今月は 「 ミステリー小説 」 2冊 と、
「 ホラー小説 」、「 漫画 」 各 1冊 の 計4冊。
まず 2冊。
「 ミステリークロック 」 貴志祐介
ミステリー 短・中編集 4編。
防犯コンサル・榎本径 と、弁護士・青砥純子 コンビ?が活躍する
「 防犯探偵・シリーズ 」。
この シリーズ は 『 カギのかかった部屋 』 として ドラマ化 されましたね。
一応、この シリーズは 全部 読んでいるのかな。
1編目 『 ゆるやかな自殺 』 は 唯一の 短編。
トリック は 軽めですが、榎本の 受難が 以外にも スリリング。
青砥 が出てこないのが チョット物足りない。
2編目 『 鏡の国の殺人 』。
『 鏡の国のアリス 』 が モチーフ の “体感芸術?” の会場 が
事件の舞台。
読んでいて 既視感があるな~と 思ったら、ドラマ版の 「 スペシャル 」 で やってました。
でも、トリック の1つは 覚えていたけど、他の トリック は 忘れていたので 結構 楽しめたかな。
青砥 の推理が 「 いつになく ヒドイ… 」と、思ったのですが、
この後の 作品の推理も 結構 ヒドイ…。 ( 一応、褒めてます )
あと、後半 出てくる ルイス・キャロル研究家?が めんどくさくて
“笑い” も担当かと 思いきや、“意外な活躍” もするのには 唸りましたね~。
個人的に 興味深い 情報 もあり、
ルイス・キャロル は 人の顔が 見分けられない 「 相貌失認 」 と言われているようですが、
『 鏡の国のアリス 』 に出てくる ハンプティ・ダンプティ も
「 相貌失認 」 のようです。
( 「 Wiki 」 にも 書いてましたが )
3編目 は 表題作、『 ミステリークロック 』。
女性作家 の山荘で行われた 晩餐会で、執筆のため席を 外した
作家 が、仕事部屋で “毒” により 亡くなる話です。
今作は 今までと 違い、“事件に巻き込まれる” 趣向で、
「 犯人当て・サスペンス 」 な 展開になります・・・が、
この 「 シリーズ 」の ほとんどが そうであるように、「 犯人当て 」は
主題じゃない(?)ので 犯人の 予想は付きますね。
それでも、「 推理、犯人当て 考察 」 は 普通に 面白かったけど。
本題の 犯人の 「 周到な計画 」 が とにかく 圧巻で、
情報量 も多く、かなり 贅沢な 仕上がりでした。
でも、チョット苦しい ところ も あるかな?
タイトル の 「 ミステリークロック 」 とは、“文字盤が透明” な時計 で、
作中では 「 カルティエ 」 の 「 モデルA 」、「 キメラ 」、「 パンテール 」 が 出てきます。
(「 モデルA 」 は、かなり前の TV番組 で見たような・・・)
4編目 『 コロッサスの鉤爪 』 は 密室の状況が 面白い。
海原が舞台で、実験船から 200メートル 離れた 海上の ゴムボート に 乗る男 が、
“何か” に 海に 引きずり込まれて 溺死 します。
その時 実験船 では 「 パッシブ・ソナー 」 のテスト で “海中の音” を 聞いていましたが、ゴムボートに 近づくような 音は無く、
海底では 「 飽和潜水 」の ダイバー3人 が 深度・300メートル で
作業を していましたが、“気圧” の関係で “海上には 上がれず…” と、
「 音 と 気圧 の 密室 」 の様相を 呈しています。
さらに 被害男性 には、サメに噛まれた痕 の他に、
不審な傷 があり、「 巨大イカ、コロッサル・スクイッド の仕業か?」と
思われたりと、かなり 興味を惹かれる 内容で、
個人的には 1番 面白かったですね。
今作にも 個人的に 興味深い 情報が ありました。
まずは、「 イカ 」 について。
イカ が人を襲う事は 珍しくないらしく、イカ に海中に 引きずり込まれ
溺れたり、
気圧の急激な変化で 死亡 する ケース が あるようです。
( 作中で 紹介されたのは アメリカオオアカイカ )
巨大イカ・コロッサル・スクイッド は、
一語で コロッサス、 ダイオウホウズキイカ とも 呼ばれていて、
捕獲例が 少ないため、生態は ほとんど 不明のようで、
ダイオウイカ より デカとも 言われているようですね。
次、「 飽和潜水 」 について。
海中の圧力 は、10メートル(ⅿ)毎に 1気圧ずつ 増して いきますが、
スクーバ・ダイビング で 潜れる限界は 40ⅿ から せいぜい100ⅿ
らしいです。
40ⅿ を 越えると、酸素タンクの “窒素” により、
窒素酔いで 酩酊状態 になったり、窒素中毒 になったりと 危険らしいです。
なので さらに 深く潜る 「 飽和潜水 」 では 窒素の替わりに “ヘリウム” を混ぜた「 酸素混合ガス 」 を用いるのですが、
ヘリウム なので 声 が変わっちゃうんですね~。
あと、ヘリウム は 熱伝導率 が高く、呼吸のたび 体温を 奪われるので、温めた海水を 循環させる 「 加温服 」を 着ているそうです。
それと 作中の 水深300ⅿ まで 潜るためには、
「 加減圧室 」 で 10時間過ごし、体を 31気圧 に慣れさせなければ
いけないのですが、
もっと 大変なのが 海上に戻る時、体を 1気圧に 減圧する場合 で、12日間 も掛かるようですよ。
中編3作品は 東野圭吾 『 ガリレオ 』 シリーズっぽい感じかな?
あと、トンデモ 推理を巡る 青砥と 榎本との 掛け合いは くだらなくて
良かったです。
「 ぼぎわんが、来る 」 澤村伊智
ホラー作品。
気になっていた 作家です。
今度 タイトル 『 来る 』 として 映画公開
( 監督:中島哲也 出演:岡田准一、黒木華 ) されるので、読んでみました。
3章 構成で、それぞれ 視点が 違います。
「 1章 」 は “夫の視点” で、 前半の 子供の頃の話が 結構 怖かったですね。
序盤と 終盤の 繋がりも 緊張感があり、上手かったな~。
夫の 奮闘ぶり の描写も 楽しめましたね。
しかし 「 2章 」 “妻の視点” では 「 ホラー 」 として 進みつつも、
個人的には 「 コメディ色 」 も強く、
1章が “伏線” になり、昨今 よく聞く 「 あるある話 」 になっていて
笑ってしまいました。
「 3章 」 も また、違った 「 あるある 」 で、
せちがらい 今の社会 も怖い という、社会派な面も 感じる…かな?
( 結局、“基準”( 普通 )は 自分なんだよな~ )
もう1つの “悪意” も、話の アクセントと として 好きな要素です。
ラストバトル は 昨今の アメリカの 「 エンタメ・ホラー 」 映画 のようで、
結構ハデ。
オカルト系 の話なんですが、
“ぼぎわん” の ビジュアル、攻撃( 物理的 )は まるで “怪物” で、
その暴れっぷり が 思いのほか 楽しかったですね。
映像化 に チョット期待しちゃいます。
映画の タイトル から、“ぼぎわん” が外れ 『 来る 』 だけなのは、
『 イット 』( 17年版 ) を意識してかな?
( 少し 似てる感じ だったし…。 でも インパクトが なくなったな~ )
気になるところも 少し ありましたが、「 エンタメ 」 として
結構 面白かったですね。