約一週間かかってしまった昨日までの現場ぐすん

 

築100年近いお宅になります。

私が小学校低学年だったころの、じいちゃんの家の雰囲気とおんなじ。

 

ほぼほぼリフォームなどはされておらず、昔のお父さんは”副流煙”そんなもんは知らん!てな感じでぷかぷかやっていたであろうタバコとお線香のヤニ。

 

うちのじいちゃんの家は当時も井戸水で裏にある井戸を4~5軒で使っていて、手でハンドルをキコキコするポンプで水をくみ上げ、自分ちに持って帰っていました。

いつの間にか電気のポンプで水道の蛇口がついてましたが…

 

ここのお家も今は3軒長屋ですが、昔はもっとつながっていたと思われ、トイレとお風呂は後から増築したと思われます。

 

長屋の場合は共同井戸、共同トイレと言うケースが多かったんではないかと思います。じいちゃんの家もそうでしたからここのお家もそうやったん違うかな、と思っています。

 

手前に見える床はおそらく後から貼ったもので、元来は土間でしょうね。

 

最初にお見積りのご依頼があって、拝見したときには”ゴミ屋敷”とお身内が言っておられました。でも、ゴミ屋敷と言うより使わなくなった物はミカン箱に入れ部屋の隅に積んでゆく方式の片付けをされていたので、最後には何とか横になるだけのスペースしかなくなったわけです。

 

ありとあらゆるものが詰まった100箱以上のミカン箱。時代が止まったようなお家。

 

基本的に現地確認、仕分けを行っている当店ですから、頑張って仕分けと貴重品の確認、袋詰めを行い2部屋と台所という2Kのお宅から2トン車4台分のお荷物を引き上げさせていただきました。

 

今は施設に入られているご家人の年金手帳、印鑑、現金をお身内のご依頼者様に手渡しました。

 

仕分けさせていただいた時に出てきたお写真。

 

詰襟(終戦までは詰襟は軍人、警察、役人、教師も着ていました)を着てシルクハット(?)、ステッキを持っている方もいて、中には和装の方もいますし、学生帽のようなものを着ている人もいます。

 

どこかの湾内にある夫婦岩のように見えます。

 

時代は戦前、修学旅行と言う感じではなく、調べてみましたが分かりません笑い泣き

お分かりの方はお教えください音譜

 

 

うちのスタッフで劇的変化!と言えばNスタッフ。

 

彼は12年務めた大きな機械製造業の超安定会社をなげうってうちに入社しましたガーン

残業の日もありますが、定時から定時、土日休み、ボーナスありの好待遇。

 

なんで??

 

自分を変えたい!安定した生ぬるい仕事から「ちょっと不安定そうな、厳しそうな」そんな会社へ転職すれば、自分は変われる!と思い込みうちに飛び込みました。

 

来た当初は、うちの会社では絶対禁句の”無理です”を連発していました。

「あきらめる前にどうしたらできるか可能性を考えろ!」

「仕事に関係ない事でも、興味のある事でいいから勉強、勉強、勉強や!」

「学校の連れとかの同年代じゃない年上の友達を作れ!」

「こんなん俺、苦手やわ、と思わずやってみろ!」

 

こんなことを毎日毎日言われ続け、もうすぐ4年。

大失敗して取引先を失くしそうな時も、あきらめる前に打開策を探し、通信教育で勉強。

イメージを変えるため茶髪にし(当社は心の無い黒髪より、心ある茶髪兄ちゃん推奨です)、だんじり祭り?それだけは勘弁してくださいと言っていたはずなのに、トラックをつぶした罰としてお祭りを手伝わせたらはまってしまい、保存会入会。

 

今までならありえないことが人生で次々に起こりました。

 

周りがそうだからとか、環境がそうだからとか、会社がそうだから自分は変われた!

そう言うことではないんです。影響されることはあってもです。

 

「自分が変わろうと思わんと、周りは変わらん!変わろうとする信念がないと絶体に変われるか!」

 

暴言パワハラ、彼が変われるなら訴えられてもいいと思っています。

よく耐えてくれました。今は公私ともになくてはならない存在です。

 

さて、彼が忌み嫌っていただんじり祭り。

 

10月の初めに終わりました。3日間、半分は走って半分歩く鳳だんじり祭り。

GPSで結構正確に計測したら80.2km頑張ってました。

 

踏切待ちの一コマ

 

鳳 野田区名物”紙やぶり”の瞬間

 

