七変化の弁士は産婆になるところだった!? | 活動弁士は七変化

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映画はかつて無声で、生の語りで説明者がいたのです!

一昨日の電車内で子供を取り上げてしまった

五人の子持ちで元看護助手の方をニュースで見て・・・

(元看護助手と言っても専門外で十年も前の話。

五人の母だったればこそですよね!)

もう十年以上前の自分の体験を思い出しました。

 

当時ベビーシッターをシノギの仕事としていて、

早朝に出かけるヘアメイクの方の自宅へ行ってました。

私は近所の保育ママさんへお引渡しする数時間だけの担当で、

その日も無事に送り届けて帰宅しようとした所へ

シッター会社から電話が入りました。

 

「今日このあと空いている??

同じ区内のAさん宅へ行って欲しいんだけど・・・」

 

Aさんの所へシッターとしては行った事はなかったけれど、

半年ほどシッター会社の事務を手伝っていた時に、

Aさんからのシッター要請の電話は何度か受けていました。

 

「Aさん二人目のお子さんが臨月でね、

陣痛に備えて病院に行く準備しているみたいなんだけど・・・

Bちゃん(一歳になったばかりの上のお子さん)を

見ていて欲しいそうなの。」

 

特に予定がなかった私は、

Aさん宅へと急遽向かいました。

 

年子で大変だなと思いつつお姑さんがいるはずのお宅なので

手伝ってもらえないんだろうかと思っていたら、

かなりのご年配のお姑さんで・・・

ご主人に連絡を取ろうと思って電話番号を聞くと

携帯は所持してないは!

会社にいないし!!で、

そうこうしている内に産気づいてしまったAさんΣ(゜Д゜)


 

そう、

斎藤寅次郎監督「子宝騒動」のごとく・・・

 

IMG_20160916_234223473.jpg

↑この作品を公演するたびにこの一件を思い出します!

 

・・・私は観念して、

Bちゃんを背中におんぶして

右手でAさんの荷物を担ぎ

左手でAさんの手を引いてタクシーに飛び乗りました。

 

運転手さんに

Aさんの陣痛が既に始まっている事を伝えて、

「迅速に、かつ安全に

宜しくお願い致します!!」

と、一路産婦人科へ・・・

 

看護師さんは

Aさんを分娩室へ案内して、

「水分を取らせてあげて下さい!」

と準備へ向かってしまい、

私がAさんを分娩台に乗せて、

持参したオレンジジュースを飲ませ、あちこち擦ったりなんだり。

 

直ぐに主治医の先生がやってきて

私とBちゃんは待機室へ移動・・・

して殆ど間もなく

「オギャー!」と産声が!

 

「ええええ・・・・」

いやもうびっくり。

経産婦ではあったけどさ。

あっけにとられていた私の前に

血まみれの産まれたての赤子を抱いた看護師さんが現れ、

じゃじゃじゃと

赤子をお湯で洗って体重を量ってくれました。

 

子宮口は8センチも開いていて、

あと2センチ開いていたら

タクシーの中で産まれてましたと説明されて

冷や汗が出ましたびっくりタラー

 

Aさんと病室に移動して落ち着いた頃に

ご主人登場。

Aさんとご主人とBちゃんと赤子・・・

美しい一幅の絵のような家族を見届けて、

私は病室を後にしたのでした。

 

 

 

 

「あの子も今は成長して中学生になる頃だな・・・」と、

インタビューを受けている産婆体験をした女性をテレビで見ながら

ふと甦ったおもひで照れウインクほっこりキラキラ