三田という街はほとんど住宅地、タワーサイドの赤羽橋から南サイドの白金までを言う、商店などは少なく東に隣接する芝が繁華の役目を囲っている。
商店と言っても飲み屋ばかりで、様相は昭和タイムスリップの飲み屋街・・・5時を過ぎると働き蜂が疲れの御褒美求めやって来る。
大会社のメルティングポットが慶応仲通り、三田慶應の裾野だが塾生は少なく・・・サラリーマンとOLの酔のメッカ。
その一軒が晩杯屋、青唐蛍烏賊が気にいって・・・サントリー大瓶で始まり。

老成と若さの不思議な混淆、これを貫くのは豊かな詩精神。飄々として明るく踉々として暗い。本書は初期の短編より代表作を収める短編集である。
岩屋の中に棲んでいるうちに体が大きくなり、外へ出られなくなった山椒魚の狼狽、かなしみのさまをユーモラスに描く処女作「山椒魚」、大空への旅の誘いを抒情的に描いた「屋根の上のサワン」ほか、「朽助のいる谷間」など12編。
表題の「山椒魚」に似たような話、大会社に勤めたが、辞め時を逸して既に定年間近?愚痴にもならない話で、酔いがやって来ればフラフラと棲家帰りの、可愛い飲兵衛ばかり。
晩杯屋20店中最品性ある店?
結構文学に嵌まった人多し。


