大学入学共通テスト」(新テスト)について、みんなで考えてみよう! | ビーパル塾物語

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皆さんこんにちは。西舞鶴教室の外浦です。

 

2020年度(21年1月)から実施される「大学入学共通テスト」(いわゆる新テスト)の英語科目で、民間試験の成績を入試に利用する新たな仕組みが正式に延期が決定されました。

私の個人的な考えでは、英語の民間試験導入にはいろいろと問題が多いと考えていましたので、ひとまず延期となったことは歓迎です。私は英語の試験の能力を民間の検定によって判断する方法自体は間違っていないと思います。しかし、各種報道等でも述べられている通り、選べる検定の種類や数をはじめとして、経済的・地理的な不公平は以前から大きな問題として指摘されていましたし、私も同意見でした。
さらに言えば、高校の英語教育そのものが(中学での英語学習カリキュラムも含めて)「読む」「聴く」「話す」「書く」の「4技能」を向上させられるようなカリキュラムや体制になっていないことこそが大問題であり、全国すべての高等学校・中学校あるいは小学校までの英語教育全体を見直さなければ、英語の新制度の導入は混乱を受験生と教育現場に大混乱を招くだけと考えています。
大学入試としての英語科目については、もっともっと話したいことがあるのですが、それはまた別の機会に取っておこうと思います。

ところで今日は、今回の大学入学共通テストの騒ぎで様々な報道などをチェックしてきた中で知ることになった、「大学入学共通テストから学生を守る会」という東京都の高校2年生の数名が始めた活動を皆さんに紹介します。
こちらのニュース記事にある通り、問題の多い新テストについて高校生たちは「仲間内で文句を言っていても変わらない」とSNSなどを通じて署名活動を開始してわずか2週間足らずで4万人を超える署名を集めました。タイミングを見る限り、彼らの署名活動が直接今回の英語の新制度導入延期につながったわけではないようですが、国語と数学の記述式問題についても様々な問題点を指摘し、中止に賛同する署名を文科省に提出したそうです。
彼らが感じている新テストの課題・問題点はこちらのWEBページ音声データでも確認できますが、その言わんとしていることは非常に的確かつ説得力を持っています。
何より、実際に新テストを初めて受験する現役高校2年生たちが当事者として「NO」という意思を突きつけてことは非常に注目されます。私のような教育関連の会社で禄を食む者が物申すよりも、当事者の受験生たちの声が何よりも広く深く刺さるはずだからです。
 

勿論、この記事を読まれている方で、「新テストの何が悪いのか」「私は新テストで受験したい」という新テスト導入に賛成の考えを持つ方もいらっしゃるでしょう。当然ながらそういう方たちも交えた当事者同士の議論はあって然るべきです。大事なことは、これまでの大学入試というのは常に当事者が置き去りにされて、教育行政や教育機関の関係者が一方的に決定してきました。(そうではないという方がいらっしゃったら、ご指摘・ご指導ください)
 

受験生は、大学入試の結果が自身の人生を大きく左右する当事者中の当事者です。このブログを読まれた高2・高1生の皆さん、さらには将来の受験生である中学生の皆さんで、新テストについて少しでも自分の考えを持っている高校生であれば、まずは手始めに署名を「する」「しない」を判断してみてはどうでしょうか。
そこから発展して、さらに自分たちにとって公平・公正な入試制度はどんなものなのかを考えていく中で、自分たちの意見や考えを出し合っていけば、もっと良い事となるでしょう。
新テストがこの先どのような制度に変わるにせよ、受験生たちの意見や考えが少しでも反映された内容になってもらいたいと私は願います。