気がついた時には投獄されていた。
なんの自由意志も許されない場所。
同い年の「エレナ」は私に異常な関心を示してきて
それはこの閉塞的な場が引き起こしてるのだろうと思った。
しかしエレナは収監暦が長く、私より強い影響力をもっているのが厄介。
近づきすぎず、遠ざけすぎず・・・
エレナを怒らせないようにしなくてはいけない。
やがて、「ご褒美の日」が近づいてきた
この監獄から出られる日を迎える者しか受けられない
特別なイベント。
私は狭い廊下の先の小部屋に出た。
そこはゲームセンターだった。
なにもかもが無料で遊べる。
UFOキャッチャーも、格闘ゲームも、なにもかも無料。
私は狂ったように遊んだ。
遊びまくった。
でも、その時間は恐ろしく短かった。
決められた時間までにその部屋を退散しないと
外へと続く扉が閉まり
また長い事閉じ込められることになる。
解っているのに、私はガラクタのような人形を抱えて
いつまでもくだらないゲームで遊んで、部屋を出ようとしない・・・
やがて「時間切れ」のエンドが見えたので
私は時間を巻き戻して、違う結末に変更した。
時間通り、なんとか部屋を出た。
しかし「エレナ」はそれを許そうとしなかった。
泣き落とし、色仕掛け、脅し
あらゆる手を使って「エレナ」は私をこの監獄に閉じ込めようとする。
私はエレナが恐ろしくも哀れで
どうにかしてあげたい気持ちと、一刻も早くこの場所を脱出したい気持ちに挟まれて
なにか「抜け道はないのか?」と探していた。