思いついたことをポンポン喋るのが会話、まとまりのあるトークに仕立て上げるのがスピーチ。会話もスピーチも話し方という言葉で片付けようとすると悩むことになります。
“1対1の会話は得意なんです。
でも大勢の前で話すとダメなんです。
どうしてでしょうか?”。
こういう悩みを抱えている人は多いですね。
スピーチは映画やミュージカルのようなもの。
台本と監督が必要です。
セリフを考えるのはアナタ、
監督をするのも、
主演するのもアナタです。
すべての段取りをアナタ自身が仕切る、これがスピーチです。
“とにかく皆の前で喋ってごらんなさい”。
日本の教育現場では、この種のトレーニングを重視してきませんでした。社会人になって初めてスピーチやプレゼンをする人がほとんど。メガホン片手に映画監督を演じろと急に言われても戸惑うのは当然ですよね。
日本の政治家のスピーチが国民に伝わり難いのは、彼らの多くが会話のノリでスピーチを行うからです。大声で連呼することがスピーチではありません。ただ話すことがスピーチではないのです。
志が高く、日本を変えてくれる実力者であっても、真意が国民に伝わないのだとすれば残念です。ディベート、スピーチ教育の本格的な導入が急務。英語教育以上に大切なことだと私は思っています。