YouTubeでは走ってるとこしかありませんが…

 

なんやかんや、あっという間の3日間。

 

”祭好尾”(最後尾)の救護班のメンツは58~61才。

この最前列に見えるのが最後尾(うちのメンバー)

 

これ、後ろにだんじりがいて最前列のようですが…

後ろのだんじりは隣の町の他所のだんじり。うちの”野田区”は前に居て、子供たちもいるので、突っ込んでこようとしてくる血気盛んな、後ろからくる隣町のだんじりを止めてるわけです。

 

そんな最後尾のメンバーも「膝痛い~痛み止めくれ~」と言う者続出。ばっちり効く痛み止めで、走れるようになりますが結果的に無理をするので治るまでメッチャかかりますえーん

 

何事もなく完走したのは、8月からウォーキング&ジョギングしていた私(来月60)と、保存会は50才以上なのに特例で33才で保存会に入ってるNスタッフ。

 

「だんじりなんか!」と言っていたNは第一段階は全てクリアして、会社にとっても、だんじりにとっても大切な存在となりました。これからは第二段階突入です。

 

人生、何が起こるかわからん!ですねウインク

 

今回は私が手当てしただんじりの要救護者は3日間で10人。救急搬送が1人(軽い熱中症)。大したことが無く終われました。

 

毎度長くなるお祭りネタ&スタッフネタでしたニコニコあせる

前回の続きです。

 

お嬢様の結婚と同時に、だんだんとお年を召されたご依頼人さま(と言っても私とさして変わりませんが)にとって、利便性がいいところへお引越しとなり、お家の売却が決まりました。

 

仲介の不動産屋さん。

 

「この木は何とかしないと難しいですね…」

 

不動産屋さんが買い取る場合は問題も含めての査定なので、金額が安くなるだけです。そもそも不動産屋さんの買取り(不動産屋さんが買主)は仲介に比べ安くなります。

 

で、買いたい人を探してもらう仲介を頼んだのが今回のパターン。

 

小さく剪定しても将来を考えると、隣とのトラブルの可能性は極力避けたいという思いから伐採、となりました。

 

作業当日、沈痛な面持ちのお客さま。かなりテンションが低いです。こちらとしてもかなり辛いです。

 

想定内ではありますので、日本酒の小さな瓶の物を購入しお清めをします。

前日から考えて準備した薬剤や鉢などを使い、挿し木をすることを考えていてご提案しました。

 

元気な小さな枝を存続させる計画です。無事に根付けばまたお庭に植えればいいんです。今度は大きくなってくれば当社に連絡くだされば、今回のような悲劇は起きません。

 

でも、根付く確率は高くはありません。3鉢挿し木することにしました。

※実際の写真ではなくイメージです

 

さて、お酒でお清めした後、本来は神主さんの仕事ですが…

 

気持ちが大事なので、私が祓詞(はらえことば)をお客さまに用意したプリントをお渡しし、ご一緒に奏上します。

 

神道のお家や古来のお家では、この祓詞や大祓の言葉(おおはらえのことば)は日常的に奏上されていました。

 

掛けまくも畏き 伊邪那岐大神 筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に…

こんな感じ。

 

ま、賛否両論、素人がそんなことすんな!何をするねん!そういう人が居るかもしれません。

 

でもね、何の心もなくただ神主さんの後ろでかしこまって手を合わせて「何言うてるんやろ、意味わからんわ、はよ終わらんかな」と思っていたり、法事ではお坊さんの後ろで「ながいな~、はよ終わらんかな、足しびれてるわ…」などと思うことありますねガーン

 

お祓いをしたい、供養したい、その本人が心を込めて手を合わせれば、神職やお坊さんがいても、別のこと考えての意味のない時間より素敵な時間だと思いませんか?

 

さて、作業開始です。上の方から切ってゆきます。切った枝が建物を破壊しないようにロープワークで地上に下ろして行きます。

 

その時撮った写真が行方不明…

参考写真がこちら

これはクスノキ。こんなに太くはありませんが…

 

直径が40㎝以上あった幹を、地面から10㎝程度残して伐採完了。

お家を破壊することなく終われました。夕方になりましたが💦

 

3つの鉢に挿し木した枝が根を張っていることを祈るのみ。

 

最後はTLH美乃利屋さんに頼んでほんとによかった、そう言っていただけてスタッフ共々、モチベーション爆上りで帰路に着きました合格

 

