「 アルフィー 」 (英・1966)
女たらしの アルフィー を描いた 人間ドラマ・コメディ。
舞台劇を 映画化した作品 で、監督は ルイス・ギルバート です。
あまり 興味がない作品 だったのですが、
映画本 『 怖い、映画 』 に 少し載っていたので 気になっていた
ところ、
「 スターチャンネル 」 の無料放送 で やっていたので 鑑賞。
アルフィー 役、マイケル・ケイン。
ルビー 役、シェリー・ウィンタース。
今作は アルフィー が 「 第4の壁 」 を 越え、しょっちゅう 視聴者に
話しかけてくるんですね。
たとえば 序盤の タイトルの前、
車から出てきた アルフィー が カメラに 向かって 語りかけます。
「 準備はいいか 始めよう。 おれは… 」
そこに 車中の人妻 が 「 アルフィー」 と 彼を 呼び、
アルフィー が 「 アルフィーだ 」 ときて タイトル が出るんですね。
初っ端から コメディ色が強い 雰囲気を 感じた ので、
“明るい女たらし” かと 思いましたが、“ゲスな女たらし” でした…。
前半から、彼女の ギルダ に、
“職場の売り上げの ちょろまかし” を そそのかしたり、
モラハラ気味 だったりと 呆れます。
さらに その ギルダ が 妊娠するんですが、アルフィー は
「 お前が決めろ 」 と 冷たいんですね。
ギルダ は 養子に出すつもりで 産むんですが、
以外にも アルフィー は その息子、マルコム を大事にします・・・が、
会うのは 週末だけ…と、やっぱり 軽薄。
( ギルダは 後に、彼女を 前から想っていた ハンフリー と結婚 )
中盤も、療養所で 知り合った ハリーの妻、リリー に 手をだし、
ヒッチハイク女性、アニー を 自宅に居候させて、家事をさせ、
自分は週末、金持ちの女性・ルビー と会う、と 独身を謳歌。
ここまで来ると その節操の無さ は 逆に 清々しい(?)。
そんな 自分本位な アルフィー の 後半の心境が 面白く、
ギルダと ハンフリーの 「 子供の洗礼 」 を 隠れ見る場面は
少し 羨んでいる ようにも 見え、
息子・マルコム への 物悲しい視線も 感じます。
アルフィーの子 を 妊娠した ハリーの妻・リリー が、
アルフィーの アパートで 中絶する くだり では、
アルフィー が 胎児の亡きがらを 見て 泣くんですね。
彼 が 強い悲しみ( 後悔 ) を見せる 描写なんですが、
リリー には それを見せず、いつもの調子で 振る舞います。
で、アルフィーは リリーに 払わせた 中絶の費用 と 同じ金額を
知人から 借り、
その金を リリーの カバンに こっそり 忍ばせ、
前に買った ぬいぐるみ を 彼女にあげるんです。
多分、この ぬいぐるみ は、息子( かギルダの子?)へ 贈れなかった物なので、
アルフィーの 息子や リリーへの 心情が 垣間見えます。
「 洗礼 」 を見たのは 中絶の間、アルフィー が 外に出ていった時
なので、彼は 感傷的に なっていたんでしょう。
表面上は あっさりと 元に戻っちゃうのが また 彼 らしいんですが。
終盤、愛想をつかした アニー が 家を出たことで、
アルフィー は ルビーに決める んですが、
ルビー には アルフィー より 若い男 がいました。
フラれた アルフィー が 川辺で 序盤の人妻 と出会い 彼女を 誘うも、
にべもなく あしれわれる のが、“モテ期 終了?” を 感じさせ、
切ないな~。
最後、アルフィー は、
「 俺は 幸せそうに 見えるが、(略)~ 心の安らぎがない 」、
“女性と物” か “安らぎ” の 「 片方だけしか 手に入らない 」 と 嘆き、
夜の街を 犬 と去っていくんですが、
その 犬 は 冒頭、2匹のうちの 1匹の犬(メス?)を 誘って( 奪って?)いたので、アルフィー と 似た 犬 なんでしょう。
アルフィー と この犬 が 互いに 「 心の安らぎ 」 を 与え合って
今まで通り 暮らすってのも 良いのかも しれませんね。
監督の L・ギルバート は 次作で、女たらし?のスパイ、
ジェームズ・ボンド が 活躍する、
『 007は二度死ぬ 』(67年)を 撮っているのが 面白いですね~。
最後に 映画内容 とは あまり 関係なく、ほとんどの 人には どうでも
いい事について。
この間 読んだ、『 怖い、映画 』 の 「 『 マニアック 』 再評価 」の項 で、
『 マニアック 』( 80年 女性を殺す男の話 ) と 『 アルフィー 』 は
「 通じるものがある 」 との記載が ありました。
どちらも 「 女性を 狙う 」( さすらう独身者 ) という意味では 同じ
なんだけど、
アルフィー も、『 マニアック 』 の主人公・フランク も、
“女性に逃げられる” 事で、
( アルフィー は ルビー で、フランク は アンナ )
共に 「 危機感 」( 年齢 と 逮捕 ) を 認識する事になる のも 同じなんですね。
( それでも 「 今まで通り 」 なのも 同じ。 変えられないのだ )
思ってもみなかった ゲスな男 の話でしたが、
M・ケイン の 魅力と、人間味 溢れる演技が良く、楽しく思える場面も
あり、
シニカルな コメディ として 途中からは 楽しめました。
ジュード・ロウ が アルフィー を演じた リメイク版(04年)も 興味が湧きましたね。