酒は嗜好品。何が美味くて、何が美味くないか。

そこにいくらでも解説はつけられますが、正解はありません。

飲んだ人が飲んだままに感じた美味さこそが、その人の正解です。

世の中で、俺の正解を通しながら、

世間と調和し、経済的にも成功してしまう人は稀です。

基本的に、世の中は意地を通せるようにはできていません。

しかし、竿を指せば流されます。世の中大可方がこの二方です。

ゆえに漱石は「兎角この世は住みにくい」と、表現したのです。

 

素晴らしいのは、住みにくいと割り切って厭世的に生きたのではなく、

読者に希望を贈り続けたことです。

そうした意味で、漱石は、やはり偉人です。または達人でもありましょう。

 

今回ふと立ち寄った店に、私がこよなく愛する酒がありました。

店の人に伺うと、何と、この酒の大のファン。

この酒を楽しんでもらうために店を開けたといいました。

そんな人がいるのだなと、独りで感動しました。

黙っていても心が通う店。そんな店を、生涯に何店持てるか。

これは、確かに人生を豊かにする秘訣でしょうね。

 

今週もお読みいただきありがとうございました。