初めての伴野朗、書棚を巡って見つけたものだが、まんざら知らなかった筆者ではなかった・・・いつかがやっとやってきたという感じだ。
黄河学術調査団のメンバーとして中国に渡ったカメラマン笹井には、もうひとつの目的があった。太平洋戦争当時軍属として中国大陸にいたことのある父が、昨年中国再訪の旅に出たまま失踪してしまったのだ。
その謎を解きたい、と笹井は決意していた。その笹井を次々奇怪な事件が襲う。何が父に起きたのか?悠久の大河を舞台の鮮烈ミステリー。
殷墟の発見で世界中がビックリしたが、この小説はさらにその前という謎のままの夏墟の探索・・・4000年前に中国古代王朝、黄河が神河と呼ばれるミステリーに歴史と絡めて面白くできあがている。
黄河に抱かれた夏王朝のミステリー。
川幅10㌔とはものすごい。