紺ブレ200号!

静岡市の食品総合商社「東海澱粉(でんぷん)」のウナギ産地偽装事件で、不正競争防止法違反(産地誤認惹起(じゃっき))の罪に問われた同社と2人の元大隅営業所長の初公判が4日、鹿児島地裁(平島正道裁判官)であり、3者とも起訴事実を認めた。2人は「国産は色や形で分かる」周りもやっている」などと証言、偽装問題の根深さをうかがわせた。検察側は2人に懲役2年、同社に罰金1000万円を求刑し、結審した。  毎日新聞 200895日 地方版

赤字の記事が印象的です。しかし、根深いといっても今の国民のモラルが低いということではないんですよね。歴史的に根深いのです。以下に確認してみましょう。

不正競争防止法の歴史と経緯

明治時代から、相手の商品を模倣したり、著名な商品名にただ乗りするなどの形で、不正競業と呼ばれる行為は広く行われており、そのために市場における営業上の権利(商号、商標など)に係る法律が制定されたが、権利を有していない場合などにおける救済措置は、ほとんど認められていなかった。特に、不正な行為や不法行為(民法709条)の適用の要件については、大正時代初期においては、きわめて限定的であり、弾力的な運用はなされてこなかった。

しかしながら、「大学湯事件」損害賠償請求事件(大正14()625)大審院大正141128日第三民事部判決において「湯屋業ノ老舗其ノモノ若ハ之ヲ賣却スルコトニ依リテ得ヘキ利益ハ民法第七百九條ニ所謂權利ニ該當スルモノトス」とする判示によって、この不法行為の要件が「権利の侵害」からその「違法性」へと変更され、不法行為により侵害される権利を広範に認めるという要件が成立するようになった。

また、昭和2年の大恐慌の後、昭和7年の上海事変の勃発等による軍需景気によって、国の経済は再び景気を取り戻しつつあったが、昭和初期における日本は、依然として低賃金で工業製品を大量に製造し、廉価で輸出するという形の工業国であったため、粗悪品や模倣品、商品の偽造といった様々な不公正貿易行為が対外的に強い批判にさらされていた。戦前の通商政策においては、日本が市場における不正な競業行為を否定することを積極的に対外的に訴えることで、外交上の批判をかわす必要があった。

以上をふまえ、昭和9年に「工業所有権の保護に関するパリ条約ヘーグ改正条約」を批准する機会にあたり、旧不正競争防止法(昭和9年法律第14号)が制定された。


フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋


というわけで、大昔からある問題だったのですね。(続く・・・)