十年以上前、壊れた急須の蓋を作ってほしいと頼まれた。同じ、素地でなくても良ければやってみるけれど、と、いやいや引き受けた。いつも使う信楽粘土では、本焼き1250℃だと15%プラマイ微妙に収縮する。その時、微妙にサイズを替えていくつか作れるように比例コンパスを作った。そのため支点までの距離が100:85のコンパスを作った。

 

  

 

 さて、今回、何故こんなことを記事にしようかと思ったかと言うと、お中元で「スーパードライ生ジョッキ缶」というのを貰った。その缶を開けると上面が外れて泡が綺麗に出てきて吃驚。飲み干した缶を何となく見ていると周り「2mm」ほどの桟が付いていた。この缶の桟にぴったり乗る蓋が作れるだろうかとふと思った。そう思った時、比例コンパスが目にはいた。

 面白半分で蓋を二個、作ってみた。粘土が乾燥した時、缶に載せても桟にはぴったり嵌らなかった。素焼きをした時も載せてみたが、矢張り嵌らなかった。今月の陶芸教室の作品を焼く時、それらを一緒に茶碗を並べた棚板に忍ばせた。

 さて、窯出しが終わって焼いた作品を点検した後、さて、この微妙に大きさの違う蓋は、どうだ?と、その生ジョッキ缶に載せてみると左の蓋は、缶の縁に嵌ったが、桟の上には乗らなかった。それではと、もうひとつを載せてみると、吃驚・・・・。ぴったりと桟の上に乗った。

 

 

 これを見ながら、この結果、これで何だと苦笑した。蓋の大きさをデジタルノギスで計測すると二つは直径2,2mm、大きさの差在った。缶の大きさはどれも同じだろうかと陶芸仲間のヤン爺さんのくれたサントリーの「ほろよい・ミックスフルーツ」の缶に載せて見るとぴったり嵌った。メーカーによって2mm位?、上ぶたの直径は違うんだ・・・・・。