12月 読書 「 密室晩餐会 」、「 ドッペルゲンガーの銃 」、「 鵜頭川村事件 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

今月は 「 ミステリー・アンソロジー 」、「 ミステリー・中編集 」、

「 サスペンス 」 の 3冊。

 

 

 

「 密室晩餐会 」 二階堂黎人 編

 

「 密室ミステリー 」 アンソロジー の 第3弾 で 6作品。

 

1弾目は 『 密室殺人大百科 (上) 』『 ~ (下) 』

2弾目は 『 不可能犯罪コレクション 』 です。

 

過去の作品から 選んでると 思っていたのですが、

全て 「 書きおろし 」 でした。

 

( といっても この本、出てから かなり年月経ってますが )

 

 

 

「 少年と少女の密室 」 大山誠一郎

 

昭和28年。

タバコの 闇取引が 行われる家を 監視していた 警察が、

取引現場の 隣家で 殺人事件に 遭遇する、「 衆人環視 」 の密室

の話。

 

シンプルな トリック ですが、

序盤の 殺される 少年少女警官出会いの描写 が 巧かったですね。

 

意外な 犯人 と、それに至る 過程( 推理 )も 良かったです。

 

でも、警官の失態 だから 少し モヤモヤが あります。

 

 

 

「 楢山鍵店、最後の鍵 」 天祢涼

 

鍵店の男 が 警官と共に 息子の部屋を 開けるが、息子は 亡くなっていた。

「 密室 」 だったので 自殺と 思われたが、

“音に 色が見える” 「 共感覚 」 を持つ探偵、音宮美夜 が 捜査を

始め…。

 

音宮美夜『 キョウカンカク 』( 未読 )の主役みたいです。

 

父親音宮「 心理戦 」 が スリリング。

鍵師 らしく、“鍵”“扉” に 例えた 心情表現も 面白かったですね。

 

意外な真相も 良く、“うっかりミス”結構 ヒドイ けど

( 一応 伏線はある? )、一番 好きな作品。

 

 

「 密室からの逃亡 」 小島正樹

 

平屋で 発見された 老女性の 「 焼かれた 死体 」。

平屋は 工事の警備員に 見張られていたが、

老女性の死因は 遠く離れた 沼 での 溺死 で、全身も 外で 焼かれていた…。

 

老女性の息子が 容疑者で、高校の同級生でもある 刑事 が 事件の

真相に 迫る、ハードボイルドな 話。

 

「 やり過ぎる 」 作者らしいので、かなり デカい トリック かと

思いきや…。 ( 一応 デカい と言える…のかな? )

 

設定は 興味を そそりますが、真相は チョット 物足りない。

 

個人的には その前の 「 デカい トリック 」 の方が ケレン味を 感じて

良かったです。 ( まあ、好みの 問題ですね )

 

 

「 峡谷の檻 」 安萬純一

 

時代劇・ミステリー。

 

暗殺を終えた 男2人は 捕まり、「 枯れた谷 」 に “吊られた小屋” に

入れられる。

しかし、両側に 見張りが 居たのにも かかわらず、4日目の夜に

2人は 消えてしまう…。

 

軽い アクション や 催眠術 も出るし ( トリック には 関係ない )、

特異な設定 でも あるので、霞流一 の作品を 思い出しました。

 

なので、トリックは 大体 予想できました。

 

それでも こういった トリック は 好きなので 面白かったですね。

 

 

 

「 寒い朝だった 失踪した少女の謎 」 麻生荘太郎

 

“飛び降りた少女” が消え、行方不明 になる話 なのですが、

最初の トリック は、某 漫画 で 似たのが あったので ガッカリ。

“仕掛け” の 納得度も 個人的に 低くい。

 

でも、それを 前フリ とした 後半の 「 飛び降り 」 は まあまあ良かったかな。

 

残念なのが 失踪する前の 少女のセリフ、「 寒い朝だったから 」 が、

「 密室 」事件と 関係ない ことです。

 

その意味( 動機 ) は 好きなヤツ だけど…。

 

 

「 ジェフ・マールの追想 」 加賀美雅之

 

カー の 推理小説に 出てくる アンリ・バンコランジェフ・マール

登場する 作品。

 

「 密室 」「 首切断 」「 透明人間 」 と 面白そうな 趣向で、

「 読者への挑戦 」 も あります。

 

犯人と トリック 自体は 良かったのですが、「 首の切断 」 が ちょっと

気になるかな。

 

なので 真相 よりも、“その前の 推理”( もちろん 穴は ある ) の

くだり が楽しかったです。

 

