
アナ雪は
「正しさ」と
「自己合い」の間で揺れる
現代人の精神状態を非常にわかりやすく描いていたと想います(´^ω^`)
全てを凍らせるという
「特技・個性」を両親に恐れられ
自信をなくしたエルサは「自らの一部」を
「正しくないもの」だと封印する。
しかし強く封じるほど、それに反発するように能力は高まっていく・・・・

両親が事故で亡くなってから、エルサの魔法は封じきれなくなるほど巨大になります。
これは
「いつか両親に自分を認めてもらいたい、手袋をとって欲しい」という望みが断たれてしまったことによります。もう自分で手袋を取るしかないのです。
数年後、2人は美しく成長しました。
外交でやって来た、
サザンアイルズ王国の王子ハンスにアナは一目惚れ。
その場で結婚を決めてしまいます。


突然アナから婚約宣言を受けたエルサはパニックになります。
かつて、唯一「ありのままの自分の能力」を素敵だと認めてくれた
「アナという心の拠り所」が離れていく恐怖に耐えきれず
エルサの
抑圧された本音(氷の能力)は大暴走をはじめます。

「正しい女王」でいられなくなったエルサ。
故郷を飛び出し、手袋をとり、喪服を脱いで、自分だけの城を作り閉じこもります。
このシーンのエルサは
「自己合い」を取り戻したので一見軽やかに見えますが
周りを拒絶しているので、本当の意味で「ありのまま」じゃありません。


アナには何も特別な能力はないけど、ただ
エルサを想い続ける気持ちがあります。
「子供の頃のように、ありのままのアナタと触れ合い笑いたい」荒れ狂う北風と太陽のような関係。
小さな太陽は分厚い氷の壁を溶かすべく、雪山を登っていきます。
途中遭遇する
「オラフ(雪だるまの妖精)」は、エルサが無意識に作り出した
「アナとの絆・繋がりを求める気持ち」を象徴したもの。ミニエルサです。

途中、オラフの語る
「真夏を楽しむ雪だるまになりたい」という夢は
エルサの「魔女だけど女王でもありたい」という
相反する2つの本音が形を変えたもの。
「それは流石に無理なのでは・・・」とアナもスヴェンも苦笑いしますが
オラフは素直な気持ちの塊なので、周りに何を言われても気にしません。
無邪気に自分の想いを口に出せるオラフは、
エルサの理想の象徴でもあります。

オラフの案内で氷の城へたどり着いたアナ達。
エルサは驚きつつも、内心嬉しくて仕方ありません。
現在のアナはドワーフに幼少期の記憶を消されています。
つまり戴冠式の騒動で、再度「はじめて氷の魔法を使う姿」を目にした筈なのに
アナはエルサを恐れず、会いに来てくれた。
それがどれだけエルサの救いになったでしょう。
しかし、アナが連れて帰ろうとする
アレンデール王国は
自分を
「正しい女王」へ戻そうとする要因でもあります。
アナと一緒に居たい・この城ではアナは生きられない
帰って一緒に暮らしたい・魔法で人を傷つける(きっと恐れ嫌われる)
大切な国を守りたい・でも魔女である以上許される筈がない...etc沢山の感情が渦巻く中、アナは明るく「一緒に帰ろう」と言います。
その言葉がエルサを癒しながら傷つける。
「帰ろう・帰らない」「魔法のコントロールきっと出来るよ・出来ない」の掛け合い。
アナの
底抜けな前向きさは素敵なものですが、自信をなくし疲れきった人にとって
根拠のない応援は
「残酷なプレッシャー」でしかない時があります。
「出来ないって・・・・言ってんでしょ~~が~~(泣)!!!!!!」
ブチギレたエルサが放った
氷の魔法が、アナの胸に突き刺さってしまいます。
これは今までの「傷つけたくない」という優しさからではない
「アナを拒絶するエルサの心/合いが失われそう」という象徴。
ドワーフの王様のいう
「頭のはすぐ取れるが、ハートは厄介」という台詞は
「誤った先入観で人を嫌う思考」はすぐ変えられるけど
「心からイヤだと想った気持ち」はそうそう変えられないという意味としてココに繋がります。

やがて、ハンスの魔の手からエルサを守るべく身を呈して、
全身氷漬けになってしまうアナ。
あれだけ拒絶されても、アナはエルサを想い続けていました。
ハンスの振りかざした「ヒーローの剣」は、アナの「エルサを大切に想う気持ち」を前に折れてしまいます。

妹の変わり果てた姿を観たエルサは
両親が亡くなった時ですら抑えていた涙がもう止まりません。
感情を爆発させて、ただただエルサは泣き
子供のように想いを溢れさせます。
すると、アナの氷が少しずつ溶けて行きます。
「アナが好き・側に居て欲しい・必要・居なきゃヤダ」ようやくエルサが前置きなしの想いを認めた為
元々エルサを想い続けていたアナの気持ちと繋がり、姉妹の
「合い」が復活したのです。

エルサが自分自身の本音を許し、ありのままを受け入れたことで
そんなエルサを好きだと想うアナを
素手で抱きしめることが出来た。
本心で相手の気持ちと向き合ったのです。
アナとの合いを取り戻したエルサは
心の扉を開けて(嫌われるかもしれないという不安・恐怖の象徴)
「氷の魔法という個性も女王という立場も、丸ごと受け入れる覚悟」をきめます。
するとコントロール不能だった氷の魔法は
「想うがままに凍らせる能力」となり、遂に
エルサ自身と一体化。自己合いと合いが繋がった、真の「ありのまま」を手に入れました。
ラストシーンでアナがハンス王子に言い放った
「凍り付いてるのはアナタの心なんじゃない?」という台詞は
「正しさ」ばかりを追い求めるよう「プログラミングする社会」への痛烈な皮肉であり
己の正しさの為ならどんな相手も
「敵として倒す」ことをいとわない
「過去のディズニー主人公達」への皮肉でもあります。
ディズニーが散々推奨してきたボーイミーツガールをセルフパロディ化した今作は
時代遅れの「プリンセス像・ヒーロー願望」を卒業した
タイトル通りの、
少女2人の家族合いと自己合いの物語でした♪