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kemusukeのブログ

私が体験した受験、就活についてを忘備録として

東京に初めて行ったのは17歳の時だ。
2千円の夜行バスに乗り、一睡もできず朝5時半に新宿に降り立った僕の眼に映る東京は、ドラマで見ていた洒落た東京とはほど遠く、薄汚れた街そのものだった。
居酒屋の前にはゴミ袋が大量に出され、カラスが我が者顔で闊歩していた。
無機質な道路には空き缶、タバコが打ち捨てられ、黒ずんだガムが雨の後の染みのようにこびりついていた。
今まで居酒屋で働いていた店員だろうか、髪の毛をキンキンに染め、ピアスを片方の耳に5つくらいあけている気だるそうな若者が僕の前を通り過ぎていく。
それら全ての眼に映る者を威圧するかのように、無機質かつ斬新なデザインのビルが僕たちを見下ろしていた。

時間つぶしに近くにあったマクドナルドに入ると、地元では考えられないほど狭いスペースに人がひしめいていた。皆、机につっぷし疲れ果てていた。トイレは消臭剤がまいてあるのか、一種独特の不快で強烈な臭いで満ちていた。僕たちはそこでハンバーガーとコーラを頼んで、陽があけるのを待った。
その辺りにいた人達の多くはシュッとしたダウンを着て、尖った靴なんかをはいていた。当時好んで着ていただぶついたパーカーとズボンは、ひどくみすぼらしく、田舎者という看板を背負っているように感じた。

複雑な新宿駅で颯爽と直線的に動くサラリーマン達の多くはひどく疲れて見え、いつまでも目的地をうまく見つけることができずうろうろしている僕たちはあまりの人の多さに人酔いした。人の流れのせいだろうか、改札を出たところで談笑している女子高校生なんて一人もいなかった。東京では朝は人の流れを乗りこなさないといけないのである。
電車はいつ乗っても混んでいたし、迷路のように張られた路線は駅員さんに何度も目的地までの道順を確かめなければならなかった。夜に電車に乗ると満員にも関わらず酔いつぶれて床で倒れている50歳くらいのおじさんがいた。周りの人は気にも留めず会話をしていた。

地元と較べこんなに人がいるのに、虚無的だと感じた。
そんな街に僕は強烈な魅力を感じたのだ。