「 切り裂き魔ゴーレム 」 (英・2016)
ピーター・アクロイド の小説が 原作の ミステリー作品。
監督は 『 ペインレス 』(13年) の フアン・カルロス・メディナ。
1880年、ロンドン。
舞台作家の ジョン・クリー 毒殺の罪 で、元劇団員で 妻のリジー に容疑が掛かり 裁判に。
一方、街では “ゴーレム” と 呼ばれる殺人鬼による 連続殺人事件
が起こっていた。
キルデア警部補 は 図書館に置かれている本に 書かれた
「 “ゴーレム” の日記 」( 殺人の記録 ) を見つけ、
その部屋の 4人の利用者の中に “ゴーレム” がいると考える。
その 4人の中に ジョン・クリーが いたことから、キルデア は
リジー に ある疑惑を持つが…。
キルデア警部補 役、ビル・ナイ。
リジー 役、オリヴィア・クック。
ダン・リーノ 役、ダグラス・ブース。
邦題 から 「 ジャンル映画 」 に 近いかと 思ったのですが、
ちゃんとした 「 ミステリー映画 」 でした。
( 原題 は 『 The Limehouse Golem 』 “ライムハウスのゴーレム” )
でも 殺人描写が 結構 残酷 なので、若干 “ホラー寄り” な作品では
ありますね。
なので、いかにも ホラーな邦題 は正解…かな。
ちなみに、「 “ゴーレム” の日記 」 が 書かれていたのは、
ド・クインシー の 本 です。
クインシー といえば ホラー好き には 『 サスペリア 』 の 元ネタ、
『 深き淵よりの嘆息 』 の著者として 有名ですね。
あと、「 泥人形・ゴーレム 」 は “制約を 守らないと 凶暴化する”
ようなので、
「 残忍な犯人( “ゴーレム” )を 生んだのは 何か 」 の話でも
あるのかな?
キルデアは 容疑者に ジョンや、劇団の団長 ダン・リーノ が
いたことから、
劇団員だった リジー に 話を 訊きに行くのですが、
そこで 語られる リジー の 「 生い立ち 」 は 悲惨で重い…。
けれど 「 劇団時代 」は、
ジョンや “人気” を巡る 「 愛憎と 嫉妬の ドラマ 」 が、
結構 見応えがありましたね。
捜査の方は 容疑者を 訪ねたり、証拠品を 探したりと 普通に
面白いんですが、
「 殺人場面 」 は キルデアの想像( 推測 ) で 再現されていて、
事件ごとに 犯人が違う のが 雰囲気的に イイんですよ。
最初の事件( 死体 )が、両目を くり抜かれ、 腹も裂かれ、
内臓飛び出していて、一番 残酷でした。
あと、劇団でも “死人が出ていた”事が わかり、ミステリー としても
盛り上がります。
後半は リジー が有罪 になり、処刑が迫る 展開に。
終盤、ある人物 の “目的” がわかり、唸ってしまいましたが、
( この手の 動機は 好きです )
“思惑が外れ” 動揺する様 が 可笑しくも ありましたね。
話自体は よくある ミステリー作品 なんですが、
「 思い込み 」( ミスリード ) を 払拭させる 伏線の出し方 が 巧かったですね。
その伏線 は ハッキリと 示されている のですが、
「 回想場面 」 だったからか、さほど 気に留めていませんでした…。
( 「 回想 」 なので アンフェアっぽい けど、多分 違う…と思う )
あと、キルデア が 警部補にしては 歳を取っている のは、
彼には 「 同性愛 」 の ウワサがあり、出世できなかった からで、
「 “ゴーレム” 事件 」 を “任された” のも、スケープ・ゴート として
なんですよ。
そんな 彼 なので、裁判で 圧倒的に 不利で 孤独な リジー を
助けたいとの 想い に 説得力が 出るんですね。
その キルデア 役の B・ナイ は、垣間見える 疎外感で 哀愁を帯びていたし、
終盤の 落胆した やるせない表情も 良かったな。
リジー 役の オリヴィア・クック は 真意が読み取れない ミステリアスな 雰囲気が 良かったですね。
彼女は 『 レディ・プレイヤー1 』(18年。 チャッキー が良かった ) の
サマンサ( “アルテミス” ) を 演じていましたが、
個人的には 『 ぼくとアールと彼女のさよなら 』(15年)※ の
難病少女 の方が 印象深いですね。
(※青春&難病 映画。 主人公の 「パロディ 自主映画 」 に グッとくる )
あと、劇団員で のちに クリー家のメイド になる
アヴァリーン 役の、マリア・マルベルデ が すごく 良かったです。
序盤の ジリーに 不利な情報を 警官に ベラベラ しゃべる のには
笑ったし、
劇団での ジリー への 対抗心と 嫉妬の 演技も良かった。
終盤も 「 愛の深さがわかる 」(?) 結構な 見せ場が あったし、
オイシイ役 でしたね。
というわけで、個人的に かなり 楽しめた 作品でした。
ミステリーと ホラーが 好きなら 楽しめる人は 多そうかな。