10月読書 その2 「 藤子・F・不二雄 SF短編~1 」、「 晩餐は「檻」のなかで 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

残り2冊は 漫画と ミステリー小説。

 

 

 

「 藤子・F・不二雄 SF短編PERFECT版 1 」

藤子・F・不二雄

 

 

図書館に 『 新ゲゲゲ 』 の4巻( 最終巻 )が 無く、

 

もう少し 漫画を 読みたいな~ と思っていたら、ブログ記事で

藤子・F・不二雄 の名を見つけ、図書館で 検索してみると…、

この シリーズ がありました。 ( 『 ドラえもん 』 もあった )

 

タイトル通り の SF短編・漫画。

全 15作品 です。

何作か紹介。

 

 

 

『 ミノタウロスの皿 』

 

宇宙船が故障し、1人だけ 生き残った が 降り立った ある星。

 

科学が発達していない その星で は 美しい女性、ミノア と出会う。

しかし、その星 は 牛型の種族 が 支配者していて、

人型“ウス” は家畜で、労働力、愛玩動物 であり、食用 だった。

 

そして ミノア は 大祭の祝宴で 食される 「 ミノタウロスの皿 」 に選ばれていた…。

 

 

逆転の世界を描き、 “普通” が揺らぐ話。

 

“ウス”ミノア にとっては、「 大祭で食される事 」最高の名誉で、

死ぬのは怖いが、それより 大祭の栄誉 を失う方が 怖いという。

 

は、「 “ウス” を 食べる事が 残虐だ 」と 有力者を 説いて回るけど、

話は通じなんですね。

 

この話 では “ウス”人型 だったから 嫌悪 したんだけど、

「 正しさ 」( 普通、常識、残酷 など ) は 人、国、時代 によって

違うし、変化 もするんだよな…。

 

最後は いかにもな 展開、結末に ならない のが 良く、

最後の 「 コマ 」 も チクリと 胸を刺します。

 

 

 

『 気楽に殺ろうよ 』 も 「 逆転 」 の話。

 

朝起きて 激痛を 感じた の “世界” が変わっていた。

その “世界” は、

「 性 」 に関しては 解放的で、「 食事 」 は 人前では 秘する事 だった。

さらに 殺人も…。

 

カウンセリングを 受ける に、カウンセラー

 

「 食欲 は 個体を維持するための 個人的、独善的 な欲望 」 で、

「 性欲 は 種の存続を 目的とするから、公共的、社会的 欲望 」 と

説くんですよ。

 

「 物事 」 は 恣意的に “どうとでも 解釈”( 肯定も 否定も )が出来るのが恐ろしくて 悲しくもありますね…。

 

 

 

『 ヒョンヒョロ 』

 

幼い マーくんウサギ型・異星人?から

「 ヒョンヒョロを よこさないと 誘拐する 」 と、「 脅迫状 」 を もらうが、

大人達は信じず…。

 

「 ドタバタ・コメディ 」 な趣 で、始めは 信じなかった 大人達が、

後に 右往左往する展開は 普通。

しかし 「 脅迫状 」 意味が わかる 結末( ラストの コマ )には、

ゾワッとしました。

 

かなり 好きな オチ。

 

 

 

あと、「 スーパーマン モノ 」 もあり、

 

『 カイケツ小池さん 』 は、

正義感の強い 小池さん が、スーパーパワーを 手にいれ、

悪を成敗しているうちに エスカレート する話。 ( 惨殺もしちゃう )

 

後半は 「 くだばれ 」“念じる”? だけで 殺せるようになるのは、

なんか 『 デスノート 』風でしたね。

 

透視能力を使った “のぞき” で 「 気づかれなきゃ迷惑じゃない 」 と、開き直るんけど、

それこそが 悪意の思考 なんだよな…。 ( しかも ついつい しがち )

 

『 わが子・スーパーマン 』 は、

子供が TV・ヒーロー 「 ウルトラファイター 」 として、“悪者たち” 退治していく話で、

こちらは “チョットした悪” を 許さない、「 子供の純粋さ 」 が怖い。

 

 

 

『 自分会議 』

 

アパートに 引っ越してきた 学生

その部屋は 子供の頃、夢で に 連れて行かれた部屋 そっくり

だった。

その 学生 の目の前に 9年後の自分 が現れ、

「 遺産の山林を 売って、その金を渡せ 」 と 言ってくるが、

さらに 23年後33年後“自分” が現れる…。

 

全員 “自分” の 喧々囂々 な話合いが かなり 愉快。

 

“夢” の くだり で、終盤の展開の 予想は付くんだけど、

結末は 想定外 で、

“SF的な 無常観” が胸に迫りますね。

 

 

あと、『 劇画・オバQ 』 は切ない話ですが、

正ちゃんの妻正ちゃんに 言う、

 

「 ねえ、Qちゃん いつかえるの?」 に 笑ってしまいました。

 

 

 

ブラックな オチ の作品が多く、心も 揺さぶられて、読んでいて
気持ち良かったですね。

 

 

 

 

「 晩餐は「檻」のなかで 」 関田涙

ミステリー作品。

 

犯罪被害者遺族の 「 仇討ち 」 のため、“役割” を伏せられた、

加害者( トラ )、 被害者遺族( ヤギ )、 協力者( ヘビ )、

監視2人(カメ、クマ)、 立会人2人(イヌ、サル)の 7人が 「 館 」 に

集められる。

 

“ヤギ” は 3日以内に “トラ”( 加害者 )を殺すことが出来るが、

立会人の1人、探偵役の “サル” に 当てられた場合、“サル” に

報奨金を 払わなければならない…。

売れない 小説家の “錫井イサミ” は 編集者に

「 本格・ミステリー 」 の執筆を 依頼される。

 

錫井は ミステリーを書いたことが無かったが、

難解ではない 「 SF設定の ミステリー 」 を思いつき、書き始める…。

 

 

 

各章、館での 「 仇討ち 」パート と、「 売れない小説家・錫井 」 パート で成り立っていて、

 

「 館・ミステリー 」 と思っていたのに、半分は 小説家の話で ちょっと

ガッカリ。

でも、売れない 錫井 の話が 切なくて、中盤からの トラブル も

コメディ的で 結構 ノレましたね~。

 

でも、個人的には あまり気にならなかったけど、「 仇討ち制度 」 の

説明は 長いかな?

 

 

必然的に 「仇討ち 」パート の分量は あまり ないのですが、

こちらも 「 不可能 殺人 」 や、「 誰が なんの 役割か 」

ミステリーな趣向 も ちゃんとありました。

 

 

そして、当然 気になるのが、「 仇討ち 」「 小説家 」、2つのパート が “どう繋がるか” で、

 

「 何パターン 」 か思い浮かべ、読み進めたのですが・・・結構 感心しました。

 

ただ、初めに載っている 「 館平面図 」誤植?(人名 間違い) があったので、

( レビューサイトでも 指摘があったから 多分そう )

 

違う方向に 深読み してしまい、結果的に 純粋には 楽しめなかった

のが残念。

 

ミステリー本格度は、協力者( ヘビ )の存在が 提示されていて フェア だけど “軽め” かな…?

 

 

頁数も そんなには 無く、比較的読みやすい作品で、

普通に 面白かったです。