新春ちゃんこ鍋 & 料理は芸術だ & 新春の「久呂川」 | KISHO director's blog

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人生のほとんどを広告マンとしての「食」に特化して考えてきた。愛食家として、これからは新しい観点で日本の「食」を考えていきたい。
もう一つ、人生とクラブライフ「ゴルフ」だ、太平洋クラブと富士カントリークラブの日常、箱根御殿場ライフを綴る。


去年の年末に続き新春の「久呂川」、その間におせち料理までお願いしていたので、時間が空いたという感じがしない・・・・新春はお料理を頂くというよりも、久呂川好きの顔合わせになる。

久呂川流の熱燗箱に入った福井の酒「黒龍」を一本で通す、好みの形の盃を選ぶのだが・・・・私はぐい飲み型よりも盃型が好み。








本日のお料理は味を楽しむこともさることながら、器と作りのアート性をお楽しみください・・・・上の料理は鶴に見立てての鯛の造り、羽根の一辺づつに金箔をのせて新春の華やかさを競います。

見る料理を楽しみながら福井の銘酒「黒龍」・・・・御殿場の外の冷えた空気などどこ吹く風、燗酒の美味しさに誰もが恵比寿顔。

今年は名八寸から一人八寸に・・・・クレセントを感じさせるような半月、灯光器から流れる彩の光が遊んでいる様にも感じます。

そして八寸以降は鍋に・・・・何鍋にするかは数日前から工夫しての味噌味風味、色々な海産物が載っていますが私の好みで「ちゃんこ鍋」に・・・・。

御大自らが付きっきりでの鍋奉行を司ってくれました・・・・熱燗には鍋、これで新春から冬の乗りきりには万全。

静岡県伊豆長岡界隈の風習の「繭たま」飾って新春の祝いが済めばお料理に、チョッと甘い砂糖醤油で頂きました。

素朴な民衆信仰から出てきた一品なのでしょう、どこかの地方や村で見かける独特の風習です。

鍋が終われば味噌仕立てのスープにご飯を入れて雑炊に・・・・されど味を調えるためにもう一度厨房に、味の御色直しとなる。

ここ最近は店も繁盛で忙しいのに御大自らが付き切りの一日だった、お弟子さんたちが成長してきたのか、余裕の会話を聞きながら楽しませてくれた・・・・新春の料理は理屈はいらない、器と飾りで楽しむのが結構ですね。


だとしてもそれなりの拘りと遊びも満載、久呂川流「ちゃんこ鍋」に面白さと芸が隠されていました・・・・鍋の具材の左の端の上下に眺められる白いもの二種、上部がタラの白子で下部が河豚の白子なんです。


何処のフグ料理屋へ行っても、90%の店は河豚鍋を食べながら出てくるのはタラの白子、頂いている人の殆んどが美味しいと言いながらタラの白子を食べさせられている・・・・ツルーツルーと舌先をゼリーのように転げながら、口中に吸い込まれる美味しさは河豚白子こそ絶品で極上なのです。


鶴の金箔造りに料理の芸術性を見た。

ツルーンと美味の河豚白子・・・・皺などありません。