先日、お嬢様が誕生された時に植えられた山桜についてのご相談とお見積り依頼があり、その後、作業させていただきました。玄関先の一坪ほどのスペース。お隣との境界に接しています。

 

樹齢20数年を超えたその樹は、お嬢様と共にすくすくと成長しました。

 

お嬢様が健やかに、すくすくと成長されるのは大変なことも多いですが、幸せをたくさんもらえます。

 

山桜は元来、大きく成長し春には素晴らしい花で喜ばせてくれます。このお宅の山桜もすくすく成長し毎年美しい花を咲かせてくれ、ご家族を近隣の人をも幸せにしました。

 

ですが、日当たりの良い場所ですくすく成長した樹は喜ばせると同時に、成長するにつれ問題も発生させます。

 

お隣りへの領空侵犯ですガーン

 

古来から”桜切るバカ梅切らぬバカ”というように、桜の木の枝を切ってもいいのか、あれこれ悩んでいるうち、早20数年。

 

お隣の屋根にも大きく枝が覆いかぶさり、お隣の雨どいを落ち葉で詰まらせるようになりました。この山桜にも、植えたおじいさまにも、家人にも何の罪もありません。

 

不幸だったこと。

 

それは、ちゃんと手順を踏んできちんとしてくれる庭師さんなら大丈夫だよ、と言ってくれる人が身近にいなかったことです。

 

私が桜の剪定をするときは、雑菌に非常に弱い木なので殺菌剤や防護カバーなど手間をかけて(それほど手間ではないですが…)剪定します。それでも枝の付け根から枯れることはあります。全体が枯れたことはまだありません。

 

これに対して梅はと言うと、普通に剪定すればいいのですが少し手入れを怠ると枝がぐちゃぐちゃになりボーボーになります。

 

なので、桜を剪定すると→枯れる、梅を剪定しないとみっともない、と言うのが先の

”桜切るバカ梅切らぬバカ”ということになります。

 

さて、思い悩んだお客さまはWEBで当店を見つけご連絡くださいました。

 

お見積りにおうかがいして”これはお隣の方、大変やなびっくり”そう思いました。

本来なら部分的に枯れるのを覚悟で小さく剪定することをお勧めします。

 

次回に続きます。

私も後の業界に入って、早いもので15年が経ちましたが…

 

最近、反省したことがあります。ちょっと落ち込みましたショボーン

先日、お請けさせていただいた堺市でのお客さまでのお話。

 

当店は仕分け作業は当方で行わさせていただくのですが、大切な物や思い出であろうお品、貴金属、重要書類、預金通帳など中身も確認したうえで処分せずに取り置きます。

 

それを作業終了時にお客さまにご確認いただくわけです。

 

その時のご依頼人は娘さん。お住まいになられていたのは施設に入居されているお母様。元々は、ごきょうだい含め家族全員で住まわれていたお家です。

 

当然不用品などお荷物も2トントラックで5台分と言うボリュームでした。

 

お見積りにおうかがいして、作業日当日、最終確認を娘さんと行い、探しておいてほしいものはないし、特に残しておいてほしいものはない、ということで作業開始しました。

 

で、鍵をお預かりして3日間の作業。

 

作業後のご確認に現地に再びお越しいただきました。施設に入られていたお母さまもご一緒です。足腰は弱っておられますが、認知もなくしっかりされています。

 

何にもなくなって綺麗になったお部屋をご覧いただき、大変喜んでいただきましたがお母さまがポツリと一言。

 

「これくらいの小さな箱に入った、○○子て書いた紙に包まれた櫛はなかったかな~」

 

あったんです。1日目の作業の時に出てきました。一瞬どうしようか考えましたが、かなり古びたもので、中の櫛もかなり劣化していたこともあり、処分に仕分けました。

 

お母さまのおっしゃる○○子さんが、お母さまのお母さまであることが分かったのは作業2日目。??と思いましたがその日の早朝には焼却場に行ってしまっています。

 

なぜあの時、古いもだから大切なのではとか、○○子さんって誰?と考えればお仏壇の過去帳を見るなど、調べる行動をしていれば大お母さまの形見であることは安易に推測でき、貴重品として取り置きできたはずです。

 

そのようなことを簡単にご説明して、「大丈夫やから気にせんといてニコニコ」と言っていただきましたが…

 

一瞬でも引っかかっただけに、なぜあの時の思いが…

仕分けの手を止め調べてみるか、娘さんに電話ででも聞かなかったのか…

 

悔やまれてなりませんが、今後のお仕事に生かして行こうと思っています。