シュルレアリスム風絵画:裸体と風景

 

研修でお会いした方から、ご質問をいただきました。

「経営者の仕事?役割りって何でしょうか」と。

 

とっさの質問に答えることは難しいですね。

しかし、たまたま、こんな言葉が飛び出しました。


「経営者の仕事とは、

みんなが同じ方向を向いて走れる『意味』をつくること
ではないでしょうか…」と。

 

組織を構成する社員一人ひとりには、それぞれ目的があります。
 給料をもらいたい… 成長したい… 家族を幸せにしたい…
 専門性を高めたい… お客様に喜ばれたい…
これらは「個人の目的」です。

ですから、会社としては、
「私たちは、何のために一緒に仕事をしているのか?」
という共通目的が必要になります。
これが「組織を越えた共通の目的」です。

つまり経営戦略とは、単なる「売上をどう増やすか」

「どの商品を売るか」という話ではなく、

「私たちは、何を目指して、なぜ一緒に働くのか」
を決めることから始まるものだと、山下事務所は理解しています。

ゆえに「パーパス」「MVV」などが出てくるのでしょう。
これは、経営戦略を因数分解したものです。

「パーパス」= 私たちは、何のために存在するのか
「ミッション」= 何をする会社なのか
「ビジョン」= どこへ行きたいのか
「バリュー」= そのために、どういう価値観で行動するのか
「企業戦略」= 会社全体として、どう進むのか
「事業戦略」= それぞれの事業で、どう勝つのか

一見すると、ずいぶん複雑です。
しかし、根っこは、おそらく総て同じです。

「私たちは何者で、どこへ向かい、どうやってそこへ行くのか…」
これを、いろいろな角度から言葉にしているだけです。

そう言い切ってよいでしょう。

そして「経営者の仕事」は、ここから始まります。
戦略は「作って終わり」ではない!ということです。

「わが社のパーパスはこれです」「MVVはこれです」
と額縁の中に掲げても、社員の心には入りません。

経営者自身が、

「なぜ、私たちはこの仕事をするのか」を何度も語る。

そして社員一人ひとりが、
「ああ、自分の仕事は会社のこの目的につながっているんだ」
と理解する。

すると、仕事が「やらされるもの」から

「自分が意味を感じてやるもの」に変わっていく…
経営の世界では、これを「エンゲージメント」と呼びます。

共通の目的ができると、社員同士も話しやすくなります。
たとえば、「この仕事、どうしましょう?」
という会話だけだったものが、
「お客様のためを考えたら、こうしたほうがいいんじゃない?」
という会話に変わる。そろそろクラウドにしないとまずいよ!と。
「そうですよね…」となる。

 

つまり、
共通の目的が、社員同士をつなぐ「共通言語」になるのです。
この在り方が、組織を強くします。

ということで、

「経営者とは、会社の『意味』をつくる人、掘り下げる人」
と言ってもいいでしょう。

社長が、「売上を1億円にするぞ!」と言うだけでは、

社員に魂は宿りません。しかし、
「私たちは、このお客様の人生をこう変える会社なんだ」

と言われれば、社員は、自分の仕事の意味を考え始めるでしょう。

だから経営者は、
 目的をつくる → 言葉にする → 繰り返し伝える 

→ 社員の仕事と結びつける → 社員同士が語り合う
というルーティンを生み出さなければならないのです。

山下事務所では、「利他に徹する経営」を探究しています。
たとえば「お客様の繁栄に貢献する」という目的を、

職員同士が、共有したとします。

すると職員は、単に「記帳する」「申告書を作る」だけではなく、
「この仕事は、お客様の繁栄にどうつながるのか?」
と考えるようになります。

さらに、「私はこう考えました」
「それなら、こうしたほうがお客様のためでは?」
という会話が職員同士で始まる…。
これが、「理念が組織を動かし始める」瞬間です。

理屈ではない。日々の実践の中から、

試行錯誤して掘り下げられていく、経営者の仕事。
 

これが、中小企業の「経営戦略」その核心だと捉えています。

 

すべては中小企業の「存続と成長と発展」のため!

いつもお読みいただきありがとうございます。