暑い一日でした。立っているだけで汗が流れ落ちる。
その炎天下と湿気充満の中、新規のお客さま先を訪問しました。
ご夫婦揃って高給取り。欲のないお二人は、コツコツ働くのが楽しみ。
特に趣味もなく、旅行へも行かず、グルメでもなく…
ということで40代に入ったばかりですが、
すでに〇千万円ほどの預貯金を保有しています。
当然、金融機関からは、もったいないと営業をかけられます。
そこで、だんだん、その気になって来て、運用を始めたというところでした。
「お勧めする人たちが、あなたの財産を減らす人」
この法則は、なかなか世間に広まりません。金融機関は信頼できる。
このような神話が、今も脈々と生きているのが日本社会です。
大蔵省が消えて23年にもなるというのに、日本人は親方日の丸が大好きです。
お勧めする人たちを悪く言う気はありませんが、
投資をする方は10年後、20年後、30年後の資産形成を楽しみにしています。
お勧めする人たちは、その時間を一緒に過ごしてくれません。
どなたも入口を作ってくれるだけです。
得意なセリフは「あとはお客さまの責任です。」この一言です。
手数料が成績になる人たちは、こちらの入口こそがゴールなのです。
そこのところを分かった上で、お付き合いしてあげないといけません。
投資をする人たちは、財産が増えるとしか思っていません。
「リスクがありますよ!」と何度お伝えしても、自分事ではないと思います。
これが人情。ですから、みなさん投資に向かってしまうわけですね。
ゼロサムゲームですから、残念ながら負けてしまう人がでます。
そのとき、怒り狂ってしまう人がいることも確かです。担当者に噛みつく。
会社に苦情をいう。周囲を巻き込む。どれも不毛なエネルギーなのですが、
お気持ちはよくわかります。こうした光景を何度も拝見してきました。
ですからお勧めする人たちは、直ぐに異動していきます。
そしてもう一つ、誰かが得をした分、誰かが同時に損をする。
これが投資の本質であることを、覚えておいていただきたいです。
ですから、決して風潮に乗ってはいけないのです。
心優しい市井の人々が、ゆめゆめ分け入ってはいけない世界だと、
個人的には思います。
元来このご夫婦は、
通帳にお金が貯まっていくことに違和感をもっていませんでした。
しかし執拗な勧誘で、自分たちのことをおかしいと思うようになってしまいます。
こうやって健気な人たちの無垢の財産が食い破られていく。
自然界のようなサバイバルが、お金の世界に群がる人たちの生き様です。
投資をしてしまったことは仕方ありません。勉強がはじまったのです。
ですから一言添えました。
「何もしていなかったのではありませんよ。預金をしていたのですよ」と。
その心は、増えもしないが、絶対に減らない投資をしていたということですね。
そうしたら、「目から鱗です!」「そうかそういう考え方があったのか!」
そんな風に喜んでいただけました。そして一呼吸おいて、
「でも、なぜ銀行はそういう話をしないのかな…」と、つぶやくように仰いました。
そこがポイントですね。とても大事な気づきです。
これまでご自身で、確定申告をしていたそうです。10年分拝見しました。
一生懸命、考えて申告してきたそうですが、
得しているのか損しているのかわからず、不安が募るようになったそうです。
それだけ守るもの、財産ができたということですね。
直接には、金融商品を扱わない助言者が、いかに資産家に必要か。
そのことを充分ご理解いただいた出会いとなりました。
すべては中小企業の「存続と成長と発展」のため!
いつもお読みいただきありがとうございます。