今から何十年も昔のこと、
近所でも有名なガリ勉君がいました。
その名の通り、ガリ勉君はいてもたってもとにかく勉強、
勉強の毎日であった。
朝起きてお母さんが朝食の用意をしている間も教科書を読み、
学校まで歩いて行く30分程度の時間も教科書を読みながら歩く。
朝から深夜までガリ勉君はとにかく勉強勉強の連続で、
勉強をするためにガリ勉君は生まれて来たようなものだ。
何もそこまでして勉強しなくてもいいと思うのだが、
ガリ勉君は勉強していないと生きている気がしないというのだから
変わり者としか言いようがない。
ガリ勉君の1日の生活ぶりを紹介しよう。
学校ではもちろんきちんと授業を受けて、
休憩時間や給食の時間、極端にいえばトイレで小用をしながらも
単語の暗記などしている。家に帰って自宅のトイレに座っている時も、
教科書や参考書を離さない。
ガリ勉君は将来、いったい何になりたいのか。
ガリ勉君は友達もいないようで、
というよりは勉強そのものがガリ勉君の友達なのかも
しれない。
ガリ勉君が勉強をしていない時間帯と言えば、
体育の時間くらいだ(体育も勉強ですが)。
体育の時間はさすがガリ勉君も勉強から離れざるを得ない。
なぜならサッカーやバスケットをやる時に教科書を片手に持って
プレーするわけにはいきませんからね。
あれから何十年も経って、今、
ガリ勉君はどんな大人になったのか?
実は高校受験に失敗し、
大学も志望の学校よりはるか偏差値が低く、
地元の中堅企業に就職したは良いが、
人間関係がうまく行かずすぐ退職した。
現在は地元中小企業の工員であるらしい。
子供が2人いるが、
2人の子供たちは全く勉強しないらしく、
ガリ勉君も親としてわが子を心配していたとか。