上半身裸で毛髪どころか眉毛までをも剃り落とした筋肉質の巨漢・鉄(くろがね)は、横座りの姿勢のジャンヌから一切視線を外すことなく、自分の拳を『バキバキ』と音が鳴るくらいに鳴らしながら
『かしら わいに権(ごん)のかたきをうたせてくれ‼︎』
と、最初にジャンヌの剣によって落命した権の仇討ちを死臭丸に志願します。
それに対して、死臭丸は
『いいだろう フフフ…ただし……手かげんはするんじゃねえぞ‼︎
泣こうがわめこうが血ヘドをはこうがゆるすんじゃね〜‼︎
そいつのすまし面をてってい的にブチのめせ‼︎ゲヒヒヒヒ‼︎』
とにサディスティックに応えます。
鉄の仇討ち志願に対し、死臭丸はそれを容認し、徹底的にブチのめすよう指示します。しかも、ジャンヌは泣きわめき、血ヘドを吐いて悶絶することを想定しているのです。そして死臭丸はここまでのジャンヌの立ち振る舞いを見て、ジャンヌがすまし面をしていると捉え、それが気に食わないのです。
ただでさえ気位が高く、信仰心の厚い神のしもべたるジャンヌをとことん追い込んで、女の子座りをさせた嗜虐心が、ここではさらにエスカレートし、今度は泣きわめかせたいと望んでいるのです。しかも、その場面を自らが手を下すのではなく、鉄という腕力だけが取り柄の巨漢に任せて、自分はそれを見世物として楽しみたいという歪んだ欲望の持ち主なのです。
ジャンヌに直接手を下そうと、涎(よだれ)を垂らしながら拳をバキバキと鳴らす鉄も、それに応じて叩き潰せ!と指示を出す死臭丸も、その本性は典型的なサディストと言って過言ではないでしょう。
