移住8年の感想
移住して8年経ってしまった。いまだに赤ちゃんみたいなスウェーデン語を話しております。ていうか、ここ1ヶ月くらい、まともなスウェーデン語を話してすらいない(子供の学校が夏休みで、他の保護者との立ち話すらないので)。
8年経ってもいまだにカルチャーショックはあります。そして、住民というよりも「長い海外旅行だな。早くお家にかえりたいな。」という気分。とはいえ、これまでお世話になってきたスウェーデンに、何か恩返しをしたいなという殊勝な気持ちはある。やり方がわからないだけで。
突然だけど、色々書き出してみた。
スウェーデン語の疑問いろいろ
- 近所の人が、娘さんのことを「Bonusdotter(ボーナスドッテル) が〜」と話すのを聞いて、「あ、実の娘さんじゃなくて、義理の娘さんだったんだ。」と知った。その時に思ったのだけど、結婚した人の親、例えば旦那さんの祖父のことは「Bonusfarfar」って呼ぶのかなー?と思った。でも、知り合いのスウェーデン人は、義父のことをSvärfar(義父)っていうから、Svärfarfarなんだよね。義理の娘や息子に対してだけボーナスつけるのか?
- 語学学校で「Varsågod」って言葉を習った時は、その音に爆笑だったし、笑っちゃって言えなかった。カタカナで書くと「バーショグゥー」って感じか。ツボに入ってしまったんだと思う。バーショグゥーって音はなんなん?と。しかし、だんだん適応してきて、今は笑わないでVarsågodが言えます!ま、ドヤることではないんだけど。人は成長するのである。
- これは結構前なんだけど、Fältöverstenの意味を知った時の衝撃よ。Fältöverstenという名前のモールがありまして、そこを歩いている時に何気なく看板をみて、「え?石(sten)の上(över)のフィールド(Fält)、、、?じゃね?」と気づいた私。周囲の人に「わかる!わかるわ!意味がわかったわ!」と伝えたくてたまらなかった。それまでは点々がついた記号というかアルファベットの並びにしか見えなかったのに、世界が一気に色づきましたわ。それ以来、出先で「この地名の意味は、、、」とか考えるのも、いと楽し。
- Chance(チャンス)の発音がファンスなことにいまだに戸惑う。「ファンス、、、」って話しながら「や、ファンスってなんだよ。チャンスだろーよ。」と、心の中で思ってる。
- Sill(シル)とKyll(シル)が聞き分けられない。アイマスクの試供品をもらった時に、「これは使う前にしばらくシルに入れといてね。」と店員さんに言われ、「シル?魚?ニシン?なんで?」と戸惑った。お姉さんに「なんでシル?」って聞いたら、「冷たくすると効果が倍増するからだよ。だからkylskåp(シルスコープ、冷蔵庫)に入れて冷やしてね。」と言われて、「あーーーーーれいぞうこ!」と唸った思い出ぽろぽろ。
- スウェーデン語で好きな言葉は、härifrån(ここから)と därifrån(あそこから)って言葉。音も意味も可愛い。それぞれ、「ハーリフロン」と「ダーリフロン」、音が可愛くないか?あと、ドラマで夫婦喧嘩して、激おこ旦那さんが「Gå härifrån!」って妻にいうセリフとか「かっわいー」って思う。「Gå」だけで意味通じるのに、わざわざ「ここからどっか行け!」って言うわけで、面白い表現だなと思う。
嫌いなスウェーデン語
- 嫌いなスウェーデン語はぶっちぎりで「Tyvärr」ですよね。残念だけど、みたいな場面で登場する。全然悪いと思ってない店員の発する「Tyvärr」だ。例えば、在庫確認に行ってサイズが見つからなかった店員が売り場に戻ってきて、「そのサイズなかったわ、Tyvärr」って言うあの感じ。ちなみに、心から謝ってくれるのはKappahlの店員さんで、全く悪いと思ってない風なのがH&Mの店員。
スウェーデンの保護者
結構前、春の話なんだけど。そして、スウェーデンの保護者っていうか、たった1人の保護者なんだけど。保護者会で、「学校のランチがまずくてうちの子は食べられないって言って毎日ランチを持参してるけど、そんなのおかしい。もっと美味しいランチを作れないの?」と、学校側に文句を言い出してびっくりした。や、そもそもスウェーデンに美味しいものってなんかありましたっけ?と、そのお母さんに聞かなかった自分の理性を誉めたい。ていうか、スウェーデン人がまずい!っていうランチは、どれほどの不味さなのか興味を持った。
帰宅して子供たちにランチはどうなのか聞いたら、ちびたんは「え?ランチ?まずいよ(それが何か?)」という反応で、ブーブーさんは、「ケバブやパッタイも出るけど、ママとお店で食べるパッタイと全然違うのぉ。なんか違うし美味しくない。」とのことでした。ちびたん情報によると、ランチはビーガンやベジタリアンにも対応しているらしい。
かぶれたくない私
スウェーデンというか英語では、アパートのことをアパートメントと言うのだけど、日本に帰った時とか日本人と話す時は、アパートという。でも、日本人で常に「アパートメントがぁ。」という人がいるので、そういう風にはなりたくないと思う。日本ではアパートでいいんですよ。アパートメントじゃない。あと、英語圏にちょっと住んだ人が、ベビーカーをストローラーって言い出すのもなんかやだ、日本ではベビーカーって言葉が市民権を得ているのだから。
普通電車が平等
スウェーデンでもストックホルムからヨーテボリとかの長距離列車は、一等車と二等車があるけど、乗車15分とかの近距離列車は席の優劣ないよね、って最近気がついた。スイスは短い距離でも一等車と二等車に分かれていたから。
スウェーデンの不思議文化
不動産屋の広告に、個人の営業マンの写真がバーン!と出てくるのが不思議。そしてその営業マンorウーマンは、なぜかみんなスーツを着て腕組みしていますわ。なんで営業マンの写真をドヤ顔で出すのだろうか?個人に客がつくのだろうか?不思議だ。完全歩合制なんですかね?
