会計は「挑戦したい人」を助けるために生まれた
会計というと、どうしても
「守り」「ルール」「細かい数字」…
そんな堅いイメージを持たれがちです。
けれど、少し歴史をひもとくと、まったく違う姿が見えてきます。
個人的に勝手に尊敬している田中靖浩さんの記事を読み解いてみましょう。
『戦略経営者』2025年12月号 3頁より
会計は、蒸気機関車から始まった
――減価償却と会計士誕生の物語(要約)
19世紀の英国。
画家ターナーが描いた疾走する蒸気機関車は、産業革命の象徴でした。しかしその裏で、鉄道会社の経営者たちは深刻な悩みを抱えていました。「巨額の初期投資をどうやって調達するか」という問題です。
船と違い、鉄道は線路・駅・車両・土地すべてを自前で用意しなければなりません。
結果、開業当初は赤字続きで、誰も株主になってくれませんでした。
この壁を突破するため、鉄道会社が生み出した“発明”こそが、減価償却でした。
減価償却とは、巨額の支出を一度に費用化せず、複数年に分けて計上する仕組みです。これにより、現金はなくても「帳簿上の利益」を生み、配当を出すことが可能になりました。
ここから会計は単なる「お金の出入り(収入−支出)」ではなく、「利益を計算する技術(収益−費用)」へと劇的に進化します。
しかし、この進化は新たな問題を生みました。
会計は一気に複雑化し、黒字なのに倒産する「黒字倒産」すら起こるようになったのです。
そこで登場したのが、会計の専門家=会計士でした。こうして英国で世界初の会計士が誕生します。
19世紀前半に活躍したイギリスの巨匠ターナーの絵には、蒸気機関車の前を必死に逃げる野うさぎが描かれています。
それは、機械のスピードに追われる未来の人間の姿――
ひいては、忙しさと複雑な数字に向き合う会計人の未来を暗示していたのかもしれません。
一言で言うと
鉄道会社の資金調達の苦悩が「減価償却」を生み、それが利益計算と会計士という職業を誕生させた――会計は産業革命の副産物である、という物語です。
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会計の歴史は面白いですね。2年前の経営革新セミナーでも、
この角度のテーマでお話ししました。会計があったから経済は発展し、
産業革命が起こったから会計は劇的に進化したのです。
寄せては返す波のように、経済と会計は相互に発展していきました。
資本主義が進めば進むほど、扱うお金の単位は人知を超えて大きくなります。
今の投資判断、経営判断が正しいのか。将来的に合っているのか。
会計というモノサシがなければ図ることもできなければ判断することもできません。
経済という煩悩は、会計という菩提によって発展を確実なものにしてきました。
ここら辺のドラマ。会計人が経営者に大感動でお伝えすべき指導の急所です。
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■ここからは、経営者のみなさんへ
19世紀の英国。
蒸気機関車が世界を変えようとしていた時代、
鉄道会社の経営者たちは頭を抱えていました。
線路、駅、車両――すべてを自前で整えるため、最初はどうしても赤字になる。
「この事業、面白いのは分かる。でも赤字では出資できない」
そう言われ続けたのです。そこで生まれたのが、減価償却でした。
支出を一気に負担せず、時間に分けて考える。
すると、挑戦の途中でも「利益」という形を示せるようになる。
会計は、挑戦を止めるためではなく、挑戦を続けるための工夫だったのです。
その結果、会計は複雑になり、専門家――会計士という仕事も生まれました。
しかし、すべての始まりは、「やってみたい」という事業家の思いでした。
会計は、過去を締めるための道具ではありません。
本来は、未来に向かってアクセルを踏む人を支える存在です。
数字に向き合う時間は、ときに苦しく感じるかもしれません。
それでも私たちは、数字の奥にある
『挑戦を続けたい経営者の意志』を忘れてはいけないのだと思います。
心の奥底に眠る挑戦する勇気。そこを呼び覚ましましょう。
そうすると、守りが固まらなければ攻めはできないことが見えてきます。
山下明宏税理士事務所は、そんな経営者に伴走します。
すべては中小企業の「存続と成長と発展」のため!
いつもお読みいただきありがとうございます。
