お餞別記念品で、電動のキネティックアート的オブジェをもらった。それは単一電池1 本で動いた。このオブジェ、小電力のソーラーパネルで動くのではないかとふと思った。電池ホルダーの電極からリード線を出して、折り紙くらいの小さな太陽電池に繋いで早速試した。

 

 ある時期、壊れた家電があったら欲しいと出会う人毎に言っていたら壊れた扇風機をくれた人が居た。分解して気付いたのは首を振る構造が面白いということだった。モーターの羽を回す反対側にピニオンギアが組み込まれていてゆっくり回るように出来ていた。首振りのツマミの回転はこんな封になっていたんだ・・・・

何かにこのゆっくり回転を応用できないかと思っていた。首振りボタンに小さなプーリーをつけて回してみた。自作のタイヤホイール轆轤に紐を掛け、そのプーリーに掛けるとそれを回すことが出来た。陶芸作品を作るにはパワーが無いのと回転がゆっくり過ぎると思った。ならば、轆轤で轢いた壺を太陽の光に曝すときに回転させながら陽光に当てて乾かせば均一に半乾燥させて次の高台削りが早く出来ると思った。

 

何回も実際に使っていると、その扇風機のモーターをワザワザ100vのコンセントからコードを引っ張って回さず、せっかくなので太陽のエネルギーを利用できないかと考えるようになった。また閃いた。太陽電池で回るようになったキネティックアートオブジェの回転力が扇風機のモーターと同じゆっくりモードなので代用ができるのではないかと思った。ただ、非力なのが気になるが・・・・。

 

 

Rのない革命=進化

 

 その動くオブジェでタイヤホイール轆轤をまわすことが出来たので、動力として1年間使った。しかし、過負荷、無理がたたったのか壊れた。分解してみるとプラスチックのギアが使われていた。高温の太陽の下では過酷な条件であったにも関わらずよく頑張ったとその装置を褒めたかった。

 

それ以後、タミヤの2種類の金属、およびプラスチックのギアセット、を東急ハンズで買ってきた。それらを試したが高温な炎天下の悪条件の中ではそれらも壊れた。

 

ヤッパリ駄目かとあきらめかけていたとき、Amazonでギアモーターというのを見つけた。早速試しに買ってみた。出来るだけ低い電圧、遅い回転のものを撰んで購入したが、きゃしゃな作りで、最初こそ回ったがこれもすぐに壊れた。それにしても中国ではよくこんな低価格でこのギアモーターを生産できると感心した。

 

 しかし、折角、工夫して作ってもすぐに壊れるのはストレスだった。少なくとも10台は壊れた。これなら耐久性あるかと徐々に高い値段のギアモーターを求めたがやっぱり駄目だった。これだけ費用を使うのであれば100vの家庭電力を使った方が費用は安かったのではとも思った。しかし、馬鹿な私目は、作ること、出来ることが面白いのだった。

 

 その装置は、ギア」モーターの軸に兎に角、プーリーを着けた。手持ちの厚い板に円形を描き、円周に沿ってジグソーで切って円板を作った。それをトマトさんのくれた壊れた電動鋸のモーターに取り付けた。モーターは動力としてではなく、唯の回転軸としてだけに使った。取り付けた厚い板の円板を手で勢いよく回してその周囲にチェーンソーで溝を刻んだ。一度、回すと後はチェーンソーの回転力で回って楽ちんに溝は刻めた。プーリーの上にベニヤ板の円板を作って貼り付け、銀色のラッカーを塗った。それが乾いてから回転させて黒のマジックインクで同心円を描いた。だいぶ、太陽回転台としての体裁が整ってきた。

 

 

 

 

プーリーを繫ぐベルトは最初糸を何本か絡ませゴム接着剤を塗って使っていたがポリウレタンベルトとの存在を知ってからはそれを使うようになった。2台を同時に回せるとよいと二段にプーリーを重ねて付けたが、ギアモーターのトルクは不十分だった。