殺人者は R・アッテンボロー。 実話犯罪 「 10番街の殺人 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

「 10番街の殺人 」 (英・1971)

リチャード・フライシャー 監督の 実話犯罪 作品 で、

 

連続殺人犯・ジョン・クリスティー による 「 殺人 」 と 「 冤罪事件 」 を 描いています。

 

「 Amazon プライム 」 で鑑賞。

 

R・フライシャー 監督の 実話犯罪、 『 絞殺魔 』(68年)が 好きなので 気になっていた作品。

 

 

1949年 ロンドン。

 

ティモシーベリルエバンス夫妻は、

1階に住む クリスティーが 管理人を している 10番街の アパートの

3階に 越してくる。

 

ベリルは 妊娠するが、すでに 夫妻には 赤ん坊 がいるため、

彼女は堕ろす事を決め、昔 医師を目指していたという クリスティーに 処置を頼むことに…。

 

 

クリスティー 役、リチャード・アッテンボロー

ティモシー・エバンス 役、ジョン・ハート

 

 

 

実話なので ほぼ ネタバレ。

 

 

冒頭は 1944年。

クリスティー気管支炎の女性 を 10番街のアパートに 招き、

薬を吸入させると言い ガスを吸わせて 気を失わせ、

女性の首を絞めて 殺します。

 

クリスティーは 死体を埋めるため、庭に 穴を掘るんですが、

この場面、以前 殺した 女性の足 が チョット出てきて、ゾッとしましたね。

 

そして 1949年、エバンス夫妻が くだんの アパートに 引っ越してきます。

 

夫・ティモシー識字障害があり、あまり いい仕事に就けないようで、

あと、その コンプレックスのためか、虚言癖もあり、大口を叩く 事も

しばしば みられます。

 

そして 暮らしが苦しいなか 妻・ベリルが 妊娠するんですが、

クリスティー「 医学知識は 少し あるよ 」 みたいな事を 言い、

夫婦の “弱み” に 付けこむんですね。

 

ここの、エバンス夫妻に 自分を 少しずつ 信頼させる クリスティー

“口の上手さ” が 結構 怖いんだよな。

 

あと、ティモシークリスティー 両者とも 「 嘘つき 」 なのが

面白いですね。

 

 

そして 妻・エセル を 家から追い出し、天井修理に 業者が入る

ハプニングが ありながらも、

クリスティー は殺人( ベリル にとっては 堕胎 )を 決行。

 

しかし 「 麻酔吸入 」 に 異変を感じた ベリル が暴れたため、

クリスティー彼女を ぶん殴り 気を失わせ、そのまま 首を絞め、

殺すことに。

 

その後 クリスティーティモシー

「 “堕胎手術” での ベリルの死 」 を伝え、「 お前も共犯 」

 

赤ん坊は預け死体は下水道に捨てるから ここを出ろ 」、

と そそのかすんですね。

 

ティモシーは 一旦は 叔母の家に 行きますが、結局 警察に行き

「 堕胎薬を 飲んでいた 妻が死に、死体を下水道に捨てた 」 と、

クリスティー庇う 証言を して 自首。

 

 

しかし、アパート近くの 下水道に 「 妻・ベリルの死体 」 は無く、

その死体は アパートで 「 赤ん坊の死体 」 と共に発見されます。

 

その事により ティモシークリスティーを 庇う のをやめ、

「 妻は クリスティーの 堕胎手術で 死んだ 」 と 証言を変えるんですね。

 

そして、後半は 「 ティモシーの裁判 」 の展開に。

 

クリスティーは 証言台に立ち それらを 否定するんですが、

その過程で 詐欺や 盗みで 4回捕まっている ことが わかるんですよ。

 

そこから クリスティーへの信頼性が 疑われそうなんですが、

そうはならず、ティモシー有罪 になり、絞首刑 に…。

 

 

ティモシーの死刑執行 (1950年)から しばらく経ち ( 3年後 )、

くだんの アパートの壁 から 3体の死体が 発見され、

クリスティーが 逮捕されて 映画は 終ります。

 

 

ネット記事によれば、

さらに 床下から 妻の死体 が、庭から 2体の死体 が発見された

みたいです。

 
は 多分 気づいていたんでしょうね。
 
映画では ソファーで 寝ることを決める 場面と、
裁判後に 姉の家に行くことを 決め、クリスティー床を剥がす描写があります。
 
 
連続殺人犯・クリスティーは 性的不能 だったらしいので、
「 性的欲求の解消 」としての 殺人行為 だったのかな。
 
あと、ネット記事では “女性の陰毛 を収集” していたようなので、
結構 典型的(?)な 連続殺人犯 なんですよね。
 
 

興味深いのが

ティモシー冤罪で死刑になった この 「 エヴァンス事件 」 が、

イギリスの 死刑廃止に 大きな影響を与えた事。

 

制作側は 「 連続殺人 」「 冤罪 」( 「 エヴァンス事件 」 )、

“2つの恐怖” を 描きたかったんでしょう。

 

個人的には クリスティーの 心情、トラウマ、殺人 などを 期待していたのですが、

この内容でも 十分 面白かったですね。

 

 

クリスティー 役の R・アッテンボロー「 嘘 」 が 怖くて 面白かったし、

 

ベリルを 見つめる場面 や、「 ベリル絞殺 」の場面の 欲望溢れる

ギラついた眼 が 不気味で 印象に残ります。

 

その アッテンボロー 目当ての鑑賞 でも ありましたが、

ティモシー 役の ジョン・ハート の演技が さらに 良かったです。

 

堂々とした 虚言が 空虚で滑稽で 切ないんですが、

若く カッコイイ容姿 だけに 虚しさも ひとしお なんですよ。

 

クリスティーに言う

「 社長や 管理職に なるための 研修の誘いがある 」 や、

 

叔母の家で 付く嘘、「 車が故障した 」 など、こちらが ハラハラ する

演技で 楽しかったです。

 
 
フライシャー監督は 以外にも オーソドックスな 演出と 描写。
 
それでも 序盤の “死体の足”  と、“最後の死体” の 無機質感、
無常感を 覚える描写に ゾワゾワしましたね。
 
 
実話の 「 連続殺人鬼 」と 「 社会派 」の サスペンス、2度おいしい
作品でした。