
早稲田で最後に観たのは、
『幸福の宮殿』1923年 16巻
幼い少女ジュエルは
両親が仕事で海外へ行くために、
富豪の祖父のもとへと行くことになる。
家政婦が切り盛りするエヴァリングハム家は、
亡き長男の未亡人と娘が住んでいたが、
家族の仲は冷えきっていて、
皆それぞれの世界に生きている。
ジュエルの父は今はアルコール依存症で、
妻は献身的な努力を続けている。
ふたりはかつて駆け落ちをして結婚。
ジュエルの母親は貧しい家柄だったからだ。
幸せとは言い難い生い立ちでありながら、
強い信仰心を持った彼女の笑顔は、
確信に満ちていた。
笑顔のないこの家のことを、
ジュエルは『不幸な宮殿』と名付けた。
気難しい祖父のこころを、
ジュエルは自らの信仰心で解きほぐしてゆく。
濁りのない瞳と笑顔で皆を見つめて、
相手の心の泉を湧き立たせるのだ。
閉ざされた季節はやがて雪解けを迎え、
春の訪れのようにこの家は、
『幸福の宮殿』へと変わってゆくのであった。
…細かいエピソードは省きますが、
『ペリーヌ物語』と
『愛少女ポリアンナ』を
足して二で割ったみたいなお話。
ジュエル役のジェーン・マーサちゃんが、
むちゃくちゃ愛くるしい!!!
おじいちゃんに、
『リボンを結んで♪』と頭をつきだして、
おじいちゃんが上手く結べなくて
四苦八苦するところなんか…
かぁいすぎるやろ!!!と、
思わず涙目に…( ;∀;)
丸一日学術的な空間にいて、
思わずホッとした瞬間でもありました。
ともすると説教臭くなる内容も、
彼女の自然体の演技と
愛くるしい容姿に、
こころ洗われました。
美少女というより、
キュートでチャーミングで…
でもやっぱり真っ直ぐなまなざしが、
とっても魅力的な女の子でした。
私が弁士としてお客様に見せたいのは、
『ポルチシの唖娘』よりも、
『幸福の宮殿』みたいな作品だな。
芸術性よりも、
日常の幸せを描いた作品がいい。
そんな事を思いながら、
頂いたチラシをあれこれ見ていたら…
な、なんと、
シェリー・スタンプ教授による『暗中鬼』
の講演が、
南大沢の首都大学であるんですと?!
知らなかった…
駆け付けられる日程なので、
これにも参加を決めたのでありました。
~つづく~
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