 

 

「 ドッペルゲンガーの銃 」 倉知淳

 

本格・ミステリー の 中編集で、全3編。 ( プラス エピローグ )

 

キャリア刑事の 兄・大介 がいる、ミステリー作家の 卵の

灯里( あかり )。

小説のネタのため から聞いた “奇妙な事件” に挑むが…。

 

勉強だけは 出来る キャリア刑事・大介 の、

ノホホンとした様子 や、ポンコツぶり ( 妹曰く、“陽だまりのタンポポ” )に和みます。

 

ネタ探しに 必死な 灯里 と、ボンクラな 大介 との やり取りも 笑えますね。

 

ミステリーなんで 探偵役 がいるんですが、チョット以外?だったので

誰かは 秘密にしておきます。

 

 

1編目 「 文豪の蔵 」

 

週に1回、整理のために 「 蔵 」 を訪れている 男女3人 が 「 蔵 」を

開けると 中には 死体が…。

「 蔵の鍵 」は 発見者の1人 でもある、蔵の持ち主 が 肌身 離さず

持っていた…。

 

“死体出現” の 謎を巡る 密室モノ。

 

今年 読んだ、某・作品を 思い出したのですが、

それよりも 良く出来た トリック で、伏線回収も 気持ちよく、

かなり 好きです。

 

 

2編目 表題作 「 ドッペルゲンガーの銃 」

 

“ほぼ 同時刻” に 起こった 「 コンビニ強盗事件 」 と 「 射殺事件 」。

両者は かなりの 距離があり、車で 2時間ほど かかるのだが、

使われた 「 銃 」 は同じだった…。

 

不可思議な 設定が 興味をそそりますし、伏線回収も 動機も 良かったです。

 

 

3編目 「 翼の生えた殺意 」

 

離れの茶室 で 首を吊った男 が発見される。

夜から 朝にかけて降った雪で、「 自殺者の片道の足跡 」 と、

発見者で 車イスに乗る長男 の 「 往復した車輪跡 」 が 残っていた。

 

犯人がいるとした場合、3人いる息子の いずれかしか いないのだが、3人とも 犯行は不可能 だった…。

 

某、マイナーな “カンフー映画” を思い出し、トリックの 一部は

わかったし、少し気になるところも。

 

それでも 楽しめましたが、先の2作品と 比べると、少し 物足りなさを感じましたね。

 

 

軽めな 感じなので 読みやすく、ミステリー本格度 も 高めかな。

 

 

 

「 鵜頭川村事件 」 櫛木理宇

パニック・サスペンス 作品。

 

1979年。

妻の墓参りのため、鵜頭川村 を訪れた 岩森明 と 幼い娘の 愛子

妻の伯父・矢萩元市 の家に泊まるが、豪雨のため 村から出られなくなってしまう。

 

そんな時、若者の死体 が発見され、村の有力者・矢萩

問題児の息子 が犯人では…と 憶測が広がる。

さらに 長引く雨に 矢萩家降谷家 や 他の家 との対立が 顕在化、

若者たちも 自警団 を結成するが…。

 

 

エンタメ性 が 高めかな?と思って読みましたが、そうでもなかったですね。

 

村に 会社を持ち、村民の1割 を占める 矢萩家 ( 雇い主 )と、

村民の 4割を占める 降谷家 ( 従業員がいる )との 関係性が

面白く、

 

降谷港人矢萩廉太郎 との 友情に ちょっと グッと きます。

 

村( 田舎 )から 抜け出せず、都会とくらべ 変化のない暮らしに

焦燥感を 募らせる 若者の鬱屈の描き方、

 

村から出た 岩森 の、若者たちへの視線の 描写も 良かったです。

 

停電や 電話の不通、 水の融通や 食料の不足で 徐々に 高まっていく “狂気” は楽しいのですが、

後半の 「 自警団の暴走 」の “暴力描写” は 物足りないな~。

 

エンタメ性が 少ないのは まあ、良いんだけど、

テーマとしては もう少し 暴力描写 は あった方が 良かったかな。

 

中盤に 「 猟銃 」 の くだり が あったので、てっきり 誰かが使うのだろうと思っていましたが、結局 使わなかったし、

猟犬 も 出てきたけど “襲う” 描写は 無いし…。

 

それでも サスペンス・ドラマ としては まあまあ 楽しめました。

 

あと、ミステリー作品では ありませんが、

若者を殺した 犯人が判明する くだり は 結構 「 本格 」 でしたね。