「鳥取に柳樹文様辻が花染小袖裂」
お休みいただいている機会を生かす。
その①美術三昧。
総合商社・丸紅のルーツは、江戸時代末期に創業した呉服商だそうです。
その長い歴史(創業150周年)を祝うコレクション展が、
東郷青児美術館で開かれていました。
呉服の商品開発のために集められた衣裳が展示されるので、
近世の染織技術や流行をたどることのできるよい機会だと思い足を向けました。
丸紅呉服店?は、昭和初期にきもののデザインを
そうそうたる美術家たちに依頼したことから、
彼らとの接点が生まれ、後に洋画の売買を手がけていきます。
そうして収集された西洋絵画は、ゲインズバラ、コロー、クールベ、
印象派、エコール・ド・パリからビュッフェまで、整理よくそろえられていました。
1970年代の日本人がどんな絵画を嗜好していたのかが、伺い知れる
楽しい展覧会でした。
目玉は《美しきシモネッタ》
これは日本にある唯一のボッティチェリの作品だそうです。
株主さんに招待券が配られていたらしく、
冬休みということもあり、多くの家族連れで賑わっていました。
しかし今回の私の目当ては洋画ではありません。
見たかったのはこれ。
鳥取に柳門料小袖(復元1999年)
染分練貫地・辻が花染
着物の一部が残っていて、それを、当時のままに復元した一品です。
http://www.marubeni.co.jp/gallery/kimono/index.html
(リンク先の一番下右です)
この着物は、淀殿こと茶々が羽織ったものとされています。
桃山時代へのロマンは、
残された生地と同じ糸を吐く蚕を育てるところからはじまりました。
白地が薄茶に黄ばみ柄の部分はほとんど灰と黒にしか見えない状態から
どうやって色を探し当てるのでしょう。
また着物の継ぎ目は、模様ごとに糸を変えて縫われていました。
当時の日本人の美意識の高さを存分に味わえます。
この大作は、3年の歳月をかけて完成されたそうです。
まさに、江戸から続く呉服商ならではの心意気を感じました。