11月 読書 「少女を殺す100~」、「グラスバードは~」、「藤子・F・不二雄 SF短編」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

今月は ミステリー 2冊、漫画 1冊。

 

 

「 少女を殺す100の方法 」 白井智之

気になっていた 作家です。

 

「 多ジャンル・短編集 」 ですが、基本 「( 本格・)ミステリー 」 でした。

 

まあ、

『 人間の顔は食べづらい 』「 横溝正史 ミステリ大賞 」

最終候補作 だったし、

 

『 東京結合人間 』「 日本推理作家協会賞 」 候補作、

『 おやすみ人面瘡 』「 本格ミステリ大賞 」 候補作 と、

 

本格系?の作家みたいなので 当然とも いえますが。

 

 

全5編で、題名通り 少女たちが たくさん 死んでます。

 

あと、装画は 浅野いにお の “少女の絵” で、

タイトル、内容との ギャップが スゴイ ですよ。

 

 

 

1作目 『 少女教室 』

 

冬休み、未履修の補講ため 集まっていた 2年A組の生徒

射殺される。

 

しかし、生徒は 全21人 だが 死体は 20体しか 無かった。

残った 1人が 犯人 だと考えた 教頭の クサカベ は、

この後の 「 保護者説明会 」の前に 犯人 だけは 特定しておこうと、

調べ始めるが…。

 

死体の顔が潰されていたり、「 座席表 」 や、防犯・カメラ 映像 で

調べた 「 登校時間 」(と ジャージ着用の有無 )の が 載っている

など、

ミステリー要素が強めに 感じました。

 

前半は クサカベ が調査する展開で、このまま 進むのかと思っていたら、

中盤で 違う展開( 趣 )になり 少し ガッカリ。

 

しかし、その後の 麻耶雄嵩っぽい? 展開は 楽しかったし、

最後にも やられましたね。

 

以外にも 情報量が 多く、もっと じっくり読めば良かったと 後悔。

 

 

 

2作目、『 少女ミキサー 』

 

「 巨大・フードプロッセッサー 」( ミキサー )の中で 目を覚ました

少女・ドロシー

そこには ニーナレイラ、2人の 少女がいた。

 

その 「 ミキサー 」 には 朝、上から 全裸の少女 が 落ちてきて、

“生きている少女が 5人” に なると ミキサー が回転、バラバラにされ、

中央の穴に 捨てられるのだった。

 

ニーナレイラ は 生き延びるため、落ちてきた “4人目” を殺してきたのだが、それに ドロシー も 加わる事に…。

 

 

「 不条理・ミステリー 」 ですが、今作も 情報量 が多め。

 

狭い ミキサー内で 殺人が 起こるのですが、

「 首、手首、足首を切断 」 と、なかなかの 死体状況 で、

ミステリー気分が上がりますね。

 

何点か 気になる箇所が あった のですが、わかりませんでしたね。

なので 個人的には ミステリー難易度(?)は 高めでした。

 

( そもそも 熟考しないで 読み進める タイプ ですが… )

 

今作も 軽めに 読み進めてしまい、チョット後悔…。

 

 

 

ここからは 書きおろし 作品。

 

3作目 『 「 少女 」 殺人事件 』

 

新人・ミステリー作家 赤井虫太郎 に呼び出された 後輩・カズオ は、赤井 の 「 未発表作 」 を読み、“犯人を当られるか” の 「 賭け 」 を

することに…。

 

小説内 ミステリー小説、「 メタ・ミステリー 」作品です。

 

赤井「 小説 」では 始めに 「 読者への挑戦 」 や、

「 ノックスの十戒 の遵守 」 が 書かれているのですが、

 

怪獣 が 出てきたり、アイドル候補生 20人が 殺されたり

( 赤井は 怪獣、アイドル が好き )

と、内容は かなり 突飛。

 

それでも 前の2作 の後悔を 踏まえ、初めから じっくりと

読みました・・・が、

 

かなりの “変化球”ある意味 “ど真ん中”?) で、脱力・・・すると

共に、その 発想に 感心しました。

 

「 ノックス 」的 には フェア でしたが、人によっては 「 バカ・ミス 」

なるのかな?

 

個人的には 嫌いじゃないですよ。

 

 

 

4作目 『 少女ビデオ 公開版 』

 

いかかわしげな タイトルですが、今年 読んだ 平山夢明 作品に

勝るとも劣らない かなり えげつない内容でした…。

 

父親に宛てた 「 ビデオ・メッセージ 」 で 娘の母親 について語る話なのですが、

父親の仕事は “用済みになった 少女” に、“別の少女の肉”

食べさせる事 なんですよ…。

 

凄惨な 「 エログロ 」 作品ですが、伏線が しっかり あったし、

予想に反して 父娘ドラマ部分 も良く(?)、

 

最後は イイ話(??)で 締めるところは やっぱり 平山っぽいですね。

 

 

 

5作目 『 少女が町に降ってくる 』

 

叔母の家に しばらく住むことになった ミロ

その村では 8月16日の朝 に 少女 が降ってくるという…。

 

「 超常現象、特殊状況・ミステリー 」 でいいのかな。

 

