ポランスキー監督、主演の 心理サスペンス 「 テナント 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

「 テナント 恐怖を借りた男 」 (仏・1976)

 

ロマン・ポランスキー 監督、主演 の「 心理サスペンス 」作品。

 

ポランスキー 作品で 言えば、『 反撥 』『 ローズマリーの赤ちゃん 』な感じかな。

 

 

WOWOW で 観ましたが、

「 TSUTAYA 」 では 「 発掘良品 」として レンタル されてます。

 

 

女性シモーヌ )が 「 飛び降り自殺 した部屋 」 を借りた

トレルコフスキー が、アパート住人 からの 「 苦情 」に 悩まされ、

徐々に 精神を 病んでいく話。

 

 

トレルコフスキー 役、ロマン・ポランスキー

ステラ 役、イザベル・アジャーニ

 

あと、管理人シェリー・ウィンタース でした。

 

 

I・アジャーニ は 思ったより 普通だったな~。

トレルコフスキーステラが 映画館で イチャつく ところが

艶笑な場面 で 楽しかったけど…。

 

 

 

ポランスキー 演じる 主人公は、ロシアっぽい名前 ですが、

ポーランド人で 国籍は フランス、という 設定。

 

「 WIKI 」情報によると、ポランスキーの父親は ポーランド人、

母親も ロシア生まれの ポーランド人 で、生まれは フランス らしい。

 

なので かなり 自身を 反映させた役 と いえそうです。

 

 

( 少し ネタバレ気味 です )

 


「 人への疑心 」 を 描いた作品 ですが、この テーマは

中原昌也映画本『 怖い、映画 』 で 書いていたように、

 

「 アウシュビッツ に 送られた経験がある 」 ポランスキー が 感じているであろう、

「 人間不信 」や、「 人間の残酷さ 」 ( 人間への恐怖 )から 来ているんでしょうね。

( 脚本も ポランスキー )

 

 

 

( 『 テナント 』 より( 以下 画像全部 )、「 シモーヌお見舞い 」場面。

左が アジャーニ、 右が ポランスキー )

 

 

 

( 飛び降り自殺 したが 一命を取りとめ、入院している シモーヌ。

後に亡くなる。 前歯が 1本 抜けている… )

 

 


全体を通して 描かれている のは、「 利己 」「 不寛容 」「 不協和 」で、

物音による 苦情で高まる アパートのギスギス感 が いたたまれない。

 

広い家で暮らす男「 僕は自分の事だけ考える 」 なんて

セリフ も。

 

 

他にも 「 マチズモ的 」 ウーマンリブ を 揶揄する 描写あり )、

「 キリスト教の不寛容?」「 外国人への偏見 」 などを 思わせる

ところも ありましたね。

 

 

 

( 「 シモーヌの葬儀 」場面。 普通の キリスト像 だが…)

 

 

 

( だんだん酷くなる 神父の シモーヌへの?言葉、

「 天使の列には加われない 」など ( もちろん、幻聴だろう )が

流れる中 映る キリスト像は 醜悪な形相 )

 

 

 

特に トレルコフスキー友人の男 が、

「 マーチ風 」(?)な 雄々しい曲を 大音量で流し、苦情を言いに来た 気弱な住人に、

「 変な事するなよ。 署長と知り合いだ 」と 威圧し、追い返す ところは

イヤ~な場面。

 

 

「 疑心暗鬼 」 で 徐々に 精神を 病んでいく トレルコフスキー

“気弱” というよりは “遠慮がち” な 普通の人…かな?

 

そんな が 狂っていく、それだけでも 楽しい(?)んですが、

「 ホラー要素 」 を 加味しているので さらに 楽しいんですね。

 

 

シーモヌ「 自殺の理由 」が 気になるのは もちろん、

「 トイレで 佇む人 」「 壁の穴にある “歯” 」は かなり 不気味で、

 

トレルコフスキー の タバコの好み が 変わっていくのも 不穏。

 

 

( 夜中、トイレに行った トレルコフスキー。 トイレから 自分の部屋を 見ると “自分” が…。 その後、自分の部屋から トイレを見ると… )

 

 

 

後半は トレルコフスキー

「 住人たち が シモーヌ同様 自殺させようとしている 」 との

被害妄想が 膨らみ、

 

ついには シモーヌの服と 化粧品を使い、

「 シモーヌ と 同一化 」( 女装 )するに 至る展開が 結構 衝撃的

でしたね。

( カツラ と 靴は 自分で 購入しているのが 可笑しい )

 

 

 

( “女装させられた”? トレルコフスキー。 無くなった 前歯 は

“歯” が見つかった 壁の穴の中に 一緒に入っていた )

 

 

 

その後の 「 幻想怪奇な描写 」 も ホラー度が高くて 盛り上がるな~。

特に 「 ボール が 生首 に変わる 」 のが 定番ながら イイ場面でした。

 

そして 最後の 「 不条理 “風” 」な オチ に ヤラレましたね~。

 

 

 

( 最後の方の カット。 彼が見ているのは… )

 

 

 

OP は 巧みな カメラワークで アパートを映した 2分半弱 の

「 1カット(風?)」 でしたが、

 

窓辺の人たち幽霊のような表現で 「 幻想的 」※ なんですよね。

 

( ※ 窓辺の人 が 別の人物 に変わる )

 

しかも その OP は、

「 トレルコフスキー 登場 」まで 描いている ( 本編と続いている )ので、

 

あの 「 不条理 風 」な終わり方 も 意外と 説得力を 持つんですよ。

 

 

なので 「 心理サスペンス 」 や 「 モダンホラー 」 ですが、

私は “好み” の 「 不条理・ホラー 」 として 観ましたね。

 

( 「 ブラック・コメディ 」 でも イイな )