「割烹 むとう」銀座 & 「鯛茶漬け」のつもりが & これこそ銀座の風情 | KISHO director's blog

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人生のほとんどを広告マンとしての「食」に特化して考えてきた。愛食家として、これからは新しい観点で日本の「食」を考えていきたい。
もう一つ、人生とクラブライフ「ゴルフ」だ、太平洋クラブと富士カントリークラブの日常、箱根御殿場ライフを綴る。

銀座の昼の風情は、銀座通り界隈は別として結構閑散としている。しかも、旧電通通りの裏側では昼だけというくらいに、昔の銀座の面影はない。

久々に「鯛茶漬け」などが食べたくなった、というか反応している。かつて江戸前の鯛は献上鯛で、江戸城の催しの度に観音辺りで獲られて運ばれてきた。今は鯛の跡形もないが、肌のピンク色した鯛は何より美味い魚の究極だった。江戸前の魚ともいえる鯛・・・・6丁目の「割烹 むとう」を訪れた。
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しかし、どっこい根性無しの日和見の馬鹿者は・・・・「牛肉のたたき」に変節をしてしまったのだ。カツオの様に真っ赤で脂身の少ない所を見たとたんに、肉になってしまった・・・・すいません。昼の温度は30度くらいでまるで夏、ヒジキとお新香で喉を潤おす・・・・銀座の当たり前、サッポロの黒。
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目の前では板さんが丁度「鯛茶漬け」の鯛に味を付け、ゴマでよごしている所。一品づつ確実に味を見て確認する。当たり前のことだが、これが出来ない店ばかりであることを、私は嘆く。

因みにこの段階で、私は「鯛茶漬け」を頂いた気持ちになって「徳」をした。目で頂いた一品は、脳裏にしっかりと味を再現し、認識しておきました・・・・感謝、感謝。
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「牛肉のたたき」説明はいらないでしょう。小振りで切られた肉片は酒のツマミにも良し、ご飯の友にも良し。このままご飯に装って、お茶をかければ「牛茶漬け」でいけるかも。
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半分は酒のつまみで、半分はご飯のおかずで頂きました。メタボも心配、脂肪肝も心配の吾輩としては脂は無いとはいえ・・・・暫くは、肉を控えます。


口の中がさっぱりするような、冷っとしたグレープフルーツの羊羹の様な、葛で固めた様な口当たりツルッ、トロのデザート。
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銀座に残された数少ない昭和の戦後の家並み。この風情で三味線や小唄が聞こえてきたものだが、銀座では文化財にもならないのか、近所の似た様な造りの「江戸源」も閉店の憂き目を見ている。
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変わって行く銀座もさみしいが、何処も彼処もビルになって行くのが残念だ。残り少なくなった、数少ない街並みと言う景観。


お隣の中国北京でも、故宮近くの胡同が取り壊されていると言う。オリンピックと急速な近代化はあまりにも失うものが多すぎると思う。アジア人の価値観は大きい物、光っている物、金銭価値の高い物とと言われるが、日本もそうなって来た様な悲しい気持ちが巡る。


銀座のブランド化やヨーロッパ化は正気の沙汰ではない。全てがいけないというのではなく、程々の頃合いや日本ならではの治まり方が出来ないものなのだろうか。銀座にいながら、日本人がいない気がするこの頃、何処に東京が有るのやら。


この「むとう」の頑なさ、決して頑固ではない、芯のある職人気質。そんなところに、江戸と言うか東京のいいところが垣間見える。東京の良さは建物というハードではなく、職人という人の威勢に有るかもしれない。


日比谷公園と皇居で昆虫採取・・・・

遊び場は高島屋五階・・・・私の東京は変わらない。