20人 降っていた 少女 が、1人 増えていたり、

少女たちは みな同じ 「 DNA 」 だったり、

 

過去、神主による 「 少女監禁事件 」 があったりと、

 

面白そうな 要素が たくさんあり、読んでいて 楽しかったですね。

当然、殺人事件 も 起こります。

 

今作も 情報量 が多めで、しっかり 読んでは いたんけど、

ダメ でしたね…。

 

設定を 活かした トリック も 良かったし( 好きなヤツ )、

犯人 も良かったな~。

最後は チョット感動的で、後味は 結構スッキリ・・・は しないか。

 

 

 

特種な ミステリー設定が 好みでした。

5作品 全て 面白かったのですが、個人的に 1番良かったのは 5作目かな。

 

 

 

 

「 グラスバードは還らない 」 市川憂人

本格・ミステリー。

 

マリア の 刑事コンビ の シリーズ、第3弾。

1作目の 『 ジェリーフィッシュは凍らない 』 は読んでます。

 

 

不動産王、ヒュー・サンドフォード の所有する ガラス製造会社の

社員2人 と、研究者その恋人 の4人( + メイド 1人 )は、

部屋が 多数あり、通路が 迷路のような フロア に 閉じ込められる。

刑事の マリア は、ヒュー の 希少動物収集の 情報をつかみ、

ヒュー が 最上階に 住む、「 サンドフォードタワー 」 へと赴く。

非常階段を使い 上階を 目指した マリア だったが、タワー で爆発が起き…。

 

 

 

フロアの “仕掛け”、 消えた “硝子鳥”( グラスバード )と、

ミステリー的な ケレン味 が 楽しいです。

 

ある人物の 心情描写も 良いアクセントに なっていたし、

( ちゃんと “謎” になっている )

意味深な 表現や 描写、さりげない伏線も 上手いな~。

 

 

“仕掛け” の1つは 私が 「 悪趣味好き 」 なので なんとなく推測 は

出来たし、

先に 読んだ 『 少女を殺す~ 』 に 似たようなのが あったので

インパクトが 薄れちゃったのが 残念でした。

 

でも 後半の展開は かなり良かったです。

 

あと、マリア の掛け合い( の皮肉が 可笑しい )は 愉快

だし、タワーの爆破の くだり も 緊迫感があり、エンタメ としても、

普通に 楽しめましたね。

 

「 ジェリーフィッシュ 」 が 出てくるので、興味があれば 1作目 から

読んだ方が良いのかな?

 

 

 

「 藤子・F・不二雄 SF短編PERFECT版2 」

藤子・F・不二雄

 

初出が 1973年 から 75年 までの SF短編 13作。

 

『 定年退食 』平山夢明 の短編、『 定年忌 』

( 定年後、全ての 権利を 失う話 ) を思い出しました。

 

“暴力的” な 『 定年忌 』 と 比べ、

こちらは “諦念”“微かな望み” が、可笑しみ と 物悲しさ を

醸し出していましたね。

 

ラストのコマ が 「 天国への階段 」 のようで 印象に残ります。

 

あと、“食料事情” が おもな原因らしい のが 興味深いです。

( もちろん 現実にも 食料問題は あるのだが… )

 

『 間引き 』「 人口増加問題 」 で、似たような テーマ。

 

「 コインロッカーに 赤ん坊を捨てる者が 増えた 話 」 が すでに 不穏だけど、

さらに 不穏を掻き立てる “唐突な殺人” が 起こり、

個人的には 気分が 盛り上がりますね~。

 

記者のセリフ、

「 1980年現在、世界の総人口は 45億に 近づいた 」

「 一方、食料の増産は はるかに これを 下回り、・・・ 」

 

からの 記者“推理” が 楽しく、

 

“推理” の前に 挟まれた、保険営業 の 「 カロリー保険 」への 勧誘 と、

“推理”オチ で繋がる 快感が たまらないな~(?)。

 

さらに 厭世的 だったのが、

中盤に 「 彗星衝突 パニック 」展開になる、『 箱舟はいっぱい 』 で、

“ありそう” なのが 怖くて 面白い。

 

 

『 ノスタル爺 』 は ダムに沈んだ村を 30年ぶりに 訪れた

回想話 で、

戦争で 引き裂かれた 「 愛 」 を、

ある “現象”“決断” で描いていて、切なさを 覚えるのですが、

 

読後に “言葉の意味” がわかり、さらに 切なくなりました。

 

 

『 休日のガンマン 』 の、

“パロディのような ガンマン” を描く、前半 と、

 

『 権敷無妾付き 』 の、“知らない女性からの手紙” が来る、

前半の くだり が

ミステリーっぽい描写と 展開で 地味に 好きですね。

 

『 コロリころげた木の根っこ 』DV夫作家その妻 の話で、

サスペンス・ホラー で 面白かったです。

似たような話?は ネット や TV で やってた気が…。

 

『 アン子 大いに怒る 』 は、『 エスパー魔美 』っぽい

ほのぼの系の話 で チョット癒されます。

 

 

今回は 厭世観 を感じる作品が 多い印象で、

宗教色 が 少し あったのが 興味深いですね。