画家 ロートレック の生涯 「 赤い風車 」 | berobe 映画雑感

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「 赤い風車 」 ( 英/米・1952 )

実在の画家、アンリ・ドゥ・トゥールーズ=ロートレック の生涯を描いた人間ドラマ。

 

ジョン・ヒューストン 監督。 ( 脚本にも参加 )

 

 

タイトル 「 赤い風車 」「 MOULIN ROUGE 」 )は、ロートレック

常連だった フランス・パリ にある キャバレー、「 ムーラン・ルージュ 」 のこと。

 

( 屋根に 赤い風車 が乗っている。 01年 バズ・ラーマン 監督の映画もありました )

 

ロートレック は 有名なので 名前だけは なんとなくは 知っていましたが、

ちゃんと 知ったのは 数年前、

筒井康隆 の ミステリー小説 「 ロートレック荘事件 」 を読んでから。

 

この 「 ロートレック荘事件 」、ミステリーとしては あまり 期待せずに

読んだんですが、見事に 騙されたんですよね。

 

 

実話モノ なので ほぼ ネタバレ。

 

 

ロートレック は 13歳の時 「 左脚 」 を、14歳の時 「 右脚 」骨折

するのですが ( WIKI 情報。 映画では 同時骨折?)、

 

それ以降、脚の発育が止まってしまい、大人に なっても、

脚は 子供のままで、

この障害のため、ロートレック父親に 疎まれていたようです。

 

( 両親は いとこ同士 の結婚だったので、遺伝子疾患 だと 考えられている )

ロートレック 役の ホセ・フェラー は、「 膝立ち 」 で演じています。

 

ちなみに 「 ムーラン・ルージュ 」01年 ほとんど覚えていない… )のロートレック 役は、ジョン・レグイザモ ですね。

 

 

映画は 1890年のパリ の 「 ムーラン・ルージュ 」 から 始まります。

出し物のダンスは、少し 猥雑でいて 華やか。

 

( アカデミー賞の 「 カラー美術賞 」 と 「 カラー衣装デザイン賞 」 を

受賞 )

 

特に フレンチカンカン の 陽気な 熱気が すごかったですね。

( 曲は 「 天国と地獄 」 )

 

あと、閉店し 人がほとんど いなくなった後に ロートレック の全身を

見せる演出が 素晴らしかったな~。

 

そして、ロートレック は 娼婦・マリー と出会うのですが、

彼女は 性格が 激しく、口も悪いんですよ。

 

でも、ロートレック の 脚に ついては あまり 気にして いない ようで

( 配慮に 欠けてもいるし、なんだか 怪しいが… )、

彼女に 好意を持ち、家に置くことに するんですね。

 

しかし、結局 マリーに 振り回され、泣く泣く 彼女を 家から 追い出すことに。

そして ロートレック は その事を 気に病み、酒浸りに…。

 

ロートレックの忠告で マリーを 捜しに行くんですが、

酔ったマリー に 「 金づるだった 」 と言われ 完全に 打ちのめされる

んですよ…。

 

その後、ガス自殺( ガス灯の栓 を開く ) を試みる ロートレック

哀れ なんですが、

その最中 「 ムーラン・ルージュ 」 の店長に 頼まれた 「 ポスター 」※ を描くことで 自殺を取り止めるんです。

 

女性不信、コンプレックス、差別 を 創作の力に 変える 姿に グッと

きましたね。

 

(※ 「 ムーラン・ルージュのラ・グーリュ 」(1891年)。 ラ・グーリュ は踊り子の名前 )

 

ロートレック父親に言う、「 皆 逃げ場があります 」 の セリフが

重く 胸に 響くな~。

( 芸術だけではなく、酒にも 逃げるのだが… )

 

あと、その絵を ポスターにする くだり も、少し詳しく 描いていて

面白かったですね。

 

 

その ポスター で ロートレック は 人気になりますが、当の本人 は

「 もう恋なんてしない 」状態?で、アルコール依存 気味…。

 

( 店も 繁盛したようだが、雰囲気が 変わった?ようだ。 後半 出てくる

店を辞め、落ちぶれた ラ・グーリュ が 切ない )

 

そして 1900年、自立した 女性、ミリアム と 出会います。

 

しかし、ミリアム「 想い 」 を信じられずミリアムの 話しかけに

皮肉でしか 答えられない ロートレック が 悲しいんですよ。

 

結局 ミリアムは 好きでもない 他の男 との 結婚を選ぶんですね。

 

 

最後は 酒で体を壊し、実家の ベッドで 朦朧とする ロートレック に、

父親 から 「 ルーヴルに作品が入った 」 との 知らせを聞き、 父親

認められるも、

 

「 ムーラン・ルージュ 」 の演者 ( 踊り子、歌手 )の 幻覚が見えて…と、かなり 儚い 終わり方。

 

演者の幻覚 が 幽霊にも思え、歌手の 「 また 天国で会いましょうね 」のセリフ が 彼の 死期が 近いのを 感じさせるし、

 

幻覚の最後に 出てくるのが フレンチカンカンの ダンサー で、

曲も陽気な 「 天国と地獄 」 なのが また 切ない…。

 

「 成功 と 悲恋 」、または 「 生死の境 」って事なんでしょうかね。

 

 

「 ロートレック荘事件 」 に、“ロートレック は 女性も 好きだった”

書いていた様な…と思い、WIKI を見てみると、

 

は 性に奔放だった らしく 梅毒にも 罹ってたみたいですね。

 

なので、今作の ロートレック像 は マイルドな 描き方と いえます。

 

それでも ロートレック の苦悩を 良く描いていて 面白かったですね。