『テキトー税理士が会社を潰す』を手渡したそうだ。
読後、息子は私に合わせてくれと父に懇願したという。
父とは私の学友である。
学友からの突然にして久しぶりの電話を受け、
懐かしく驚きながらも子息との対面をよろこんで引き受けた。
若い命は素晴らしい。
銀杏の幹や枝のように天に向かって真っすぐである。
「世の中、金や、銭や」というが、
この青年の心にはそんな打算は微塵もなかった。
生きる意味は
自身の名誉でも地位でも財産のためでもない。
では
何のために学ぶのか、何のために働くのか、
学生時代はいかに過ごすべきか。
どんな本を読んでおくべきか。
そうした角度の質問が、矢継ぎ早にやってきた。
根のよい、実に愉快な語らいのひと時を過ごさせてもらった。
無論再会も約束した。
ほぼ月に1度、私は彼の学び舎に出向く機会がある。
これを縁というのだろう。
子息の紅潮した頬に、四半世紀以上前の学友を重ねながら
語らった週末だった。
