前にも話題にしたが、オカリナはイタリア語で小さな鵞鳥という意味とはちょっと違うのではないか・・・・。イタリア語辞書で調べるとocaは鵞鳥、イタリア語でcarinaは「小さい」とか「可愛い」という意味みたいだ。だから、音が繋がって出来た言葉(リエゾン)なら小さな鵞鳥なんだろうがタイトルに書いたようにオ・カリナは「まあ、可愛い」と言った意味みたいだと思う方が自然なんだと考えるだけれど・・・・・・。

 

 陶芸教室のためにアトリエを掃除したら固まった粘土屑(くず)が少し出てきた。棄ててしまうのももったいないとそれを集めて乳鉢に入れると乳鉢に半分ほどになった。その乾燥した屑粘土を乳棒で突いて磨って粉末にした。その粉末を篩ってみたら176gあった。それをステンレスのボールに入れ直して、少しずつ水を加えていつも使う信楽粘土くらいの硬さに練った。それでもう一度重さを測ると225gだった。つまり増えた重さ分の49gの水を加えた事に成るのか?49割る225は約0,218。つまり乾燥した粘土100gに10、29g水を加えると丁度よい硬さに成るのだろうか・・・・。

 

 ソプラノオカリナをこの練った粘土で作ると1個80gとすると80gx2+65gとなりソプラノオカリナ2個とちょっと音の高いオカリナ1個が出来る勘定になると思った。秤で計量して80gの粘土ボール2個と65g粘土ボール1個を作った。3個の粘土のボールを竹串、箸、ストローを使って3個のオカリナにした。

 

  

 

 生乾きの3個のオカリナをホンマストーブの上に載せた。焚口扉を開けて、薪を入れ火を焚いてそれらを強制的に乾燥させた。白く乾いたオカリナを湿したスポンジで研いて表面を滑らかにし、更に箸置で強く擦って表面に光沢を出した。

 

 さて、今回は自作電気炉「伍長」で焼くことにした。この電気炉を伍長と名付けたのは耐火断熱レンガを5丁使って作った事からだ。2丁のレンガにニクロム線500wを1本ずつ埋め込み、更に2丁のレンガを上底、下底にして4丁使って筒状に組み立て針金で結わえた。最後に1丁を2分割して両側の蓋にした。出来上がった炉の周りはトタン板でカバーした。2本のニクロム線の両端にはそれぞれリード線を繋いでプラグをそれぞれ付けた。そして、2本のニクロム線が直列に成るようなコンセントを作った。粘土焼成の焙りの時は2本のニクロム線を直列に繋いで、200度を越したら並列に成るようにした。最初、直列にするには2個のコンセントを直列に配線したコンセントを使い、温度が上昇したらプラグを100vコンセントに直接挿し換えてやっていた。が、その操作が面倒だったので、今はスナップスイッチを使って切り替えるだけで直列と並列に出来るように改造した。

 

 さて、オカリナを炉・伍長に入れた。

 

 

蓋を半開きにして、伍長の上底に開けた穴に熱電対を差し込みスナップスイッチを直列の方に倒してプラグをコンセントに差し込んだ。1時間20分で334℃に成ったのでそろそろ並列にしようと想った。其処へ電話が掛ってきた。外壁塗装をしないかという電話だったが、魅力的な女性の声だったのでどうでもよい話をしてつい時間を費やしてしまった。時計を見ると30分近くしゃべっていたようだった。やれやれ・・・・・。蓋を閉じてプラグを一度抜いてからスイッチを並列に切り替えて再度プラグをコンセントへ差し込んだ。3時間過ぎて731度に成った。

 

 

 

 伍長の蓋を開けて中を確かめると、オカリナは赤く成っていた。もう少し温度を高くしたいが、でも、まぁ、いいかとプラグを抜い炉の中の赤くなったオカリナを火ばさみで一個ずつ取り出して鉋屑を詰めた茶釜に入れた。そして、茶釜に素焼きで作った蓋をした。茶釜の中から煙が蓋の隙間を溢れて来た。オカリナの温度の下がるのを一時間待った。

 

 

茶釜の中に手を突っ込んでオカリナを取り出した。ブラックオカリナたちの出来上がり。