神楽坂に惚れ込んだ最近、私のブログにも「神楽坂界隈」とのテーマも増やした・・・・再訪したのはメイン通りの五十番を曲がっての「まろうど」。蕎麦を打つ道場の様なコーナーは、ちょっとした食精神を鍛錬する雰囲気にはもってこい。
一番での到着は振舞い生ビールが参上・・・・塩の利いた野沢菜を手づかみで最高の歓迎となった。
チョッとだけ恵方巻きシーズンの節分を前にしての巻き寿司、肴にしては量と大きさが不釣合いだが拵えは愛情たっぷりを感じる。
「まろうど風」の八寸なのだろうか、板場に気合が入っているのか色々と盛り込んでくれた・・・・それぞれ工夫が凝らされて、チョッとした珍味の植物園の如く。
鮪の入っていない刺身の登場、これが粋な神楽坂界隈の常道だと思う・・・・粋人の鮪感は猫マタギに等しい。
鰆の揚げ物に甘酢のあんかけ・・・・和でもあり中華風でもある、つまりは今時の国民食となっている。
そしてお食事のメインは「茸と豚のしゃぶしゃぶ」・・・・この「まろうど」本物チックなしゃぶしゃぶ鍋があるとは知らなんだ、出汁の利いた鍋に放り込み宴席は最高潮。
どこの銘柄豚だか失念したが、美味しかったのは舌の記憶に残っている・・・・牛系よりもいささかも健康によろしいのだ。
ご覧の通りの茸達と野菜君、振りが大きく形もしっかり・・・・当然と菌床系の茸達よりも食感に腰がのってきている。
この店の「かき揚げ」が登場すると〆の序曲が聴こえてくる・・・・玉ねぎをメインにした三品揚げはこのまま食してもいいし、蕎麦の御伴でもベリーグーとなる。
約束したような蕎麦の登場・・・・北信越の「富倉蕎麦」だ、そば粉がいいのか、打ち手がいいのか、さらには汁がいいのかいい塩梅で楽しませてくれる。
麻布十番辺りの更科の名店という御三家に食べさせたい蕎麦である・・・・なによりも真心こめて打っている蕎麦が違う、蕎麦の腰にまして捻りがある、これこそ田舎蕎麦の奥の一手と感じるくらい。
「まろうど風」八寸の大葉に包まった馬刺しの滋味なこと、そのお隣のこの店自慢の焼き味噌風というか焼き味噌ピッザは御酒が欲しくなること請け合い。
まろうどの店主曰く・・・・私の打つ蕎麦のつなぎは「植物の葉の繊維です・・」と、秘中の秘をさらしてくれたが真似る術がない。もっとも何の植物の繊維なのかは永遠に謎の中であってほしいものだ。私はせめて江戸の蕎麦をギャフンと言わせた食感を楽しみに通うばかりだ。
店に入れば〆の蕎麦が気になってくる。
蕎麦を手繰る・・・・江戸っ子好みがテンコ盛り。