頭が痛い。
このまま、死んでいくんじゃないかと思うほど、頭が痛い。
しかし、生きているから痛い。痛いから生きている。うーん、哲学。なんてことを考えないとやっていられないほど、ひどく右側が痛む。ついでに右眼も、ギョロギョロと音を立てられそうなくらいの違和感を覚えている。
ベッドに横たわりながら、痛みに悶え、割れそうな頭を必死で押さえつける。……そんなことで痛みが和らぐはずもないのに。
死ぬのだろうか。まだ死にたくない。だのと、自分自身に訴えかけてみる。効果はゼロ。むしろ痛みはひどくなり、右側の違和感が更に増す。
力を入れた右眼から涙がこぼれる。それすら激痛が走る。声も出ないほどの、痛み。
起き上がっても、痛みは一向に治まらない。
吐き気がして、小さくうずく。何もでない。
肌があわ立っているのは寒さのせいか、はたまた体の異常に対してか。
寒さであれと、毛布をかぶる。二十度近くある室温は、見なかったことにして。
部屋を暗くしてみたら、突然怖くなってわぁっと泣き出してしまった。あわてて電気をつける。まぶしさに目の前がチカチカ白くなる。
……朝、目が覚めなかったらどうしよう。覚めなかったらどうしようもない。もし意思を持ったまま、幽霊になってどこかへ行けるなら、迷うことなく君のところに行って、顔を見て、名前を呼んで、そのまま消えよう。君に知られずに、静かに死んでいくのか、わたしは。ねえ、これは、自殺じゃないから、いいよね?
頭痛が鳴り止まない。いや、鳴っているわけでは決してない。ただただ、痛みだけがある。しかしなぜ、頭痛が鳴り止まないって言葉をよく耳にするんだろうか? わたしの妄想の中だけかもしれない。鳴る頭痛は、どんな音がするんだろうか。高く不快な音か、重く苦しい音か。
閑話休題。
わたしをどうしたい? と痛みに問うてみても、痛み自体に意思はない。わたしの死にたくないというわがままだけが残る。
左眼まで、筋肉がこわばってきた。
首を絞めてみる。ドクッドクッと鼓動は速い。息苦しさに紛れて、痛みが和らぐかなと思った。そんなことはなかった。
ぶるぶる。身震いをする。
最近、脳みそがおかしいなあとは思っていたけど、痛みが現れてただただ不安になる。
十四歳のころから憧れていた病名、GETですか? あはは。サイコー。サイコー通り過ぎてサイコだね。
もう大丈夫だと思った矢先の、障害。不快感が体中を駆け巡り、留まり、埋め尽くしていく。
死にたいとは言ったけど、少し未来に生きる気力を見つけてはいたんだぜ。
今朝見た夢を、ふと思い出す。
君が、わたしを大学で一緒に授業を受けようと、連れて行ってくれる夢。大学がどんなところか分からない。だから、山の中にある学校の、白く新しい教室で、君が隣に座って、漢字の勉強をするってへんな内容だったけど、それでも、幸せだった。知らない人と、グループディスカッションもした。内容は覚えてないよー。なんて。
君の声、君の感触、君の表情、おかしいなあ。夢に出てきたのは君だよね?
一向に頭痛は治まらない。
右後頭部から、徐々に前へ、さらには左へと進行する。痛みが移るのではなくて、広がっていく。だから、倍痛い。
痛い痛い叫んでたら、朝遺体になってたって、センスがある気がする。何も面白くないけど。
閑話休題。
吐き気に抗わず、息を吐いていたら、同時にあくびが出た。眠気はあるみたいだ。それどころじゃないんだけど。
なんというか、一度に何人もから指示を受けて、どれを優先したらいいのか困惑している感じに近い。
今日は一日中、同じ格好でいたから、単純に肩がこっただけなのかもしれない。そうだ、きっとそうに違いない。
そうと分かれば、頭の痛みもなくなった気がするなあ。
吐き気は治まらない。おえおえと喉の奥を動かして、楽にさせる。何もでないのが分かっているから、気分はそこまで不快じゃない。
まったく眠れる気がしないけれど、寝ないと、今後に支障が出る。
つくづく、融通の利かない体だと思う。腹が減った。
もういっそ、起きてようかな。というか、寝られそうにない。暇をつぶす道具さえ、脳みそが、体が、拒否している。
どうしろってんだ。
今、どん底の光が胸の隙間に刺さっているから、簡単に死ぬわけにはいかない。というか、こんなんじゃまず死なないだろう。死なないでくれよ。
だけど、
死んで君に会えるなら、
ふとした拍子に、
そっちを選んでしまうよなあ。
ああ、頭が痛い。割れるように痛い。というかむしろもうこれは割れているのではないだろうか。
唾を飲む至極当たり前の行動さえ辛い。いっそ死にたい。死んで痛みがわからなくなって、ぐちゃぐちゃのまま一生を終えたい。