私は時々、2種の粘土を使って練り込み技法を使って作品を作る。

 「日本ご招待」というテレビ番組で練り込みを扱っているのを見た。それは、ロシアでアレキサンドラという婦人が練り込み作品を作っているが、練り込みに関しての情報が乏しいので日本で練り込み技術を学びたいというものだった。番組は彼女を瀬戸の練り込み作家のアトリエに連れて行って取材していた。

 

 私は今回、この番組で扱われていた象嵌的な練り込みを作ったことがないので、ふとやってみることにした。まず、タタラ板を乗せる型を粘土で三個作り、素焼きした。

 

そして、朱泥土、赤信楽粘土、白信楽粘土を練り合わせて色の違う粘土を四種類用意した。朱泥土で丸棒、朱泥土、赤信楽と朱泥土を混ぜ合わせたもの、白信楽粘土をそれぞれ、直方体にして、それらを細い針金で作った、いわゆるシッピキを使って薄い板に切り分け、たたら板を作った。

 

   

 朱泥土の丸棒を芯に朱泥土のたたら板、朱泥土と赤信楽粘土を混ぜたたたら板、赤信楽粘土のたたら板、白信楽粘土のたたら板を霧吹きで水を吹き付けながら順番に巻いて行った。

 

巻きあげた土を縦に半分に切った。二等分出来なかったのでその二つは左右対称ではなかった。この断面」半月のカマボコ形の半円柱の一番外側の白信楽粘土を合わせた。そして、両側から押し潰した。そのそれぞれ2個の半月を潰した棒を厚さ1cmのタタラ板5枚を両側に並べて4個に切った。出来た4個のびっくりマークの一部のような形に水を吹きかけて円形に並べた。隙間が出来ないように外側から包むように掌で圧を掛けて押して接着した。花弁のようになった形の隙間は白信楽粘土を押しこんだ。回り、上から掌で叩いた。

   

 

 

  

 

出来た円柱は高さが3cmになった。その円柱の脇に1cm厚のたたら板を3枚添えてた。たたら板を1まいずつ外しながら厚さ1cmの円板に切り分けた。

 

  

 

切り分けた円板を1っ個ずつ素焼きの型の上に載せた。高台にするため白信楽粘土の円板を3個作った。表面に水を噴射してそれを1っ個ずつ貼り付けた。

 

  

 

 2時間ほどそのままにして半乾燥させた。頃合いを見て、電動轆轤の天盤に伏せた。その高台を接着した茶碗状のものを4個の粘土玉で天盤に固定した。スイッチを入れて電動轆轤を回転。粘土カンナを使って高台を削り出し、表面を削った。

 

 これで乾燥させるわけだが、乾燥時および、焼成時に接着した所にひび割れが出来ないと良いのだが・・・・・・。それにしても、段取りが多くて面倒だった。出来たものは非対称的で整然とした模様ではないが面白味のある練り込み模様だ・・・・・という事にしよう。