浅田次郎の名調子を読み終えたという気持ちです・・・・単行本の上下の二冊はさすがに重たかったともいえる。読むなら文庫という気持ちも同時に起きてきた、されど文庫が出るまでにはしばし時間もかかりそう。
と言うわけで一路の参勤交代は無地に事が起きながら終えることができた・・・・夫々の立場での事件もさることながら、お勤めの意味も分からぬままの参勤交代のお供役頭、読み手としても安心をした次第なのだ。
色々な書物があるが、読み手を誘い込むほどの不安感も筆者の書き風なのだろうかと考えてしまう・・・・話の筋に没頭させての興味の持たせ方、これ一手ありと感じた次第だ。
初仕事で大役を仰せつかった一路の参勤交代は、幕府の参勤交代の在り方を大きく変えさせることになった・・・・日本中隅から隅までの大名を管理することができなくなった幕府、時代は政策の綻びから生まれる当然の話であって、いよいよと将軍家の崩壊が始まっていくのだった。
浅田次郎の名調子、時代を超越して浅田流。
参勤交代・・・・解明される時代の大愚考。