スウェーデンの羨ましいところ
スウェーデン女子は、狂おしいほどニット帽が似合う。なんなん?ニット帽女子が可愛すぎるんですけど。で、私も真似してニット帽被ると、なんだか昭和。なんか違う。東北で寒さ堪えて雪かきをしている女中さん、みたいなことになる。ほっぺがバーン!と主張しているからだろうか?
雑なスウェーデンに乾杯
粉物が中袋なしで箱にバーンと入って売られています。例えばココアやコーンスターチ。箱を開けたら、いきなりココアがバーン!
だから、箱に小さい傷があると、買い物帰りにエコバックの中が粉で真っ白になることがある。予防措置として、粉物を買うときは、外箱の傷みチェックが欠かせない昨今。
スウェーデンで変わった私
5月か6月頃、気温が20度前後になったら必死に夏服を着るようになった。18℃とか肌寒い時でも必死に夏のワンピースを着る。無理してでも着る。
次、いつ気温がもっと下がって、着れなくなるかもしれないと思うと必死。だって、夏服20着以上あるから、ボーッとしてると、全部着ないうちに夏が終わってしまう。
スウェーデン在住の日本人
具体的な国は書かないけど、某国からスウェーデンに来たばかりの日本人って変な人多い。プライドが高いし、上下関係はっきりさせようとするからびっくりする。しかも、言葉は丁寧なのに隠しきれない差別意識が見え隠れして怖い。階級社会から来たからかなー。早くスウェーデンの適当な感じに染まってほしい。それに対して、スウェーデンに長く住んでいる日本人は、ぬぉーっとして半笑いで色々受け流す感じなので好き(誉めてます)。
企業の問い合わせ
Telia(通信会社)に問い合わせの電話をかけたら、「ちょっと調べるね!」と言って静かになった。日本と違って保留音がないから超心配だった。電話の向こうで同僚と話している声も聞こえちゃってもいいらしい。
スウェーデンへの不満
- メニューに写真を載せていないレストランが多くて嫌。文章じゃなくて視覚で説明してほしいの。だから写真がほしいの。
オタク君に言ったら、「テキストできっちり説明を読みたいですね。写真じゃ細部がわかりません。」とか言う。嗚呼わかりあえない。
- 子供が食べ物を残すことを咎めない教師達が嫌。なんなら先生もすごい残しているらしい。故に、日本にいた時は、なんでも食べていた子供達が「嫌いなものは食べなくていーの!」ってバンバン残すようになっちゃって最&悪。
スウェーデンの学校は、もう少し食べ物へのリスペクトを教えてほしい。
スウェーデンの好きなところ
- 食洗機が大きいのがいい。日本で使っていた食洗機の3倍位の容量がある。だから、クリームや生地でベトベトになるボールや泡立て器が発生しても、躊躇いもなくお菓子作りができる。
- 保育園にすぐ入れた。
- 子供達の学校の宿題が少ない。故に遊び放題。
- 休みが多いのは子供にはいいかな。その間の親は超大変だけど。
- 怒鳴る先生がいない。
- 学校の先生がいつも機嫌がいいので、子供達がのびのび。
- やりたくないことは強制されないので、子供達はのびのびと拒否(親は発狂)ていうか、ちびたんは修学旅行さえ「行きたくない」と、1週間前に拒否したけど、咎められなかった。
- できないことをダメ出しするよりは、ちょっとでも出来たら「素晴らしい!」と誉めてくれる先生達。私もそんな環境で育ちたかった。昭和育ちで、怖い先生がいっぱいいたので。
- 人が少ない。
- 街並みが綺麗。
- 自然が多い。
- 空気が綺麗。