「『男の働くべき所はここなり、一かせぎ』と言ふにぞ力を得て、(略)
毎日これより仕出して、十年たたぬうちに五千両の分限に刺され、
一人の才覚者と言はれ、新六が指図をうけて、所の人の宝とは成りける。」
― 井原西鶴 ― その8 『日本永代蔵』巻二(三)
「『男が働いてみるところはここですよ。ひと稼ぎしてみなさい』というのに力を得て、(略)
それから毎日工夫を重ね、十年もたたはいうちに五千両の金持ちと、
世間から評価されて、その土地で第一番の知恵者といわれ、
土地の人の宝いわれるような存在となった。」
分限を誕生させなければならない理由がここにある。
先ず、本人が今世で蘇生することが、何よりめでたい。
しかしその蘇生の源は、土地の人の励ましであったところが意義深い。
毎日一心不乱に努力を重ねれば、無一物が分限に変わるのである。
もとは励ました人々が、成功した姿に敬意を表し、
今度はこの地域で一番の知恵者だと言って、その人を尊敬し、宝としてあがめていく。
人々の心根はよく、地域も栄える。
これこそ会計人が創造し、作り出さなければならない世界ではなかろうか。
― 経営マインド61 ―
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