最先端の学識を、現代社会の諸問題を、ビジネスに必要な教養を、
この1冊で知る 学ぶ 身につける との見出し。
分母は5,000冊。そこから厳選された100冊です。つい惹かれます。
「現代の日本社会では、
多彩な分野の専門家がコンパクトに仕上げた『新書』こそが、
最も厳選されたコンテンツといえる。」(はじめに)
これが著者が説く、新書の醍醐味です。
高校時代、「一日一冊の新書を読め」と指導されたことを思い出しました。
当時の新書といえば岩波新書。高校生には難解なものばかりでした。
当然、一日一冊なんて読めはずがないのですが、
中には本当に読んでいく人もいたのです。そうした純粋性に溢れた生徒は、
還暦のいま、それぞれの分野で第一人者になっています。
ああ、若い頃の勉強は、時間とともにこのように実るものなのだなと、
しみじみ感じるこのごろです。
この一冊、実は、子どもが先輩に進められたものです。
書評対象とする新書の選択基準が記されています。
「まず著者がその分野で信頼に値する専門家である」こと。(同)
「次に新書を熟読して、
⑴ 記述に誤りはないか
⑵ 文章の公正は論理的か
⑶ 先行・関連研究との比較は十分か
⑷ 議論に主観的な偏りはないか
⑸ 新規の内容の提示はあるか
⑹ 客観的な評価を下しているか
⑺ オリジナルな発想は含まれているか
⑻ 幅広い読者を想定したわかりやすい表現か
⑼ 全体像としての論旨は明確か」
これらの要件を突破した5,000冊分の100冊。
100冊の内容もさることながら、文章の書く視点を教えてくれる1冊です。
また著書が選択にあたり、「何よりも重視した」のは、
『その著者だけにしか書けない新書か』というポイント」かということ。
これは大事ですね。親しい編集者が「新書だよ、新書だよ…」と、
繰り返し話してくれる意味が、ここに凝縮されている気がします。
そして新書の取り扱い方。生活空間のどこに置いておくべきか…
そこまで指南してくれています。まったくその通り!手を叩いてしまいました。
しかし、特におもしろいのは、各新書を紹介するまとめに、
「本書でもっとも驚かされたのは、」と、
著者の視点を学べるところです。レポートの書き方のテキストにもなります。
ということで、この本は、
これから教養を身につける学生さんにはもちろん、
読書をする時間が無い方、特にお忙し経営者の頭の整理にお勧めです。
すべては中小企業の「存続と成長と発展」のため!
いつもお読みいただきありがとうございます。