残り2冊は 漫画と ミステリー小説。
「 藤子・F・不二雄 SF短編PERFECT版 1 」
藤子・F・不二雄
図書館に 『 新ゲゲゲ 』 の4巻( 最終巻 )が 無く、
もう少し 漫画を 読みたいな~ と思っていたら、ブログ記事で
藤子・F・不二雄 の名を見つけ、図書館で 検索してみると…、
この シリーズ がありました。 ( 『 ドラえもん 』 もあった )
タイトル通り の SF短編・漫画。
全 15作品 です。
何作か紹介。
『 ミノタウロスの皿 』
宇宙船が故障し、1人だけ 生き残った 男が 降り立った ある星。
科学が発達していない その星で 男は 美しい女性、ミノア と出会う。
しかし、その星 は 牛型の種族 が 支配者していて、
人型 の “ウス” は家畜で、労働力、愛玩動物 であり、食用 だった。
そして ミノア は 大祭の祝宴で 食される 「 ミノタウロスの皿 」 に選ばれていた…。
逆転の世界を描き、 “普通” が揺らぐ話。
“ウス” の ミノア にとっては、「 大祭で食される事 」 が 最高の名誉で、
死ぬのは怖いが、それより 大祭の栄誉 を失う方が 怖いという。
男は、「 “ウス” を 食べる事が 残虐だ 」と 有力者を 説いて回るけど、
話は通じなんですね。
この話 では “ウス” が 人型 だったから 男が 嫌悪 したんだけど、
「 正しさ 」( 普通、常識、残酷 など ) は 人、国、時代 によって
違うし、変化 もするんだよな…。
最後は いかにもな 展開、結末に ならない のが 良く、
最後の 「 コマ 」 も チクリと 胸を刺します。
『 気楽に殺ろうよ 』 も 「 逆転 」 の話。
朝起きて 激痛を 感じた 男 の “世界” が変わっていた。
その “世界” は、
「 性 」 に関しては 解放的で、「 食事 」 は 人前では 秘する事 だった。
さらに 殺人も…。
カウンセリングを 受ける 男 に、カウンセラー は
「 食欲 は 個体を維持するための 個人的、独善的 な欲望 」 で、
「 性欲 は 種の存続を 目的とするから、公共的、社会的 欲望 」 と
説くんですよ。
「 物事 」 は 恣意的に “どうとでも 解釈”( 肯定も 否定も )が出来るのが恐ろしくて 悲しくもありますね…。
『 ヒョンヒョロ 』
幼い マーくん が ウサギ型・異星人?から
「 ヒョンヒョロを よこさないと 誘拐する 」 と、「 脅迫状 」 を もらうが、
大人達は信じず…。
「 ドタバタ・コメディ 」 な趣 で、始めは 信じなかった 大人達が、
後に 右往左往する展開は 普通。
しかし 「 脅迫状 」 の 意味が わかる 結末( ラストの コマ )には、
ゾワッとしました。
かなり 好きな オチ。
あと、「 スーパーマン モノ 」 もあり、
『 カイケツ小池さん 』 は、
正義感の強い 小池さん が、スーパーパワーを 手にいれ、
悪を成敗しているうちに エスカレート する話。 ( 惨殺もしちゃう )
後半は 「 くだばれ 」 と “念じる”? だけで 殺せるようになるのは、
なんか 『 デスノート 』風でしたね。
透視能力を使った “のぞき” で 「 気づかれなきゃ迷惑じゃない 」 と、開き直るんけど、
それこそが 悪意の思考 なんだよな…。 ( しかも ついつい しがち )
『 わが子・スーパーマン 』 は、
子供が TV・ヒーロー 「 ウルトラファイター 」 として、“悪者たち” 退治していく話で、
こちらは “チョットした悪” を 許さない、「 子供の純粋さ 」 が怖い。
『 自分会議 』
アパートに 引っ越してきた 学生。
その部屋は 子供の頃、夢で 男に 連れて行かれた部屋 そっくり
だった。
その 学生 の目の前に 9年後の自分 が現れ、
「 遺産の山林を 売って、その金を渡せ 」 と 言ってくるが、
さらに 23年後、33年後 の “自分” が現れる…。
全員 “自分” の 喧々囂々 な話合いが かなり 愉快。
“夢” の くだり で、終盤の展開の 予想は付くんだけど、
結末は 想定外 で、
“SF的な 無常観” が胸に迫りますね。
あと、『 劇画・オバQ 』 は切ない話ですが、
正ちゃんの妻 が 正ちゃんに 言う、
「 ねえ、Qちゃん いつかえるの?」 に 笑ってしまいました。
「 晩餐は「檻」のなかで 」 関田涙
ミステリー作品。
犯罪被害者遺族の 「 仇討ち 」 のため、“役割” を伏せられた、
加害者( トラ )、 被害者遺族( ヤギ )、 協力者( ヘビ )、
監視2人(カメ、クマ)、 立会人2人(イヌ、サル)の 7人が 「 館 」 に
集められる。
“ヤギ” は 3日以内に “トラ”( 加害者 )を殺すことが出来るが、
立会人の1人、探偵役の “サル” に 当てられた場合、“サル” に
報奨金を 払わなければならない…。
┋
売れない 小説家の “錫井イサミ” は 編集者に
「 本格・ミステリー 」 の執筆を 依頼される。
錫井は ミステリーを書いたことが無かったが、
難解ではない 「 SF設定の ミステリー 」 を思いつき、書き始める…。
各章、館での 「 仇討ち 」パート と、「 売れない小説家・錫井 」 パート で成り立っていて、
「 館・ミステリー 」 と思っていたのに、半分は 小説家の話で ちょっと
ガッカリ。
でも、売れない 錫井 の話が 切なくて、中盤からの トラブル も
コメディ的で 結構 ノレましたね~。
でも、個人的には あまり気にならなかったけど、「 仇討ち制度 」 の
説明は 長いかな?
必然的に 「仇討ち 」パート の分量は あまり ないのですが、
こちらも 「 不可能 殺人 」 や、「 誰が なんの 役割か 」 の
ミステリーな趣向 も ちゃんとありました。
そして、当然 気になるのが、「 仇討ち 」 と 「 小説家 」、2つのパート が “どう繋がるか” で、
「 何パターン 」 か思い浮かべ、読み進めたのですが・・・結構 感心しました。
ただ、初めに載っている 「 館平面図 」 に 誤植?(人名 間違い) があったので、
( レビューサイトでも 指摘があったから 多分そう )
違う方向に 深読み してしまい、結果的に 純粋には 楽しめなかった
のが残念。
ミステリー本格度は、協力者( ヘビ )の存在が 提示されていて フェア だけど “軽め” かな…?
頁数も そんなには 無く、比較的読みやすい作品で、
普通に 面白かったです。