、そのおかげで(?) 「 真相 」が 明かされた時の 爽快感は
抜群だったけど。
チョット気になったのが、黒死病医師 が 「 真相 」を 知らないところ。
黒死病医師 が 「 真相 」 を知っていたら、あの人を 選んだ事が
大きな伏線 として 機能したのに。
でも、そうじゃないと “あの展開” に ならないから どうでもいい事
かな。
あと、「 本格度 」 としては 読み進めるのに 必死だったので、
よくわかりませんでした…。
期待したほど では ありませんでしたが、まあ 面白かったかな。
オススメ度 としては、( 個人的に ) 読むのに 疲れたし、
分量( 上下段 400ページ チョット )もあるので “若干低め”。